前営業日トピックス
東京市場では、時間外取引で米10年債利回りが1ヵ月ぶりの高水準まで上昇したことから、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなり、対円では136.59まで上昇して7/28以来の高値を更新した。一方、欧州通貨や資源国通貨は対ドルで上値の重い動きとなったものの、対円では堅調な動きとなった。その後、欧州時間に入り、米長期金利の上昇と共にドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。
米国市場では、序盤にやや上値の重い動きとなったものの、米国の主要な経済指標の発表がない中、前日に続いて米金融当局者がインフレ抑制に向けて利上げを継続する必要性があると見解を示したこと受けて、米金利上昇と共にドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。米長期金利の上昇を受けて、ドル/円は欧州時間に付けた137.14を上抜けて137.23まで上昇し、7/27以来の高値を更新した。一方、欧州の景気後退懸念もあり、ユーロ/ドルは7/15以来の安値を更新した。
米株式市場では、FRBの大幅利上げ観測が再燃し、米長期金利が上昇したことが嫌気され、主要株価指数は軒並み軟調な動きとなった。ダウ平均株価は、序盤から軟調な動きとなり、一時前日比371ドル安まで下落した。終盤に下げ幅を縮小したものの、292.30ドル安(-0.86%)で終了した。一方、金利動向に敏感に反応するナスダックは、260.13ポイント安(-2.01%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前日の海外市場終盤の流れを受けて、ドル/円は序盤から狭いレンジ内の動きとなり、クロス円は小動きの展開となった。また、日経平均株価が上昇して始まり、一時前日比208円高まで上昇したことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。さらに、時間外取引で米長期金利が上昇したことから、ドル/円は序盤の135.72から136.37まで上昇し、7/28以来の高値を更新した。
(2)上昇一服後は上値の重い動きとなり、さらに日経平均株価が上げ幅を縮小し、午後にはマイナス圏まで下落したことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。その後、円売りが優勢となり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
(3)欧州時間では、米長期金利が上昇したことから、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなり、対円では137.14まで上昇した。ただ、米国市場に入ると欧州市場の堅調な動きが一服し、ドルは主要通貨に対して上値の重い動きとなった。
(4)米国の主要な経済指標の発表がない中、序盤にリッチモンド連銀総裁が「制限的な水準まで利上げをする必要がある」との見方を示した上、「リセッションを引き起こしてもFRBはインフレを抑制しなければならない」と発言するなど、連日米金融当局者が利上げ継続の必要性に言及したことを受けて米金利が一段の上昇となり、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。米長期金利の指標となる米10年債利回りが2.996%まで上昇し、7/21以来約1ヵ月ぶりの高値を更新したことから、ドル/円は欧州時間に付けた137.14を上抜けて137.23まで上昇し、7/27以来の高値を更新した。その後は米長期金利の上昇が一服したこともあり、上値の重い動きとなった。一方、ユーロは欧州の景気後退懸念が高まっていることを受けて、対ドルで1.0032まで下落して7/15以来の安値を更新した。
本日のトピックス
先週は、週末にかけて米当局者のタカ派発言が続いたことで、FRBの大幅利上げに対する期待感が高まり、ドルは再び主要通貨に対して堅調な動きとなった。一方、欧州経済の先行き懸念を背景に、ユーロはドルや円などに対して軟調な動きとなった。今週は、26日からのジャクソンホール・シンポジウムでのパウエルFRB議長の発言が注目されているが、引き続き米金融当局者の発言にも注目したい。また、ユーロは対ドルでパリティ(等価)に近づいており、再びパリティとなるのか注目されている。
本日の米国市場では、主要な米国の経済指標の発表がないことから、限定的な動きも予想されているが、FRBの大幅利上げ期待が高まる中で、米金利動向に注目したい。