前営業日トピックス
東京市場では、序盤にドル/円は130.24まで上昇し、5/11以来の高値を更新した。しかし、日経平均株価が序盤から軟調な動きとなり、前日比200円超下落したことから、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。その後、日経平均株価が下げ幅を縮小したものの、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。欧州時間に入り、ドルが欧州通貨や資源国通貨に対して下落したことから、ドルは円に対しても上値の重い動きとなった。
米国市場では、序盤に発表された5月の米ADP雇用統計で、雇用者数の伸びが市場予想を大きく下回ったことから、ドル売り・円買いが先行した。ただ、その後は米長期金利が上昇したことや、FRB副議長が「9月の利上げ休止は非常に想定しにくい」と発言したことから、ドル/円は堅調な動きとなった。一方、欧州通貨や資源国通貨は、対ドルで上昇したことや、序盤に下落した米主要株価指数が上昇に転じたことから、対円でも堅調な動きが続いた。
米株式市場では、5月の米ADP雇用統計で雇用者数の伸びが大幅に鈍化したことや、マイクロソフトが業績見通しを引き下げたことを受けて、序盤の主要株価指数は軒並み下落した。ただ、その後はOPECプラスが増産幅の引き上げを合意したことで、インフレ加速への懸念が和らいだことや、マイクロソフト株が上昇に転じたことも支援材料となり、主要株価指数は上昇に転じて上げ幅を拡大した。ダウ平均株価は、序盤から軟調な動きとなり、一時前日比303ドル安まで下落した。その後は買いが優勢となり、435.05ドル高(+1.33%)で終了した。一方、ナスダックは322.44ポイント高(2.69%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、前日の海外市場の流れを引き継ぎ、ドル/円は底固い動きとなり、海外時間に付けた高値の130.19を上抜けて130.24まで上昇し、5/11以来の高値を更新した。その後は、日経平均株価が序盤から下落し、一時前日比206円安まで下落したことから、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。ドル/円は、海外時間で5/12以来の130円台回復となったことから、利益確定の売りも見られた。その後、日経平均株価が7円安まで下げ幅を縮小したことから、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。さらに、時間外取引で米長期金利が上昇したこともドルの下支え要因となった。
(2)午後に入り新規材料に乏しい中、米ADP雇用統計や週末の米雇用統計の結果を見極めたいとの思惑もあり、全般的に小動きの展開となった。欧州時間に入り、ドルが欧州通貨や資源国通貨に対して下落したことから、ドルは円に対しても上値の重い動きとなった。一方、仏中銀総裁が「ECBの政策正常化は必要」と発言したことから、ECBが金融政策の正常化を加速させるとの観測が高まり、ユーロはドルや円に対して堅調な動きとなった。
(3)米国市場では、序盤に発表された5月の米ADP雇用統計で、雇用者数の伸びが市場予想を大きく下回り、さらに4月の結果が下方修正されたことから、ドル売り・円買いが先行した。ドル円は、一時129.52まで下落した。
(4)その後、米長期金利の指標となる米10年債利回りが2.885%から2.940%まで上昇したことや、ブレイナードFRB副議長が「9月の利上げ休止は非常に想定しにくい」、「インフレを下げるために必要なことをする」と発言したことからドル/円は堅調な動きとなり、130.04まで上昇した。ただ、東京時間に付けた130.24には届かなかった。一方、欧州通貨や資源国通貨は、対ドルで上昇が続いたことや、序盤に300ドル超下落したダウ平均株価が上昇に転じて、終盤に430ドル超上昇したことから、対円でも堅調な動きが続いた。
本日のトピックス
東京市場では、序盤からドル円・クロス円は堅調な動きとなり、ドル/円は一時130.04まで上昇し、前日の海外時間で付けた高値に面合わせとなった。しかし、130円台では上値の重い動きとなり、反落となった。引き続き130円台近辺では上値の重い動きが続くのか注目される。
本日の欧州時間では、ロンドン市場が前日に続いて休場となることや、米雇用統計の発表を控えていることもあり、ポジション調整の動きも予想されている。米国市場では、米雇用統計の発表が予定されているが、前日に発表されたADP雇用統計で雇用者数の伸びが市場予想を下回ったこともあり、米雇用統計でも予想以上に雇用者数の伸び幅が鈍化するとの見方もあり、結果とマーケットの反応に注目したい。
6/3の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
米雇用統計(非農業部門雇用者数)
非農業部門に属する事業者の給与支払い帳簿をもとに集計された雇用者数。農業以外の産業で働く雇用者であり、経営者や自営業者は含まれない。
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32.0万人 | 42.8万人 |
前回は市場予想を上回り、労働市場の堅調さが示された。失業率は前月と変わらずとなったが、賃金の伸びは鈍化した。ただ、労働参加率が低下したことから、企業側の賃金引き上げが迫られるとの見方も。今回は、雇用者数の伸びは前月から鈍化が予想されているものの、失業率は改善が予想されており、予想通りなら2020年2月以来の低水準となる。また、賃金の結果も注目される。 | ||||
23:00 | 米国 |
5月ISM非製造業景況指数
ISM非製造業景気指数は、全米供給管理協会(Institute for Supply Management=ISM)が発表する米国の非製造業(サービス業)の景況感を示す指数。管理責任者に対するアンケートを集計した指数であり、50が景気の拡大・後退の判断基準であり、50を上回れば景気拡大、下回れば景気後退と判断する。
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56.5 | 57.1 |
前回は、市場予想を下回る結果となり、業況拡大ペースが鈍化したことか示された。ただ、サービス業の景気拡大・縮小の判断基準となる50は23ヵ月連続で上回った。今回は、前回からさらに低下が予想されているものの、今回は雇用統計の後に発表されることから、反応は限定的と見られている。 |