前営業日トピックス
東京市場では、海外市場の軟調な動きが一服し、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。米長期金利の上昇や、日経平均株価が上昇したことを受けて、堅調な動きが続いた。上昇一服後は、日米財務相会談やパウエル米FRB議長の発言内容を見極めたいとの見方からドルは上値の重い動きとなった。その後、ベルギー中銀総裁が「ECBは年末までに政策金利をプラスに引き上げる可能性も」と発言したことが好感され、ユーロはドルや円に対して堅調な動きとなった。一方、ドルは対ユーロで下落したことから、対円でも軟調な動きとなった。
米国市場では、米長期金利の上昇を受けて、ドルは序盤から主要通貨に対して堅調な動きとなった。一方、ドル/円の上昇に加え、米主要株価指数が序盤から上昇したことから、クロス円も堅調な動きとなった。さらに、サンフランシスコ連銀総裁が「複数回の会合で0.50%の利上げを実施する可能性は高い」と発言したことも加わり、ドル/円は序盤の128.04から128.70まで上昇した。その後、米主要株価指数が下落に転じたことから、ドル円・クロス円は軟調な動きとなり、ドル/円は一時128.06まで下落したものの、終盤までは底固い動きが続いた。
米株式市場では、良好な企業決算発表を受けて、米経済の先行き期待が高まり、主要株価指数は序盤から堅調な動きとなった。しかし、米金融当局者の相次ぐタカ派発言を受けて、FRBによる利上げ加速に対する警戒感が高まり、主要株価指数は下落に転じた。ダウ平均株価は、序盤から堅調な動きとなり、一時前日比331ドル高まで上昇した。しかし、その後は下落に転じて終盤には436ドル安まで下落する場面もあり、368.03ドル安(-1.05%)で終了した。一方、金利動向に敏感なナスダックは、278.42ポイント安(-2.07%)で終了し、続落となった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前日の海外市場の軟調な動きが一服し、東京市場でドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。前日の海外市場でドル/円は、127円台前半で下げ渋る動きとなったことから、円買いの動きも一巡となり、ドル買い・円売りが優勢となった。さらに、前日低下した米長期金利が時間外取引で上昇に転じたことや、日経平均株価が序盤から前日比250円超上昇したこともドル円・クロス円の押し上げ要因となった。
(2)さらに米長期金利や日経平均株価が上昇したことから、ドル円・クロス円は堅調な動きが続き、ドル/円は128.64まで上昇した。その後、前日にラトビア中銀総裁が「早ければ7月の利上げもあり得る」と発言したことに続いて、ベルギー中銀総裁も「ECBは年末までに政策金利をプラスに引き上げる可能性も」と発言したことから、ユーロは対ドルで堅調な動きとなった。ドルは、対ユーロで下落したことから、対円でも軟調な動きが続いた。
(3)米国市場では、日米の金融政策の違いが改めて意識され、米長期金利が上昇したことを受けて、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。一方、ドル/円の上昇に加え、米主要株価指数が序盤から上昇したことから、クロス円も堅調な動きとなった。さらに、サンフランシスコ連銀総裁が「複数回の会合で0.50%の利上げを実施する可能性は高い」と発言したことを受けて、米長短金利が軒並み上昇したことから、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなり、ドル/円は序盤の128.04から128.70まで上昇した。
(4)米長期金利の上昇を嫌気して米主要株価指数が下落に転じたことから、円買い戻しの動きが優勢となり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。その後、パウエルFRB議長が「5月のFOMCでは0.50%の利上げが議題に」、セントルイス連銀総裁が「0.75%の利上げは過去にある」と発言したことから、米長期金利の指標となる米10年債利回りが2.952%まで上昇したことを受けてドルは値を戻す動きも見られたが、反応は一時的で128.06まで下落した。ただ、FRBによる大幅な利上げに対する期待が根強いこともあり、下値は限定的で終盤までは底固い動きが続いた。
本日のトピックス
昨日の海外時間では、引き続き複数の米金融当局者のタカ派発言を受けて、米長短金利が上昇するなど、米国の大幅利上げに対する期待が高まり、ドルは主要通貨に対して底固い動き動きとなった。東京時間に入っても、ドルは序盤から主要通貨に対して堅調な動きとなっている。
今週は、週明け18日の126円台から一時129.40台まで上昇したが、その後に127円台まで一旦調整とした後に再び堅調な動きとなっていることから、再度129円台に向けた上昇を期待する向きもあり、ここからの動きに注目したい。さらに、欧米の金融当局者の発言が予定されていることから、発言の内容にも引き続き注目したい。