前営業日トピックス
東京市場では、前日の海外市場での米金融当局者のタカ派的な発言を受けて、ドル買い・円売りとなった流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。その後、鈴木財務大臣から円安を牽制する発言があったものの、円売りの流れは変わらず、ドル/円は一時128.46まで上昇し、2002年5月以来の高値を更新した。
米国市場では、日米の金融政策の方向性の違いが引き続き意識され、米長期金利の上昇とともにドル買い・円売りが優勢となり、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。さらに、前日に続き米当局者のタカ派発言を受けて、ドル/円は128.97まで上昇し、2002年5月以来の高値を更新した。一方、ドル/円の上昇に加え、米主要株価指数が軒並み上昇したことから、クロス円も堅調な動きが続いた。
米株式市場では、米企業の決算発表が本格化する中、大手企業の良好な業績発表を好感して主要株価指数は序盤から堅調な動きとなった。さらに、FRBの利上げが実施されても米経済の成長が続くとの見方が強まったことも支援材料となった。ダウ平均株価は、序盤から堅調な動きとなり、一時前日比571ドル高まで上昇した。引けにかけて上げ幅を縮小したものの、499.51ドル高(+1.45%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、287.30ポイント高(+2.15%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前日の海外市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。海外市場終盤に米当局者が、FRBが政策金利を年内3.50%まで上昇させるとの見方を示したことからドル買い・円売りが優勢となり、ドル/円は127.81まで上昇した。一方、ドル/円の上昇にクロス円も堅調な動きとなった。その後、鈴木財務大臣が「為替の急速な変動は望ましくない、最近の円安進行含め為替動向を緊張感持って注視」と円安を牽制する発言したものの、円安は止まらずに円売りが加速した。
(2)日経平均株価が序盤から前日比300円超上昇したものの、その後に上げ幅を帳消しにして22円安まで下落したものの、午後に入り再び上げ幅を拡大したことも押し上げに寄与した。午後に入っても円売りの加速は止まらず、欧州時間でも堅調な動きが続き、ドル/円は一時128.46まで上昇した。
(3)米国市場では、FRBが利上げ加速をさせる一方、日銀は大規模な金融緩和策を継続する方針であるなど、日米の金融政策の方向性の違いが意識され、米長期金利の上昇とともにドル買い・円売りが優勢となり、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。また、序盤に発表された3月の米住宅着工件数が2ヵ月連続の増加となり、2006年6月以来の高水準となったことも好感された。
(4)年末までに政策金利を3.50%へ引き上げる必要があるとの考えを示した前日のセントルイス連銀総裁の発言に続き、シカゴ連銀総裁が年内に2.25-2.50%まで政策金利を引き上げることを支持すると発言したことを受けて、米長期金利の指標となる10年債利回りが一時2.94%台まで上昇して2018年12月以来の高水準となり、30年債利回りも2019年3月以来の高水準、また2年債利回りも一時2.61%台まで上昇したことから、ドル買い・円売りが優勢となり、ドル/円は序盤の128.07から128.97まで上昇して2002年5月以来の高値を更新した。一方、ドル/円の上昇に加え、米主要株価指数が軒並み上昇したことから、クロス円も堅調な動きが続いた。
本日のトピックス
前日に続き、米金融当局者のタカ派発言を受けて米長期金利が上昇しており、ドルが上昇した流れを引き継ぎ、アジア時間に入ってもドル円・クロス円は堅調な動きが続き、ドル/円は一時129.40まで上昇して2002年4月以来の高値まで上昇した。前日に日本の政府関係者から急速な円安を牽制する発言があったにもかかわらず、円売りの流れは変わらなかったことから、5月のFOMCまではこの流れが続く可能性も考えられる。
本日の米国市場では、3月の米中古住宅販売件数の発表が予定されており、金利先高観を背景に住宅ローン金利の上昇が嫌気されて減少が予定されているものの、マーケットの反応は限定的と見られている。一方、複数の米金融当局者の発言が予定されており、昨日も米当局者のタカ派的発言を受けて、ドル買い・円売りが優勢となったことから、発言の内容とマーケットの反応に注目したい。
4/20の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
---|---|---|---|---|
23:00 | 米国 |
3月中古住宅販売件数
中古住宅販売件数は、所有権が移転した中古住宅の販売件数であり、米国の景気動向を見る上で重要視されている経済指標の一つである。所得やローン金利の動向に影響を受けることから、ローン金利動向やローン申請件数と関係も深い。
|
580万件 | 602万件 |
前回は市場予想を下回り、2021年8月以来の低水準となった。在庫不足に伴う価格高騰と、住宅ローン金利の上昇を背景に、購入意欲が後退したことが示された。今回はさらに減少が予想されており、予想通りの結果なら2020年6月以来の低水準となることから、結果が注目される。 |