前営業日トピックス
東京市場では、序盤に下落した日経平均株価が一時162円高まで反発したことや、時間外取引で米長期金が上昇したことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。さらに、仲値公示にかけて実需のドル買いが観測されたこともドル/円の押し上げ要因となった。また、欧州通貨や資源国通貨は、対ドルで堅調な動きとなったことから、対円でも堅調な動きとなった。その他、豪中銀の議事要旨では、より大幅な利上げが議論されたことが明らかとなり、豪ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。欧州時間では、欧州主要株価指数が上昇したことを受けてドル円・クロス円は底固い動きとなった。加えて、ECBメンバーのタカ派発言を受けて、ユーロはドルや円に対して堅調な動きとなった。
米国市場では、序盤に発表された4月の米小売売上高や、4月の米鉱工業生産が良好な結果を受けて長期金利の上昇とともにドルは主要通貨に対して堅調な動きとなる中ドル/円は序盤の129.28から129.78まで上昇した。しかし、その後に発表された5月の米NAHB住宅市場指数が予想以上の大幅低下となったことを受け、米長期金利の低下とともに、ドル/円は129.07まで下落した。一方、欧州通貨や資源国通貨は対ドルで上昇したことや、米主要株価指数が軒並み大幅上昇したことから、対円でも堅調な動きとなった。
米株式市場では、アジアや欧州市場の株高に加え、序盤に発表された4月の米小売売上高が良好な結果となり、投資家心理が改善したことから主要株価指数は序盤から堅調な動きとなった。ダウ平均株価は、序盤から堅調な動きとなり、一時前日比465ドル高まで上昇した。終盤まで高値圏を維持したまま431.17ドル高(+1.34%)で終了し、3営業日続伸となった。一方、ハイテク株中心のナスダックは321.73ポイント高(+2.76%)で終了した。
米ドル/円

※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前日の海外市場の流れを受けて、ドルは序盤から主要通貨に対して上値の重い動きとなったほか、海外市場の堅調な動きが一服し、クロス円も軟調な値動きとなった。その後、序盤に前日比106円安まで下落した日経平均株価が162円高まで反発したことや、時間外取引で米10年債利回りが2.869%から2.920%まで上昇したこと、さらに仲値公示にかけて実需のドル買いが観測されたことを受けて、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。また、豪中銀の5月の理事会の議事要旨で、より大幅な利上げが議論されたことを明らかになったことから、豪ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。
(2)午後に入り、日経平均株価や米長期金利の上昇が一服したことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなったものの、欧州時間では欧州主要株価指数が序盤から堅調な動きとなったことから、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。さらに、オランダ中銀総裁が「7月の会合で0.25%の利上げを支持」、「大幅利上げの可能性を排除すべきではない」と発言したことを受けて、ECBによる利上げ観測が高まったことから、ユーロはドルや円に対して上昇した。
(3)米国市場では、序盤に発表された4月の米小売売上高の前回結果が大幅上方修正されたことや、4月の米鉱工業生産が市場予想を上回り、2021年10月以来の高い伸びとなったことから、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。さらに、米長期金利の指標となる米10年債利回りが2.904%から2.995%まで急速な上昇となったことも加わり、ドル/円は序盤の129.28から129.78まで上昇した。
(4)ドル/円は130円台回復を前に上昇一服となり、5月の米NAHB住宅市場指数が予想以上の大幅低下となり、2020年6月以来の低水準となったことや、米長期金利が低下したことも加わり、ドル/円は129.07まで下落した。一方、欧州通貨や資源国通貨は対ドルで上昇したことや、米主要株価指数が軒並み大幅上昇となったことから、対円でも堅調な動きとなった。その後、ドル/円は上値の重い動きが続いたものの、パウエルFRB議長が「利上げ継続は適切」、「多数のメンバーが今後2回の会合で0.50%の利上げを支持」、「経済が予想通りに動けば0.50%の利上げが議題になるだろう」、「必要なら中立金利以上の金利に引き上げることも躊躇しない」とのタカ派発言を受けて、ドルが持ち直す場面もあった。
本日のトピックス
昨日の海外市場では、パウエルFRB議長、ECB理事会メンバーのオランダ中銀総裁が金融政策に関してタカ派的な発言をしたことを受けて、ドルとユーロが対円で堅調な動きとなった。日銀の金融政策は他の主要国・地域の金融政策に比べて遅れていることが改めて示され、諸外国との金利差拡大観測から円は主要通貨に対して上値の重い動きが続く可能性が考えられる。
昨日発表された米国の小売売上高や鉱工業生産が良好な結果となった一方、昨晩発表されたNAHB住宅市場指数は、予想以上の悪化となり、2020年6月以来の低水準となった。ここまで好調な結果が続いていた住宅関連の指標は、住宅ローン金利の上昇を背景とした悪化が目立っていることから、本日発表が予定されている4月の米住宅着工件数の結果が注目される。市場予想では、前月から減少が予想されているが、昨日同様に予想以上の悪化となる場合にはドルの下振れとなる可能性もあり、結果に注目したい。ただ、対円では金利差拡大観測もあり、下値は限定的と見られている。
5/18の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
4月住宅着工件数 ![]()
住宅着工件数は、建設が着工された民間住宅の着工件数を集計した経済指標で、家電製品などの個人消費との相関性も高いことから、景気動向を見る上で重要な指標である。また、天候の影響を受けやすいという面もある。
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176.0万件 | 179.3万件 |
前回は市場予想を上回り、2006年6月以来の高水準となった。一戸建て住宅は前月から減少したものの、集合住宅が2020年1月以来の高い伸びとなったことが影響した。今回は減少が予想されているものの、着工件数の先行指数となる許可件数が前月小幅増加となったことから、予想の範囲内に留まると見られている。 |