前営業日トピックス
東京市場では、ドル/円が前日高値を上回り、一時136.71円まで上昇し、約24年ぶりの高値を更新した。しかし、序盤に前日比200円超上昇した日経平均株価が下落に転じ、マイナス圏まで下落したことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。さらに、時間外取引で米長期金利が低下したことも加わり、ドル/円は135.81まで下落した。欧州時間では、欧州通貨や資源国通貨が対ドルで上昇したことから、対円でも底固い動きとなった。
米国市場では、ドル円・クロス円は序盤から上値の重い動きとなった。その後、パウエルFRB議長の議会証言が注目されたが、FOMC後の会見の内容とほぼ同じだったことから、マーケットの反応は限定的だった。一方、欧州通貨や資源国通貨は対ドルで上昇したことから、対円でも堅調な動きが続いた。
米株式市場では、パウエルFRB議長が議会証言で金融引き締めの継続を示したことから、主要株価指数は上値の重い動きとなった。さらに、急速な金融引き締めによる景気後退の可能性について言及したことも圧迫要因となり、主要株価指数は小幅安となった。ダウ平均株価は、序盤に前日比364ドル安まで下落したものの、その後は上昇に転じて一時247ドル高まで上昇した。しかし、終盤にかけて再び軟調な動きとなり、47.12ドル安(-0.15%)で終了。一方、ハイテク株中心のナスダックは16.22ポイント安(-0.15%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、前日の海外市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。日米の金融政策の方向性の違いを意識した円売りが先行し、ドル/円は海外時間の高値136.68を上抜けて136.71まで上昇し、1998年10月以来約24年ぶりの高値を更新した。しかし、急速な円安に対する日銀の牽制に対する警戒感も根強く、上昇一服後は利益確定の動きなども観測されて上値の重い動きとなった。さらに、前日比216円高まで上昇した日経平均株価が下落に転じたことも加わり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
(2)午後には、時間外取引で低下していた米長期金利が持ち直したことや、日経平均株価がプラス圏まで回復したことから、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。その後、米長期金利が再び低下したことから、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。一方、5月の英消費者物価指数が1982年3月以来40年ぶりの高水準となったことから、発表後は利上げ加速への期待からポンドは主要通貨に対して上昇したが、利上げ加速が景気減速を招くとの懸念が高まり、ポンドは主要通貨に対して下落した。
(3)米国市場では、欧州市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。欧州時間から米長期金利の低下が続いたことで、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。米国の主要な経済指標の発表がない中、パウエルFRB議長が議会証言で積極的な金融引き締めを継続する方針を示した一方、利上げがリセッションを引き起こす可能性に言及した。ただ、FOMC後の会見の内容とほぼ同じだったことから、マーケットの反応は限定的だった。一方、欧州通貨や資源国通貨は対ドルで上昇したことから、対円でも堅調な動きが続いた。終盤にかけて米長期金利が持ち直したことから、ドル/円は底固い動きとなった。
本日のトピックス
昨日の海外市場で、ドル/円は136円台を割り込む動きとなったものの、終盤に136円台を回復して終了した。本日の東京市場でも、序盤に136円台を割り込んで135.80台まで下落したものの、その後に136円台を回復しており、底固さが確認された。引き続き136円台を割れ近辺で底固い動きが続くのか注目されている。
本日の海外時間では、トルコ、ノルウェー、メキシコ中銀の金融政策発表が予定されており、トルコ中銀は政策金利の据え置くと予想されているが、ノルウェー、メキシコ両中銀はともに利上げを決定するとの予想がコンセンサスとなっており、結果発表とマーケットの反応に注目したい。
一方、米国市場では、米新規失業保険申請件数の発表が予定されているが、マーケットの関心が米国の利上げペースと日々の金利動であることから、当該指標結果を受けた反応は薄くなっている。そのため、予想の範囲内の結果なら反応は限定的と見られている。
6/23の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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20:00 | トルコ |
金融政策 |
14.00% | 14.00% |
6/3に発表された5月のトルコの消費者物価指数は、前年比で73.5%と1998年以来の高水準となった。トルコ中銀は、インフレ高進にもかかわらず、ここまで5会合連続で政策金利である1週間物レポレートを据え置いていている。インフレ率はさらに上昇すると予想されているものの、中銀の姿勢は変わらず、今回も引き続き14.00%での据え置きが予想されている。 | ||||
21:30 | 米国 |
新規失業保険申請件数(6/18までの週)
新規失業保険申請件数は、労働省が失業保険を申請した人(失業者)の数を毎週発表する経済指標。毎週(木曜日)発表されるため、雇用情勢の速報性に優れており、雇用統計の先行指標として注目されている。ただ、米国の祝祭日や天候などの影響を受けやすいという点もある。
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23.2万件 | 22.9万件 |
前回は市場予想を上回ったものの、前週からは小幅減少となった。一方、失業保険継続受給者数は1969年以来の低水準を維持した。労働市場はタイトであるものの、申請件数はここから減少が続くとは考え難く、当面は20万-25万のレンジで推移すると見られている。 |