前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が序盤から上昇したことや、時間外取引で米長期金利が上昇したことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。その後、日経平均株価の上昇が一服したことなどから上値の重い動きとなり、さらに米雇用統計の発表を控えて様子見ムードが強まったことから、ドル円・クロス円は小動きの展開が続いた。
米国市場では、序盤に発表された米雇用統計で、非農業部門雇用者数が市場予想を上回ったことを受けて、FRBによる積極的な金融引き締め加速への期待感が高まり、ドルは主要通貨に対して上昇した。対円では、一時130.98まで上昇し、5/9以来の高値を更新した。一方、ドル/円の上昇に連れてクロス円も上昇となり、特にECBの早期の利上げ期待を背景に、ユーロは対円で一時140.37まで上昇し、2015年6月以来の高値を付けた。
米株式市場では、米雇用統計で非農業部門雇用者数が市場予想を上回ったことを受けて、FRBによる積極的な金融引き締め加速への警戒感が再燃し、主要株価指数は売りが優勢となった。ダウ平均株価は、序盤から軟調な動きとなり、終盤には一時前日比409ドル安まで下落した。引けにかけて下げ幅を縮小し、348.59ドル安(-1.05%)で終了した。一方、金利動向に敏感なナスダックは、米長短金利の上昇が影響して下げ幅が拡大、304.17ポイント安(2.47%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、日経平均株価が序盤から堅調な動きとなり、前日比362円高まで上昇したことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ドル/円は、一時130.04まで上昇して前日の海外時間に付けた高値と面合わせとなった。その後、時間外取引で上昇していた米長期金利が低下したことや、日経平均株価が200円高まで上げ幅を縮小したことから、ドル円・クロス円も高値から反落した。
(2)その後は、米国の雇用統計の発表を控えて様子見ムードが強まったことから、限定的な動きが続いた。ただ、日経平均株価や欧州主要株価指数が堅調な動きとなったことから、ドル円・クロス円は底固い動きが続いた。
(3)米国市場では、序盤に発表された米雇用統計で非農業部門雇用者数が市場予想を上回ったことを受けて、FRBによる積極的な金融引き締めが加速するとの期待感が高まり、ドルは主要通貨に対して上昇した。さらに、米長期金利の指標となる米10年債利回りが2.911%から2.984%まで上昇し、政策金利の動向に敏感な2年債利回りとともに2週間ぶりの高水準まで上昇したことから、対円で雇用統計発表前の130.07から130.98まで上昇し、5/9以来の高値を更新した。一方、ドル/円の上昇に連れてクロス円も上昇となり、特にECBがインフレ抑制のために金融引き締めを急ぐとの見方を背景に、ユーロは対円で一時140.37まで上昇し、2015年6月以来の高値を付けた。
本日のトピックス
先週末の米雇用統計の結果を受けて、FRBによる積極的な金融引き締め加速への期待感が高まり、米長短金利上昇とともに、ドル/円も5/9以来の高値となる130.98まで上昇した。5/9に付けた131.35がレジスタンスとなるが、131円台近辺では上値の重い動きとなっており、週明けの東京市場でも序盤に131.00まで上昇したものの、その後は上値の重い動きとなっている。ここから利益確定売りに押され一旦調整となるのか、再び131円台乗せとなり131.35を目指す展開となるのか注目されている。
週明けの本日の海外市場では欧米の主要な経済指標の発表がないことから新規材料に乏しく、限定的な動きが予想されている。今週は、インフレに関連する経済指標の結果や、金利の動向をにらみながらの展開が続くと予想されている。