前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が序盤から堅調な動きとなったことや、時間外取引で米長期金利が上昇したこと受けて、ドル円・クロス円も堅調な動きとなった。午後に入っても堅調な動きが続き、ドル/円は2週間ぶりに129円台を回復した。
米国市場では、序盤からドル円・クロス円は上値の重い動きとなったが、5月ISM製造業景況指数が市場予想を上回る良好な結果となったことから、米長期金利の上昇とともにドルは主要通貨に対して上昇した。ドル/円は、一時130.19まで上昇し、5/12以来の130円台を回復した。一方、欧州通貨や資源国通貨は対ドルで下落したことや、上昇して始まった米主要株価指数が軒並み下落に転じて下げ幅を拡大したことから、対円で軟調な動きが続いた。
米株式市場では、主要株価指数が上昇して始まったものの、5月のISM製造業景況指数が市場予想を上回ったことを受けて、FRBの積極的な金融引き締めを行うとの観測から米長期金利が上昇したことが圧迫要因となり、軒並み下落に転じた。さらに、サンフランシスコ連銀総裁が年末までに政策金利を2.50%までに引き上げたいと発言したことも圧迫要因となった。ダウ平均株価は、序盤に前日比282ドル高まで上昇したものの、その後は下落に転じて一時405ドル安まで下落した。ただ、終盤にかけて下げ幅を縮小して176.89ドル安(-0.54%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、86.93ポイント安(-0.72%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、日経平均株価が序盤から堅調な動きとなったことや、時間外取引きで米長期金利が2.87%台まで上昇したことから、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。
(2)上昇一服後、日経平均株価や米長期金利が下押ししたことから、上値の重い動きとなった。しかし、午後に入り低下した米長期金利や日経平均株価が再び上昇したこと、さらに欧州時間では欧州主要株指数が堅調な動きとなったことから、ドル円・クロス円は底固い動きが続いた。ドル/円は、一時129.62まで上昇した。
(3)米国市場では、序盤から円買いが先行し、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。しかし、その後に発表された5月ISM製造業景況指数が市場予想を上回る良好な結果となったことを受けて、FRBの積極的な金融引き締め期待が再燃し、米長期金利の上昇とともにドルは主要通貨に対して上昇した。ドル/円は、ISM製造業景況指数の発表前の129.21から130.19まで上昇し、5/12以来の130円台を回復した。一方、欧州通貨や資源国通貨は対ドルで下落したことや、上昇して始まった米主要株価指数が軒並み下落に転じて下げ幅を拡大したことから、対円で軟調な動きが続いた。ただ、カナダ中銀が政策金利を0.50%引き上げ、さらに必要に応じて一段と力強く対応する用意があるとしたことから、カナダ・ドルは主要通貨に対して上昇した。カナダ・ドルは、対米ドルでは4/22以来の高値、対円では2014年12月以来の高値となった。
本日のトピックス
昨晩発表された5月の米ISM製造業景況指数が市場予想を上回る良好な結果となったことで、FRBの積極的な金融引き締め観測が再燃し、米長期金利の上昇とともに、ドル/円は5/12以来の130円台を回復した。ただ、ここまで発表された米経済指標では、悪化が続いて米景気の鈍化懸念も出ていただけに、ISM製造業景況指数の良好な結果で一気に懸念が払拭したことにやや懐疑的な見方もある。そのため、週末の米雇用統計を含めた米経済指標の結果が注目される。
本日の米国市場では、5月の米ADP雇用統計、新規失業保険申請件数の発表が予定されており、特に週末の米雇用統計を予想する上で参考にされることから、結果とマーケットの反応に注目したい。
6/2の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:15 | 米国 |
5月ADP雇用統計
ADP雇用統計は、民間の給与計算代行サービス会社であるADP(Automatic Data Processing)社のデータを用いて、マクロエコノミック・アドバイザーズ社が発表している雇用統計。2200万人の支払い給与の動向に基づき算出、通常米国雇用統計が発表される2営業日前に発表されるため、米国雇用統計の結果を予想する上でよく参考にされる。
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30.0万人 | 24.7万人 |
前回は市場予想を下回り、2ヵ月連続で伸び幅が低下、2020年4月以来の低い伸びとなった。大企業では、雇用の堅調な伸びが確認されたが、小規模企業では引き続き雇用を増やすことが困難であることが示された。今回は、前月から伸び幅の拡大が予想されており、特に小規模企業で雇用者数の伸びが回復したのか注目される。 | ||||
21:30 | 米国 |
新規失業保険申請件数(5/28までの週)
新規失業保険申請件数は、労働省が失業保険を申請した人(失業者)の数を毎週発表する経済指標。毎週(木曜日)発表されるため、雇用情勢の速報性に優れており、雇用統計の先行指標として注目されている。ただ、米国の祝祭日や天候などの影響を受けやすいという点もある。
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21.0万件 | 21.0万件 |
前回は2ヵ月ぶりの減少となり、労働市場のタイトな上昇が続いていることが示された。一方、発表が1週遅れる継続受給者数は、7ヵ月ぶりに増加となり、やや一服との見方もあった。今回は、変わらない伸び幅が予想されているが、反応は限定的と見られている。 |