前営業日トピックス
東京市場では、仲値公示にかけて実需のドル買い・円売りが観測されたこともあり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。しかし、景気後退懸念を背景に上昇して始まった日経平均株価が下落に転じて一時550円超まで下落したことから、リスク回避の動きが強まり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。欧州時間では、下落して始まった欧州主要株価指数が上昇に転じたことなどもあり、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。
米国市場では、序盤に発表された6月の米ISM製造業景況指数が2020年6月以来の低水準まで低下したことや、米主要株価指数が下落したことを受けて、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。さらに、米長期金利が低下したことも加わり、ドル/円は序盤の135.56から134.79まで下落した。その後は、米長期金利が持ち直したことや、米主要株価指数が上昇に転じたことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
米株式市場では、序盤に発表されたISM製造業景況指数が予想以上に低下したことから、主要株価指数は軒並みマイナス圏まで下落した。ただ、その後は値頃感の買い戻しや、3連休を控えて終盤にかけて買いが入ったことが押し上げ要因となり、米主要株価指数は軒並み反発となった。ダウ平均株価は、序盤に一時前日比363ドル安まで下落したものの、終盤にかけて堅調な動きが続き、321.83ドル高(+1.05%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、99.10ポイント高(+0.90%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、日経平均株価が序盤から堅調な動きとなり、一時前日比138円高まで上昇したこともあり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。しかし、米景気後退懸念を背景にリスク回避の流れが広がり、米株価先物が下落したことや、時間外取引で米長期金利の指標となる米10年債利回りが3.024%から2.937%まで低下したことから、ドル円・クロス円は軟調な動きとなり、ドル/円は序盤の高値の135.99から134.99まで下落した。
(2)下げ一服後、ドル円・クロス円は底固い動きとなったものの、ドルは欧州通貨や資源国通貨に対して軟調な動きとなったことから、対円でも軟調な動きが続いて一時134.75まで下落した。ただ、下げ一服後は、米長期金利が下げ止まったことや、下落して始まった欧州主要株価指数が上昇に転じたこともあり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
(3)米国市場では、序盤からドル円・クロス円は底固い動きとなったが、6月の米ISM製造業景況指数が2020年6月以来の低水準まで低下したことや、米主要株価指数が下落したことを受けて、投資家のリスク回避の動きから、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。さらに、米長期金利の指標となる米10年債利回りが2.951%から2.787%まで低下したことも加わり、ドル/円は序盤の135.56から134.79まで下落した。ただ、アジア時間に付けた134.75までは下げなかった。
(4)低下していた米10年債利回りが2.90%台まで持ち直したことや、米主要株価指数が上昇に転じて終盤にかけて上げ幅を拡大したことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなり、ドル/円は135.40まで値を戻した。
本日のトピックス
週明けの東京市場では、ドル円・クロス円は引き続き上値の重い動きが続いている。ドル/円は、下値のポイントとなる134.27を下抜けて一段の下げとなるのか注目されている。
本日の米国は独立記念日(Independence Day)の祝日のため主要市場が休場となることから、限定的な動きが予想されている。今週は、週末に米雇用統計の発表が予定されており、週央から雇用に関連する重要な経済指標の発表が続くことから結果が注目されており、それまでは限定的な動きが続く可能性も考えられる。
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート
ドル/円は、高値を更新した後に上値の重い動きが続いており、ここから軟調な動きが続くのか、再び堅調な動きとなるのか注目されている。
目先の方向性を見る上で注目されているオシレーターのMACDは、両線がクロスして下向きに転換しており、さらに両線の乖離幅が拡大している。ここから乖離幅の拡大傾向が続き、ドル/円も軟調な動きとなるのか注目されている。
目先の下値のポイントは134.269であり、ここを下抜けると一段の下げとなる可能性も考えられ、その場合には一目均衡表の基準線が次の下値のポイントとなる。ただ、基準線は本日131.92に位置しているが、連日上昇が続き、週末には133.33まで上昇する。
一方、上値のポイントは一目均衡表の転換線の135.632となり、ここを上回る場合には、136.995の高値を試す展開も考えられる。