前営業日トピックス
週明けの東京市場では、時間外取引で米長期金利が上昇したことから、ドルは主要通貨に対して序盤から堅調な動きとなった。一方、ユーロをはじめとする主要通貨は対ドルで下落したことや、日経平均株価が序盤から大幅下落となったことから、クロス円は軟調な動きが続いたものの、プーチン大統領の戦勝記念日での演説を受けてリスク回避の後退を背景にドルの上昇が一服となり、主要通貨に対して下落したことから、クロス円は堅調な動きとなった。
米国市場では、欧州市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から上値の重い動きとなった。欧米の主要株価指数が大幅下落となったことで全般的に円買いが優勢となり、さらに米長期金利が低下したことを受けてドルは主要通貨に対して下落し、対円では序盤の131.02から130.11まで下落した。一方、対ドルで上昇したことから、クロス円は一時堅調な動きとなる場面もあったが、終盤にかけて米主要株価指数が下げ幅を拡大したことから、終盤まで上値の重い動きが続いた。
米株式市場では、ロックダウンが続いたことによる中国経済の減速懸念を背景に、主要株価指数は序盤から軟調な動きとなった。さらに、FRBの積極的な金融引き締めが景気後退を招く可能性があるとの懸念も圧迫要因となり、主要株価指数は3営業日続落となった。ダウ平均株価は、序盤から軟調な動きが続き、終盤に一時前週末比777ドル安まで下落した。引けにかけて下げ幅を縮小して653.67ドル安(-1.99%)で終了、終値ベースでは昨年3/9以来、1年2ヵ月ぶりの安値となった。一方、ハイテク株中心のナスダックは521.41ポイント安(-4.29%)で終了、終値ベースでは2020年11月以来、約1年半ぶりの安値。
米ドル/円

※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前日の海外市場の流れを引き継ぎ、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。さらに、時間外取引で米10年債利回りが3.154%まで上昇したことを受けてドル/円は130.96まで上昇した。一方、対ドルで下落したことや、日経平均株価が序盤から大幅下落となったことから、クロス円は軟調な動きが続いた。
(2)その後、米長期金利の上昇が一服したことから、ドルも上値の重い動きとなったが、プーチン大統領の戦勝記念日の祝典での演説を前に、ユーロが対ドルで下落したほか、再び米長期金利が上昇に転じたことから、ドル/円は一時131.35まで上昇し、2002年4月以来の高値を更新した。ただ、欧州時間に入り、ドルは上値の重い動きとなったが、対ドルで上昇したことからクロス円は堅調な動きとなった。
(3)米国市場では、欧州市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から上値の重い動きとなった。米国の主要な経済指標の発表がなく新規材料に乏しい中、欧米の主要株価指数が大幅下落となったことで全般的に円買いが優勢となった。さらに、欧州時間に米長期金利の指標となる10年債利回りが一時3.20%台まで上昇して2018年11月以来、約3年半ぶりの高水準となったが、その後は一服となり、米国時間の終盤にかけて3.027%まで低下した。この流れを受けて、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなり、対円では序盤の131.02から130.11まで下落した。
(4)下げ一服後、ドル/円は終盤まで上値の重い動きが続いた。一方、対ドルで上昇したことから、クロス円は一時堅調な動きとなる場面もあったが、米主要株価指数が下げ幅を拡大したことから、終盤まで上値の重い動きが続いた。
本日のトピックス
前日の東京時間に、ドル/円は一時131.35まで上昇して2002年4月以来の高値を更新したが、その後は軟調な動きが続き、本日の東京時間でも海外市場の流れを引き継いで一段の下げとなり、一時129.80台まで下落した。ドル/円は130円台後半から131円台では高値を警戒したドル売りが見られるものの、FRBによる利上げ継続期待もあり、129円台後半から130円台前半では底固い動きも見られる動きとなっている。
目先は、11日に発表される4月の米消費者物価指数の結果に注目が集まっている。その中で、米大統領が米国東部時間10日午前11時半(日本時間11日午前1時半)にインフレに関する発言をする予定と発表されており、ここでの発言が注目されている。
本日の米国市場では、主要な経済指標の発表がないことから、下落が続く米株式市場や、米長期金利の指標となる米10年債利回りが前日から大きく低下(前日の欧州時間に付けた3.200%から本日東京時間の時間外取引では2.976%まで低下)たことから、本日の動きが注目される。