前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が序盤から堅調な動きとなったことを受けて、ドル円・クロス円も序盤から堅調な動きとなった。上昇一服後は、日銀金融政策決定会合やECB理事会を控えたポジション調整の円買いが優勢となり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。午後に入り、株価が上げ幅を拡大したことから、再びドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ただ、欧州時間では、上昇して始まった欧州主要株価指数が下落したことから、上値の重い動きとなった。
米国市場では、欧州市場の流れを受けて、ドル円・クロス円は序盤から軟調な動きとなった。しかし、米主要株価指数が堅調な動きとなったことや、米長期金利が上昇に転じたことから、ドルは主要通貨に対して上昇となり、ドル/円は序盤の安値137.96から138.29まで上昇した。一方、イタリアで複数の政党がドラギ首相の支持を拒否したとの報道を受けて、イタリアの政局不安が高まりユーロは欧州時間から主要通貨に対して軟調な動きとなった。
米株式市場は、前日の大幅上昇を受けて序盤は利益確定の売りが先行、主要株価指数はやや上値の重い動きとなった。しかし、本格化する米企業の四半期決算の好業績を期待した買いが優勢となり、主要株価指数は堅調な動きとなった。さらに、FOMCで大幅利上への警戒感が後退したことも引き続き材料視された。ダウ平均株価は、序盤から上値の重い動きとなり、一時前日比180ドル安まで下落した。その後は上昇に転じて117ドル高まで上昇する場面もあったが、47.79ドル高(+0.15%)と、小幅高で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、184.50ポイント高(+1.58%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、日経平均株価が序盤から堅調な動きとなり、前日比587円高まで上昇したことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。しかし、上昇一服後は円買い戻しの動きに押されてドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。さらに、米長期金利が時間外取引で低下したことも加わり、ドル/円は序盤の高値138.38から137.92まで下落した。ただ、日銀の金融政策発表を翌日に控えて下値は限定的だった。
(2)午後に入り、日経平均株価が上げ幅を拡大し、終盤に731円高まで上昇したことから、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。欧州市場では、上昇して始まった欧州主要株価指数が、イタリアの政局不安を背景に下落に転じて下げ幅を拡大したことや、米長期金利が低下したことからドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。
(3)米国市場では、欧州市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から軟調な動きとなった。その後、米主要株価指数が堅調な動きとなったことや、米長期金利の指標となる米10年債利回りが上昇に転じ、2.941%から3.039%まで上昇したことから、ドルは主要通貨に対して上昇となり、ドル/円は序盤の安値137.96から138.29まで上昇した。一方、イタリアで複数の政党がドラギ首相の支持を拒否したとの報道を受けて、イタリアの政局不安が高まりユーロは欧州時間から主要通貨に対して軟調な動きとなった。
本日のトピックス
ユーロは、7/14に対ドルでパリティまで下落したが、その後に値頃感の買い戻しなどもあり、一時1.0273まで反発した。しかし、イタリアの政局不安が高まったことで再び軟調な動きとなっている。目先はイタリア首相の進退が注目されている。その一方で、本日のECB理事会の政策発表が予定されており、政策金利の引き上げがコンセンサスとなっている。予想通り利上げが決定された場合には、ユーロ買いが強まる可能性も考えられる。特に、本日の日銀の金融政策決定会合で、現状の政策を維持した場合には、対円で一段の上昇も考えられる。
米国市場では、新規失業保険申請件数、7月のフィラデルフィア連銀景況指数の発表が予想されており、冴えない結果が続いているものの、今回は両指数とも前回から改善が予想されている。景気鈍化が連想される結果となる場合には、大幅利上げ観測の後退につながる可能性もあり、結果が注目されている。
7/21の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
---|---|---|---|---|
20:45 | 欧州 |
政策金利 |
0.25% | 0.00% |
今回のECB理事会では、政策金利など各種金利を0.25%引き上げるとの見方が大勢となっている。ただ、一部でマイナス金利政策を解除すべきとの意見もあり、預金金利(現行-0.50%)のマイナス金利の解除するために0.50%の利上げを予想する向きも。 | ||||
21:30 | 米国 |
7月フィラデルフィア連銀景況指数
フィラデルフィア連銀製造業景況指数は、フィラデルフィア連銀の管轄であるニュージャージー、ペンシルバニア、デラウエアの製造業の景況感などを指数化した経済指標で、最も早く公表される製造業の景況指数の一つである。ISM製造業景気指数の先行指標としても注目されている。製造業に関連した新規受注・雇用・在庫など、指数化された数値が発表される。数値はゼロが景況の判断の基準となる。
|
1.5 | -3.3 |
前回は市場予想を下回り、2020年5月以来のマイナスとなった。3ヵ月連続の低下となり、新規受注や在庫がマイナスに落ち込んだことが影響し、製造業の鈍化傾向が示された。今回は、プラス改善が予想されているが、依然としてマイナスを予想する向きも多いことから、結果に注目したい。 | ||||
21:30 | 米国 |
新規失業保険申請件数(7/16までの週)
新規失業保険申請件数は、労働省が失業保険を申請した人(失業者)の数を毎週発表する経済指標。毎週(木曜日)発表されるため、雇用情勢の速報性に優れており、雇用統計の先行指標として注目されている。ただ、米国の祝祭日や天候などの影響を受けやすいという点もある。
|
24.0万件 | 24.4万件 |
前回は市場予想を上回り、2021年11/19までの週以来の高水準となった。インフレ抑制のために、金融引き締めを強化していることが労働市場に影響している可能性も指摘されている。今回は、前週から小幅減少が予想されているものの、前週は独立記念日の祝日が含まれていたことから、予想以上の増加となる可能性も考えられる。 |