前営業日トピックス
東京市場では、先週末に米期待インフレが低下したことを受けて、7月のFOMCで1.00%の利上げが決定されるとの見方が後退したことが改めて材料視され、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。さらに、米長期金利が低下したことも圧迫要因となり、ドル/円は138.39から137.38まで下落した。
米国市場では、序盤に発表された6月の米住宅着工件数が市場予想を下回ったことから、ドルは主要通貨に対して上値の重い動きとなる場面もあった。しかし、米長期金利が上昇したことから、ドル/円も138.25まで上昇した。一方、ユーロは21日のECB理事会で0.50%の利上げが決定されるとの期待が高まっていることや、21日にロシアのガス供給が再開する見通しとの報道が好感され、対円では7/5以来の高値を更新した。
米株式市場は、FOMCでの1.00%の大幅利上げ観測が後退したことや、米企業の四半期決算に対する期待が高まったことを受けて、米主要株価指数は序盤から堅調な動きとなった。ダウ平均株価は、序盤から堅調な動きが続き、一時前日比769ドル高まで上昇した。高値圏を維持したまま、754.44ドル高(+2.43%)で終了。一方、ハイテク株中心のナスダックは、353.10ポイント高(+3.11%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)休場明けの東京市場では、序盤からドル円・クロス円は堅調な動きとなった。しかし、先週末のミシガン大学消費者物価指数で5年先のインフレ期待が低下したことで大幅利上げ観測が後退したことが改めて材料視され、ドルは主要通貨に対して上値の重い動きとなった。さらに、米長期金利が低下したことから、ドル/円は序盤の高値の138.39から137.94まで下落した。
(2)ドルは欧州通貨や資源国通貨に対して下げ幅を拡大したことから、対円でも一段の下げとなり、137.38まで下げ幅を拡大した。
(3)米国市場では、欧米の主要株価指数が大幅上昇となったことを受けて、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。ドルは序盤に発表された6月の米住宅着工件数が市場予想を下回ったことから、主要通貨に対して上値の重い動きとなる場面もあった。しかし、米長期金利の指標となる米10年債利回りが2.967%から3.035%まで上昇し、再び3.0%台を回復したことから、ドル/円も138.25まで上昇した。一方、21日のECB理事会で0.50%の利上げが決定されるとの期待が高まっていることや、21日にメンテナンスのために停止していたロシアのガス供給が再開する見通しとの報道が好感され、ユーロは対円では7/5以来の高値を更新した。また、英中銀総裁が8月に0.50%の利上げを検討しているとの発言を受けて、ポンドは主要通貨に対して堅調な動きとなった。
本日のトピックス
来週のFOMCで1.00%の利上げ期待が後退しているものの、依然として大幅利上げの可能性があることから、ドルは底固い動きが続いている。一方、21日のECB理事会で0.50%の利上げ期待が高まっており、ユーロも堅調な動きとなっている。その中で、本日から日銀金融政策決定会合(結果発表と黒田総裁の会見は21日)が予定されており、引き続き大規模緩和策を維持すると見られていることから、円売りが継続する可能性もあり、ドル円・クロス円は底固い動きが続くと予想されている。
本日の米国市場では、6月の米中古住宅販売件数の発表が予定されており、ここまで住宅関連の経済指標の冴えない結果が続いており、当該指標も前月から減少が予想されている。予想以上の減少となる場合には、景気減速への懸念が意識される可能性もあり、結果に注目したい。
7/20の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:00 | 米国 |
6月中古住宅販売件数
中古住宅販売件数は、所有権が移転した中古住宅の販売件数であり、米国の景気動向を見る上で重要視されている経済指標の一つである。所得やローン金利の動向に影響を受けることから、ローン金利動向やローン申請件数と関係も深い。
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537万件 | 541万件 |
前回は市場予想を小幅に上回ったものの、4ヵ月連続の減少となり、2020年6月以来の低水準となった。住宅価格の上昇と、利上げに伴う米住宅ローン金利の上昇が需要を抑制していることが示された。今回は、さらに減少が予想されており、金利の上昇を背景に今後減少が続くとの見方もある。 |