前営業日トピックス
日本市場が大型連休で休場となる中、前日の海外市場終盤の流れを引き継ぎ、ドルは序盤から主要通貨に対して軟調な動きとなった。ただ、下げ一服後は、FRBの利上げスタンスは変わらないとの見方からドルは主要通貨に対して持ち直した。
米国市場では、欧州市場の堅調な流れが一服し、ドル円・クロス円は序盤から上値の重い動きとなった。その後、米長短金利が上昇しこともあり、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。ドル/円は、前日の高値の130.38を上抜けて130.56まで上昇し、4/29以来の高値となった。一方、クロス円は対ドルで下落したことや、米主要株価指数が軒並み大幅下落となったことを受けて、軟調な動きが続いた。
米株式市場では、FRBが金融引き締めを加速させるとの懸念が引き続き材料視され、米長短金利が上昇したことから、主要株価指数は序盤から軟調な動きとなった。さらに、序盤に発表された1-3月期の非農業部門の労働生産性が前期比で74年半ぶりの低下率となったことも嫌気された。ダウ平均株価は、序盤から軟調な動きとなり、一時前日比1375ドル安まで下落した。終盤には下げ幅を縮小して1063.09ドル安(-3.12%)安で終了、2020年6月以来、約1年11ヵ月ぶりの大幅な下げ幅となった。一方、ナスダックは647.17ポイント安(-4.99%)で終了した。
米ドル/円

※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)アジア時間では、前日のFOMC後の会見でパウエルFRB議長が0.75%の利上げを積極的に検討するものではないと発言したことで、急激な金融引き締め観測が後退した流れを引き継ぎ、ドルは序盤から主要通貨に対して軟調な動きとなった。ただ、下げ一服後は米国の利上げスタンスは変わらないとの見方からドルは再び堅調な動きとなった。
(2)米国市場では、欧州市場の堅調な流れが一服し、ドル円・クロス円は序盤から上値の重い動きとなった。しかし、FRBが他の主要中銀よりも積極的な金融政策を続けるとの見方が引き続き材料視され、米長期金利の指標となる米10年債利回りが2.924%から3.105%まで上昇し、2018年11月以来、約3年半ぶりの高水準となったことから、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。ドル/円は、前日のFOMC後に付けた高値の130.38を上抜けて130.56まで上昇し、4/29以来の高値となった。一方、クロス円は対ドルで下落したことや、米主要株価指数が軒並み大幅下落となったことを受けて、軟調な動きが続いた。特に、英中銀が利上げを決定したものの、英中銀総裁が経済成長の急激な減速となる可能性に言及したことが嫌気され、ポンドは対円で4/27以来の安値となり、対ドルでは2020年6月以来の安値水準まで下落した。
(3)上昇していた米長期金利が終盤に上げ幅を縮小したことから、ドルも上値の重い動きとなり、対円で129円台まで下落した。一方、クロス円は対ドルでやや持ち直したこともあり、対円でも底固い動きとなった。
本日のトピックス
連休明けの東京市場では、FRBによる0.75%の大幅な利上げ観測は後退したものの、引き続き利上げスタンスに変わりがなく、日米の金利差拡大が進むとの見方からドル/円は序盤から堅調な動きとなり、前日の海外時間の高値130.55を上抜ける動きとなっている。ただ、米雇用統計の発表を控えていることもあり、様子見ムードが強まる可能性もあり、雇用統計発表までは限定的な動きが予想されている。
米雇用統計では、非農業部門雇用者数の伸び幅は縮小が予想されているものの、失業率はさらに改善が予想されている。非農業部門雇用者数の伸び幅が大幅に縮小とならなければ、労働市場は堅調さが維持されることから、ドルの下支え要因となる可能性も考えられる。
5/6の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
4月非農業部門雇用者数 ![]()
非農業部門に属する事業者の給与支払い帳簿をもとに集計された雇用者数。農業以外の産業で働く雇用者であり、経営者や自営業者は含まれない。
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38.0万人 | 43.1万人 |
前回は市場予想を下回り、2020年9月以来の高い伸びとなった2月の結果から伸び幅が縮小し、昨年9月以来の低い伸びとなった。ただ、40万人以上の伸びとなった上、失業率が予想以上に改善したことで、労働市場の堅調さが示された。今回は、依然として求人件数が高水準にあることや、賃金の上昇もあり、前月から伸び幅の低下が予想されているものの、引き続き堅調な伸びが続くと見られている。 |