前営業日トピックス
東京市場では、前週末の海外市場の流れを受けて、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。しかし、上昇一服後は上値の重い動きとなり、さらに上昇して始まった日経平均株価が440円超下落したことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。午後には、ドルが主要通貨に対して下落したことから、ドル/円も上値の重い動きが続いた。さらに、岸田首相と黒田日銀総裁が意見交換をし、急激な円安は憂慮すべきとの話があったとの報道を受けて円が買われた。ただ、その後は再び円が売られ、さらに欧州通貨や資源国通貨が対ドルで上昇したことから、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。
米国市場では、序盤からドル円・クロス円は堅調な動きとなった。米国市場が休場で新規材料に乏しい中、日米の金融政策の違いが引き続き意識され、ドル買い・円売りが優勢となった。ドル/円は、135.15まで上昇したものの、日本当局の円安牽制への警戒感も根強く、上値は限定的だった。一方、ラガルドECB総裁が7月と9月に利上げを予定との発言を受けて、ユーロ/円は142.36まで上昇し、6/10以来の高値を更新した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前週末の海外市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。ドル/円は、海外時間に付けた高値135.43を上抜けて135.45まで上昇したものの、6/15に付けた1998年10月以来約24年ぶりの高値の135.60には届かった。
(2)上昇一服後は上値の重い動きとなり、さらに前週末比193円高で始まった日経平均株価が下落に転じ、442円安まで下落したことも加わり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。その後、ドルは主要通貨に対して下落したことから、対円でも上値の重い動きとなった。一方、欧州通貨や資源国通貨は対ドルで上昇したことから、対円でも堅調な動きとなった。その後、岸田首相と黒田日銀総裁が会談し、急速な円安は好ましくないとの意見交換したとの報道を受けて、円が買われる動きとなった。しかし、欧州時間に入り、欧州主要株価指数が堅調な動きとなったこともあり、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。
(3)米国市場では、欧州市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。米国がジューンティーンスの振り替え休日で主要市場が休場で新規材料に乏しい中、日米の金融政策の違いが引き続き意識され、ドル買い・円売りが優勢となった。ドル/円は135.15まで上昇したものの、米国市場の休場で市場参加者が少なかったことや、日本当局の円安牽制への警戒感も根強く、上値は限定的だった。一方、ラガルドECB総裁が7月と9月に利上げを予定と発言したことや、ラトビア中銀総裁が7月に0.25%、9月に0.50%の利上げを支持すると発言したことを受けて、ユーロ/円は142.36まで上昇し、6/10以来の高値を更新した。
本日のトピックス
改めて、ECBが7月と9月に利上げを決定する可能性が示されたことから、日本との金融政策の違いが意識され、ユーロ/円は堅調な動きとなっている。また、FRBの利上げ期待も高いことから、円は主要通貨に対して軟調な動きが続くと見られている。ただ、急速な円安に対する日本当局の牽制への警戒感も根強く、上値は限定的との見方もあり、ここからの動きが注目されている。
休場明けの米国市場では、米中古住宅販売件数の発表が予定されており、4ヵ月連続の減少が予想されている。引き続き、住宅市場の鈍化が示されると予想されており、米国の景気鈍化への懸念が高まる場合にはドルは上値の重い動きとなる可能性も考えられる。
6/21の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:00 | 米国 |
5月中古住宅販売件数
中古住宅販売件数は、所有権が移転した中古住宅の販売件数であり、米国の景気動向を見る上で重要視されている経済指標の一つである。所得やローン金利の動向に影響を受けることから、ローン金利動向やローン申請件数と関係も深い。
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540万件 | 561万件 |
前回は、市場予想を下回り、3ヵ月連続の減少で2020年6月以来の低水準となった。住宅価格の上昇に加え、住宅ローン金利の上昇が影響した。30年物の住宅ローン金利は年初時点の3.5%から5.5%まで上昇した。今回は、前回からさらに減少が予想されており、住宅市場の鈍化傾向は鮮明になると見られている。 |