前営業日トピックス
東京市場では、五・十日であることから、仲値公示にかけて実需のドル買いが観測されたことから、ドル/円は一時128.87まで上昇した。しかし、日経平均株価が600円超下落したことや、米長期金利が低下したことから、ドル円・クロス円は下落に転じ、ドル/円は128.24まで下落する動きとなった。午後に入り値を戻したものの、上値の重い動きが続いた。欧州市場では、中国株の大幅下落の影響で欧州主要株価指数も軒並み下落したことから、ドル円・クロス円は一段の下落となった。
米国市場では、欧米の主要株価指数が下落したことからリスク回避の円買いが先行し、ドル円・クロス円は序盤から軟調な動きとなった。さらに、米長期金利が低下したことから、ドルは対円で127.52まで下落した。しかし、その後に米主要株価指数が上昇に転じて終盤にプラス圏を回復したことや、米長期金利も上昇に転じたことから、ドル円・クロス円は値を戻す動きとなり、ドル/円は128円台まで回復した。
米株式市場では、FRBによる利上げ加速観測に加え、中国の景気減速への懸念を背景に、主要株価指数は序盤から軟調な動きとなった。しかし、値頃感の買い戻しに加え、米長期金利が大幅低下となったことから、主要株価指数は軒並み反発となった。ダウ平均株価は、序盤から軟調な動きとなり、一時前日比488ドル安まで下落した。その後は下げ幅を縮小する動きとなり、終盤にはプラス圏に回復して238.06ドル高(+0.70%)で終了した。一方、金利動向に敏感なナスダックは、165.56ポイント高(+1.29%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)週明けの東京市場では、ドル円・クロス円は堅調な展開で始まった。序盤は五・十日で仲値公示にかけて実需のドル買いが観測されたこともあり、底固い動きが続いた。しかし、仲値通過後は日経平均株価が下げ幅を拡大し、一時前週末比617円安まで下落したことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。さらに、時間外取引で米長期金利が低下したことから、ドル/円は序盤の高値128.87から128.24まで下落した。
(2)午後に入り、米長期金利が持ち直したことや、日経平均株価が下げ幅を縮小したことから、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。ただ、日銀の金融政策決定会合を控えていることもあり、上値は限定的だった。欧州市場では、上海に次いで北京もロックダウンになる可能性との見方から中国株が大幅下落となったことが影響して、欧州主要株価指数が軒並み下落したことから、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
(3)NY市場では、欧州市場の流れを受けてダウ平均株価が序盤に480ドル超下落したことから、リスク回避の円買いが先行し、ドル円・クロス円は序盤から軟調な動きとなった。さらに、米長期金利の指標となる米10年債利回りが序盤の2.841%から2.758%まで低下して4/14以来の低水準となったことから、ドルは対円で127.52まで下落した。
(4)値頃感の買い戻すの動きなどから米主要株価指数が上昇に転じて終盤にプラス圏に回復して上げ幅を拡大したことや、米10年債利回りが2.84%台まで回復したことから、ドル円・クロス円も値を戻す動きとなり、ドル/円は128円台まで回復した。
本日のトピックス
マーケットの注目は、米国の大幅利上げや、主要国と日本の金融政策の違いが注目されている。特に、28日に日銀の金融政策決定会合の結果発表と黒田総裁の会見を控えていることから、ここでの発言がマーケットの動きを大きく左右する可能性も指摘されており、徐々に様子見ムードも強まっている。ただ、月末や大型連休前のポジション調整の動きも予想されることから、方向感に欠ける展開も予想されている。また、中国の景気減速懸念が高まっていることから、中国株の動きなどにも注目したい。
本日の米国市場では、3月の耐久財受注、4月の消費者信頼感指数などの発表が予想されており、改善が予想されていることから、マーケットの反応が注目されている。ただ、マーケットの注目が金利動向であることから、市場予想と大きく乖離する結果とならなければ反応は限定的と見られている。
4/26の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
3月耐久財受注(前月比)
耐久財受注(Durable Goods Manufacture's Orders)は、米国の耐久財(耐久年数3年以上)の新規受注額を集計した指標であり、設備投資の先行指標として注目されている。特に、変動の大きい輸送用機器などを除いた受注額が民間の設備投資の先行指標として注目されている。
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1.0% | -2.1% |
前回は市場予想を上回るマイナス幅となり、2020年4月以来の大幅なマイナスとなった。民間航空機が大幅マイナスとなったことが影響した。ただ、コンピューター、機械がマイナスとなったことから、コア指数も2021年2月以来のマイナスとなった。今回は、航空機の改善が見込まれていることから反発が予想されているが、コア指数も改善が見られるのか注目したい。 | ||||
23:00 | 米国 |
4月消費者信頼感指数
消費者信頼感指数は、米国のCB(Conference-Board=コンファレンスボード「全米産業審議委員会」)という民間の調査機関が発表する消費者マインドを指数化したもの。5,000人の消費者にアンケート調査を行い、現在と半年後の景況感、雇用、所得の項目で回答した結果を指数化している。
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108.5 | 107.2 |
前回は市場予想を上回り、2021年2月以来の低水準となった2月の結果から改善した。現況指数が2021年7月以来の高水準に改善したものの、期待指数は2014年2月以来の低水準となったことで、消費者が先行きに対する懸念を抱いていることが示された。今回は前回から改善が予想されているものの、改善は小幅に留まると見られている。 | ||||
23:00 | 米国 |
3月新築住宅販売件数
新築住宅販売件数は、米国内で販売された新築住宅件数(売買契約締結時点)を集計した経済指標であり、地域別の販売件数や販売価格、一戸建やコンドミニアム、集合住宅を含めた数字も発表されている。そして、景気動向の先行を見る上で注目されている指標の一つである。
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77.0万件 | 77.2万件 |
前回は市場予想を下回り、2ヵ月連続の減少となった。住宅価格の上昇や住宅ローン金利の上昇が影響したと見られている。今回は、小幅減少が予想されているが、引き続き住宅価格の上昇やインフレ高進が影響すると見られている。 |