前営業日トピックス
東京市場では、中国の経済指標が冴えない結果が続いたことで、世界的な景気減速への警戒感が広がり、リスク回避の円買いが先行し、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。ドル/円は、一時132.07まで下落して6/16以来の安値を更新した。ただ、下げ一服後は、日経平均株価が堅調な動きとなったこともあり、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。さらに、欧州主要株価指数も序盤から上昇したことも加わり、底固い動きが続いた。
米国市場では、ドル円・クロス円は序盤から上値の重い動きとなったものの、7月の米ISM製造業景況指数が市場予想を上回ったことからドル買いが入った。ただ、2020年6月以来2年1ヵ月ぶりの低水準となったことや、支払価格が大幅に低下となり、インフレがピークアウトしたとの見方が広がったことから、米長期金利の低下とともにドルも主要通貨に対して下落した。さらに、ペロシ米下院議長の訪台に関して、中国人民解放軍が対応をとると示唆したことで地政学リスクが意識され、クロス円も軟調な動きとなった。
米株式市場は、FRBの大幅利上げ観測が後退したとの見方が広がり、序盤から底固い動きが見られたものの、米中間の地政学リスクの高まりが警戒され、終盤にかけて軟調な動きとなり、主要株価指数は小幅安となった。ダウ平均株価は、序盤に204ドル安まで下落したものの、下げ一服後には上昇に転じて一時前週末比126ドル高まで上昇した。しかし、終盤にかけて上値の重い動きが続き、46.73ドル安(-0.14%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、21.71ポイント安(-0.18%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)31日に発表された7月の中国製造業PMIが市場予想を下回ったことから、世界的な景気減速への警戒感から円買いが優勢となり、ドル円・クロス円は序盤から軟調な動きとなった。ドル/円は、先週の安値の132.51を下抜けたことからストップロスを巻き込み、一時132.07まで下落して6/16以来の安値となった。
(2)下げ一服後は底固い動きとなり、序盤にマイナス圏まで下落した日経平均株価が上昇に転じて上げ幅を拡大し、191円高まで上昇したことから、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。欧州時間では、欧州主要株価指数が序盤から軒並み堅調な動きとなったことから、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。
(3)米国市場では、欧州市場の動きが一服し、ドル円・クロス円は序盤から上値の重い動きとなった。その後、7月の米ISM製造業景況指数が市場予想を上回ったことからドルは主要通貨に対して上昇した。しかし、前月から小幅低下で2020年6月以来、2年1ヵ月ぶりの低水準となったことや、支払価格が大幅に低下となり、インフレがピークアウトしたとの見方が広がり、大幅利上げの観測が後退するとともに米長期金利が低下したことから、ドルは下落に転じて主要通貨に対して軟調な動きとなった。ドル/円は、指標発表直後の高値132.39から131.60まで下落した。さらに、ペロシ米下院議長の訪台に関して、中国人民解放軍が対応をとると示唆したことで、地政学リスクが意識され、ドル円・クロス円は上値の重い動きが続いた。
本日のトピックス
前日の海外市場では、ペロシ米下院議長が台湾を訪問する見通しとなったことを受けて、中国が懸念を示し、中国人民解放軍が対応をとると示唆したことで、地政学リスクが意識され、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。東京時間でも、序盤から日経平均株価が大きく下落するなど、ドル円・クロス円は軟調な動きとなっている。関連する報道などには注意が必要だろう。
米国時間では、主要な経済指標の発表がないことや、週末の雇用統計を控えて明日から重要な経済指標の発表が予定されていることから、限定的な動きも予想されている。ただ、米中間の緊張が高まる場合にはリスク回避に動きが強まる可能性も考えられる。
8/2の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:00 | 米国 |
6月JOLT労働調査[求人件数]
JOLTS 労働調査(求人件数)は、米労働統計局が求人状況を測定するために実施する調査で、小売業や製造業など各業種の雇用データをもとに算出する統計。
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1100.0万件 | 1125.4万件 |
前回は市場予想を上回ったものの、2ヵ月連続の減少となり、労働市場の鈍化傾向が示された。ただ、依然として高水準を維持しており、底固さが維持されました。今回は、前回からさらに減少が予想されており、FRBの利上げに伴う景気鈍化懸念が影響している可能性も考えられる。 |