前営業日トピックス
東京市場では、上昇して始まった日経平均株価が上げ幅を縮小したことや、仲値にかけて実需のドル売り・円買いが観測されたことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。その後、日経平均株価が上げ幅を拡大して440円超上昇したことや、米長期金利が上昇したことも加わり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。欧州市場でも、主要株価指数が上昇したことや、米長期金利の上昇が続き、ドル円・クロス円も堅調な動きが続いた。
米国市場では、序盤に発表された5月の米耐久財受注が市場予想を上回ったこともあり、ドル/円は前日の高値を上回る135.55まで上昇した。ただ、上昇一服後は、米長期金利が低下したことからドルは主要通貨に対して軟調な動きとなり、対円では135.01まで下落した。終盤にかけては、再び米長期金利が上昇したことに合わせて、ドルは主要通貨に対して上昇となり、対円でも135.49まで値を戻す動きとなった。
米株式市場では、序盤に発表された5月の米耐久財受注が市場予想を上回り、物価上昇への警戒感が高まったことから、主要株価指数は序盤から上値の重い動きとなった。その後は堅調な動きとなる場面もあったが、FRBによる金融引き締め加速が景気後退を招くとの懸念も根強く、リスク回避の売りが優勢となり主要株価指数は3営業日ぶりに反落となった。ダウ平均株価は、序盤に前日比97ドル高まで上昇したものの、その後は上値の重い動きが続き一時149ドル安まで下落した。引けにかけて下げ幅を縮小し、62.42ドル安(-0.20%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、83.07ポイント安(-0.72%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、前週末の海外市場の堅調な流れが一服し、ドル円・クロス円は序盤から上値の重い動きとなった。日経平均株価が序盤から前週末比290円超上昇したものの、米株価先物が下落したことを受けて、日経平均株価も上げ幅を縮小したことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。さらに、仲値公示にかけてドル売り・円買いが観測されたことから、ドル/円は序盤の高値の135.22から134.52まで下落した。
(2)下げ一服後は底固い動きとなり、日経平均株価が上げ幅を拡大して一時446円高まで上昇したことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。さらに、時間外取引で米長期金利の指標となる米10年債利回りが3.117%から3.171%まで上昇したことも加わり、ドル/円は135円台を回復した。
(3)欧州市場では、欧州主要株価指数が序盤から堅調な動きとなったことや、米10年債利回りが3.209%まで上昇したことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。米国市場では、欧州市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。序盤に発表された5月の米耐久財受注が市場予想を上回ったこともあり、ドル/円は前日の高値を上回る135.55まで上昇した。上昇一服後は、米長期金利が低下したことからドルは主要通貨に対して軟調な動きとなり、対円では135.01まで下落した。一方、欧州通貨や資源国通貨は対円で上値の重い動きとなったものの、対ドルで上昇したことから、下値は限定的だった。
(4)終盤にかけて再び米長期金利が上昇したことを受けて、ドルは主要通貨に対して上昇となり、対円でも135.49まで値を戻す動きとなった。欧州通貨や資源国通貨は対ドルで上値の重い動きとなったことから、対円でも上値の重い動きが続いた。
本日のトピックス
米国の物価上昇が鈍化傾向にあるとの見方から、積極的な利上げが見直されるとの思惑もあるが、引き続き米金利動向が相場を左右する展開が続いている。本日の東京市場では、前日の海外市場の流れを引き継ぎ、序盤から堅調な動きとなった。しかし、時間外取引で米長期金利が低下したことに反応して円買い・ドル売りが優勢となり、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。ここからドル/円は135円台で底固い動きとなるのか注目されている。
本日の米国市場では、6月の米消費者信頼感指数の発表が予定されており、引き続き高インフレが家計に影響を与えていることから、指数の一段の低下が予想されている。
6/28の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:00 | 米国 |
6月消費者信頼感指数
消費者信頼感指数は、米国のCB(Conference-Board=コンファレンスボード「全米産業審議委員会」)という民間の調査機関が発表する消費者マインドを指数化したもの。5,000人の消費者にアンケート調査を行い、現在と半年後の景況感、雇用、所得の項目で回答した結果を指数化している。
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100.0 | 106.4 |
前回は市場予想を上回ったものの、4月の結果から低下した。インフレ高進が家計を圧迫しており、消費者のマインドを低下させていることが示された。今回は、一段の低下が予想されており、予想通りの結果なら2021年2月以来の低水準となる。 | ||||
23:00 | 米国 |
6月リッチモンド連銀製造業指数
リッチモンド連銀製造業指数は、米国の12連邦準備銀行の1つであるリッチモンド地区連銀が発表している製造業指数。1993年から算出が開始されており、NY連銀、フィラデルフィア連銀が発表する指数と合わせて製造業の景況を確認できる。管轄はウェストバージニア州、サウスカロライナ州、ノースカロライナ州、バージニア州、メリーランド州、ワシントンDCなど。管轄地域は米国内生産の9.1%を占める。
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-5 | -9 |
前回は市場予想に反して大幅低下となり、2020年5月以来の低水準となった。マイナスは昨年9月以来となり、製造業の鈍化傾向が示された。今回は、マイナス幅の縮小が予想されており、予想通りの結果なら、2020年5月以来の2ヵ月連続のマイナスとなる。 |