前営業日トピックス
東京市場では、序盤から日経平均株価が大幅上昇となり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなったものの、終盤にかけて上げ幅を縮小したことから、上値の重い動きとなった。さらに、上昇していた米長期金利が再び低下したこともドルの圧迫要因となった。その後、スイス中銀が予想外の利上げを決定したことで、翌日の日銀金融政策決定会合の結果発表に対する思惑が交錯して円買いが優勢となった。
米国市場では、各国中銀が金融引き締めを進める中、日銀金融政策決定会合で出口戦略に向けた動きが出るとの思惑を背景にした円買いに加えて、主要な経済指標が軒並み予想を下回ったことやFOMCを終えたことで米長短金利が軒並み大幅低下となったことから、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。ドル/円は、一時131.50まで下落して6/6以来の安値を付けた。一方、欧州通貨や資源国通貨は対ドルで上昇したことから、対円でも堅調な動きが続いた。
米株式市場では、スイス中銀が予想外の利上げを発表するなど、世界的に金融引き締めが進む中で世界経済が減速するとの懸念が高まり、主要株価指数は大幅下落となった。ダウ平均株価は、序盤から軟調な動きが続き、一時前日比928ドル安まで下落した。終盤には下げ幅を縮小して741.46ドル安(-2.42%)で終了、終値ベースでは2021年1月以来の30000ドル割れとなった。一方、ハイテク株中心のナスダックは、453.05ポイント安(-4.08%)で終了し、終値ベースで2020年7月以来の安値。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、日経平均株価が序盤から堅調な動きとなり、一時前日比620円超上昇したことから、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。さらに、時間外取引で海外時間に急落した米長期金利が持ち直したことから、ドル/円は134.68まで上昇した。
(2)その後、ドル円・クロス円は上値の重い動きが続いたものの、スイス中銀が予想外に15年ぶりとなる利上げを決定したこと受けて、スイスフラ主要通貨に対して上昇した。スイス中銀の利上げを受けて、17日の日銀金融政策決定会合でも出口戦略に向けて踏み込むとの思惑から円買いが優勢となり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
(3)米国市場では、欧州市場の流れを引き継ぎ、ドルは序盤から主要通貨に対して軟調な動きとなった。序盤に発表された新規失業保険申請件数、住宅着工件数がさえないけっかとなったことから、ドルは上値の重い動きとなった。さらに、欧州時間にスイス中銀や英中銀が利上げを発表するしたことで、本日予定に予定されている日銀金融政策決定会合で出口戦略に向けて調整されるとの思惑が広がったほか、米2年債利回りが3.389%から3.080%まで低下、米長期金利の指標となる10年債利回りも3.491%から3.176%まで大幅低下、ドル売り・円買いが優勢となり、ドル/円は一時131.50まで下落して6/6以来の安値を付けた。一方、欧州通貨や資源国通貨は対ドルで上昇したことから、対円でも堅調な動きが続いた。
本日のトピックス
午後に予定されている日銀の金融政策決定会合の結果発表と、黒田日銀総裁の会見での発言が注目されている。海外では、日銀が政策を変更する可能性との思惑が交錯し、円買い・ドル売りが優勢となったことから、結果発表などが注目されている。
ただ、その後は今週予定されていた主要国の金融政策発表などの重要なイベントが終了したことや、為替市場や株式市場で今週大幅な動きとなったことから、週末のポジション調整程度の動きに留まるとの見方もある。米国市場では、5月の米鉱工業生産、景気先行指数の発表が予定されているが、予想以上の悪化とならなければ、反応は限定的と見られている。
6/17の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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22:15 | 米国 |
5月鉱工業生産(前月比)
鉱工業生産は、鉱工業関連の生産動向を指数化したものであり、2002年を100として数値が算出され前月比で発表される。GDPに占める鉱工業部門の割合が約20%程度であることから重要な経済指標である。
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0.4% | 1.1% |
前回は市場予想を上回り、4ヵ月連続のプラスとなった。製造業の生産が3ヵ月連続でプラスとなったことが影響した。一方、設備稼働率は15年ぶりの高水準となった。今回は、伸び幅の縮小が予想されているものの、5ヵ月連続のプラスが予想されている。 |