前営業日トピックス
東京市場では、FOMCで大幅利上げが決定されるとの見方から、時間外取引で米長期金利が上昇したこともあり、ドルは序盤から堅調な動きとなった。一方、下落して始まった日経平均株価が上昇に転じてプラス圏を回復したことから、クロス円も堅調な動きとなった。ただ、豪州の消費者物価指数が予想を下回り、大幅な利上げ観測が後退するとの思惑から豪ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなる場面もあった。その後は、FOMCの結果発表を控えて様子見ムードも広がり限定的な動きとなった。欧州時間では、ドルが主要通貨に対して軟調な動きとなった。
米国市場では、FOMCの結果発表を控えて、大幅利上げへの期待感からドル買いが先行し、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。さらに、序盤に発表された6月米耐久財受注が市場予想に反して大幅な伸びとなったこともドルの押し上げ要因となった。上昇一服後は上値の重い動きとなり、FOMCでは市場の予想通り0.75%の利上げが決定されたが、パウエルFRB議長の会見での発言がハト派的と受け取られ、今後の大幅利上げへの期待が後退、米金利が低下したことを受けて、ドルは下げ幅を拡大した。一方、欧州通貨や資源国通貨は、対ドルで上昇したことから、対円でも堅調な動きが続いた。
米株式市場は、前日に発表されたマイクロソフトの決算が好感され、主要株価指数は序盤から底固い動きが続いた。FOMC後のパウエルFRB議長の会見で、景気後退が否定されたことや、大幅利上げ観測が後退との見方が広がったことから、終盤に上げ幅を拡大した。ダウ平均株価は、序盤から小動きの展開が続いたが、FRB議長の会見を受けて上げ幅を拡大し、一時前日比574ドル高まで上昇した。引けにかけて上げ幅を縮小し、436.05ドル高(+1.37%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、469.85ポイント高(+4.06%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、前日の海外市場の流れを受けて、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。FOMCで大幅な利上げが決定されるとの期待感が先行していることや、時間外取引での米長期金利が上昇していることから、ドル/円は序盤の安値136.79から137.14まで上昇した。
(2)上昇一服後は上値の重い動きとなり、さらに米長期金利が低下したことからドルは主要通貨に対して上値の重い動きとなった。一方、日経平均株価がプラス圏を回復し、さらに117円高まで上昇したことからクロス円は堅調な動きとなった。ただ、オーストラリアの第2四半期の消費者物価指数が市場予想を下回ったことで、豪中銀の大幅利上げ期待が後退したことから、豪ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。欧州時間では、米長期金利が低下したことから、ドルが欧州通貨や欧州通貨に対して軟調な動きとなり、対円でも上値の重い動きとなった。
(3)米国市場では、FOMCの結果発表を控えて、大幅利上げへの期待感からドル買いが先行し、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。日米の金融政策の違いが意識されてドル買い・円売りが優勢となり、ドル/円は序盤の136.75から137.43まで上昇した。さらに、序盤に発表された6月米耐久財受注が市場予想に反して大幅な伸びとなったこともドルの押し上げ要因となった。
(4)上昇一服後は上値の重い動きとなり、FOMCでは市場の予想通り0.75%の利上げが決定されたものの、反応は限定的だった。さらに、FOMC後の会見で、パウエルFRB議長がインフレ抑制のために取り組むとしたことで利上げ継続期待が高まり、ドル買いに反応した。しかし、経済の軟化傾向が指摘されたことや、いずれ利上げペース落とすことが適切との見方を示したことから、大幅利上げへの期待が後退、政策金利の動向に敏感な2年債利回りが3.085%から2.955%まで低下したことを受けて、ドルは下げ幅を拡大した。一方、欧州通貨や資源国通貨は、対ドルで上昇したことから、対円でも堅調な動きが続いた。
本日のトピックス
前日の米FOMCでは、予想通り0.75%の利上げが決定されたものの、パウエルFRB議長が利上げのペースを落とすのが適切になるとの見方を示し、食品・消費が実際に減少していることを非常に憂慮しているとしたことから、利上げペースの減速懸念からドル売りが優勢となった。
本日の東京時間では、海外市場の流れを引き継ぎ、序盤からドル円・クロス円は軟調な動きとなった。ドル/円は、一時135.10まで下落して7/6以来の安値を付けた。ポジション調整のドル売りが進んでいるとの見方もある。ただ、日米の金利差を考慮すると底固い動きが続くとの見方もあり、ドルの動きが注目される。
FOMCを通過したことで、マーケットの注目が本日発表の米GDPの結果発表に移っており、2四半期連続でマイナス成長となるのかどうか注目されている。
7/28の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
第2四半期GDP(前期比年率)
GDPは、一定期間内に米国内で生み出された財とサービスの付加価値の額を合計したもので、国内の経済規模を測るための指標の一つ。GDPの伸び率は、経済成長率を表す指標として重要視されている。そして、個人消費はGDPのおよそ7割を占めることから、構成指数の中では特に重要視されている。
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0.5% | -1.6% |
前回の確報値は市場予想を下回り、2020年第2四半期以来のマイナス成長となった。企業収益が2年ぶりの大幅減少となり、コスト上昇が一部企業を圧迫していることが明らかとなった。第2四半期の速報値は、プラス改善が予想されているが、一部では2四半期連続のマイナス成長を予想する向きもあり、結果が注目されている。 | ||||
21:30 | 米国 |
新規失業保険申請件数(7/23までの週)
新規失業保険申請件数は、労働省が失業保険を申請した人(失業者)の数を毎週発表する経済指標。毎週(木曜日)発表されるため、雇用情勢の速報性に優れており、雇用統計の先行指標として注目されている。ただ、米国の祝祭日や天候などの影響を受けやすいという点もある。
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25.0万件 | 25.1万件 |
前回は市場予想を上回り、2021年11月以来の高水準となった。景気減速懸念を背景に、企業が人員を削減する動きが増えたことが影響した。今回は、前週から小幅減少が予想されているものの、引き続き労働市場への懸念が影響すると見られている。 |