前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が序盤から軟調な動きとなったことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。ただ、五・十日で仲値公示にかけて実需のドル買いが観測されたことから、ドルは底固い動きとなった。午後には、日経平均株価が下げ幅を拡大したことや、米長期金利が低下したことから、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。ただ、下げ一服後にドル/円は値を戻す動きとなったものの、欧州通貨や資源国通貨は対ドルで軟調な動きとなったことから、対円でも上値の重い動きが続いた。
米国市場では、序盤に発表された5月の米個人所得・消費統計でインフレの鈍化傾向が示されたことを受けて米長期金利が低下となり、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。さらに、アトランタ連銀が出すGDP予想で、第2四半期GDPがマイナス成長とリセッション入りが示唆されたこともドルの圧迫要因となった。ドル/円は135.55まで下落したものの、欧州通貨や資源国通貨は対ドルで上昇したことから、対円でも底固い動きとなった。
米株式市場では、米FRBの急速な金融引き締めで米景気が減速するとの懸念から主要株価指数は序盤から軟調な動きとなった。ただ、5月米PCEコア・デフレーターが低下したことを受けて米長期金利が下落したことを受けて、主要株価指数は下げ幅を縮小した。ダウ平均株価は、序盤から軟調な動きとなり、一時前日比597ドル安まで下落した。その後は下げ幅を縮小して253.88ドル安(-0.82%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、149.16ポイント安(-1.33%)で終了し、4営業日続落となった。
米ドル/円

※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、序盤からドル円・クロス円は堅調な動きとなったものの、日経平均株価が下落して始まり、295円安まで下落したことから上値の重い動きとなった。ただ、五・十日であり、実需のドル買いが観測されたことから、仲値公示近辺でドルは主要通貨に対して底固い動きとなった。
(2)午後に入り、日経平均株価が下げ幅を拡大し、一時前日比480円安まで下落したことや、米長期金利の指標となる米10年債利回りが時間外取引で3.106%から3.063%まで低下したことから、ドル円・クロス円は軟調な動きとなり、ドル/円は序盤の高値136.81から135.96まで下落する動きとなった。ただ、下げ一服後は値を戻す動きとなった。
(3)米国市場では、序盤に発表された5月の米個人所得・消費統計でPCEコア・デフレーター(前年比)が2021年11月以来の低水準となったことで、インフレの鈍化が示されたとの見方から米長期金利の指標となる米10年債利回りが3.046%から2.968%まで低下し、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。さらに、アトランタ連銀が出すGDP予想(GDPナウ)で、第2四半期GDPがマイナス成長とリセッション入りが示唆されたこともドルの圧迫要因となった。ドル/円は、序盤の高値の136.31から135.55まで下落したものの、欧州通貨や資源国通貨は対ドルで上昇したことから、対円でも底固い動きとなった。
本日のトピックス
昨晩の米国市場では、インフレの鈍化傾向か示されたことを受けて米長期金利が低下したことがドルの圧迫要因となったが、インフレは依然として高水準が維持されている。そのため、インフレ抑制のために急速な金融引き締めが続くと見られている。ただ、金利上昇に伴う米景気の減速懸念も根強いことから、ドルは方向性の定まらない展開が続くと予想される。
本日の米国市場では、6月の米ISM製造業景況指数の発表が予定されており、マーケットの注目は金利動向だが、来週末に予定されている米雇用統計の結果で景気の鈍化の兆候が見られるのか判断したいとの思惑もあり、ISM製造業景況指数の雇用指数にも注目したい。
7/1の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:00 | 米国 |
6月ISM製造業景況指数 ![]()
ISM製造業景気指数は、全米供給管理協会(Institute for Supply Management=ISM)が発表する米国の製造業の景況感指数であり、製造業の購買・供給管理責任者に対するアンケートを集計した指数。50が景気の拡大・後退の判断基準であり、50を上回れば景気拡大、下回れば景気後退と判断する。
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54.5 | 56.1 |
前回は市場予想を上回り、前月から0.7ポイント上昇、また製造業の景気拡大・縮小の判断基準となる50を24ヵ月連続で上回った。新規受注と生産の伸びが加速したことが影響し、ピークから低下傾向ではあるものの、依然として底固さが示された。今回は低下が予想されており、予想通りの結果なら2020年7月以来の低水準となる。 |