前営業日トピックス
東京市場では、前日にドル/円が126.32まで上昇し、2002年5月以来の高値を付けた達成感から、ドルの調整売りが優勢となった流れを引き継ぎ、ドル/円は序盤から軟調な動きとなった。さらに、時間外取引で米長期金利が低下したことから、ドル/円は軟調な動きが続き、一時125.10まで下落した。一方、日経平均株価が350円超上昇したことから、クロス円は底固い動きとなった。
米国市場では、FRBの大幅利上げ期待を背景に米長期金利が上昇したことから、ドルは序盤から主要通貨に対して堅調な動きとなった流れを踏襲し、ドル/円は一時126.01まで上昇した。ただ、126円台では高値警戒感もあり、上値の重い動きが続いた。一方、ECB理事会後の定例会見でラガルドECB総裁の発言がハト派的と受け取られたことから、ユーロは主要通貨に対して下落し、対ドルでは一時2020年4月以来の安値を付けた。その後、ECB関係者が7月に利上げする可能性は残っているとの見方を示したことを受けて、ユーロは下げ幅を縮小した。
米株式市場では、金融大手の四半期決算の良好な内容が好感され、主要株価指数は上昇して始まった。しかし、その後はFRBによる大幅利上げ観測を背景に、米長期金利が上昇したことから終盤まで売りが優勢となり、主要株価指数は反落となった。ダウ平均株価は、序盤から堅調な動きとなり、一時前日比324ドル高まで上昇した。しかし、その後は下落に転じ、113.36ドル安(-0.33%)で終了。一方、金利動向に敏感なナスダックは292.51ポイント安(-2.14%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、新規材料に乏しい中、時間外取引で米長期金利の指標となる米10年債利回りが2.713%から2.657%まで低下したことから、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなり、ドル/円は一時125.10まで下落した。一方、日経平均株価が序盤から堅調な動きとなり、一時前日比357円高まで上昇したことや、対ドルで上昇したことから、ユーロやポンドなどのクロス円は底固い動きとなった。
(2)下げ一服後、ドル/円は底固い動きとなったものの、ドルは円以外の主要通貨に対して下落が続いたこともあり、対円でも上値は限定的だった。
(3)米国市場では、序盤に発表された3月の米小売売上高がまずまずの結果となったことや、FRBの大幅利上げ期待を背景に米長期金利が上昇したことから、ドルは序盤から主要通貨に対して堅調な動きとなった。さらに、米長期金利の指標となる米10年債利回りが序盤の2.644%から2.829%まで上昇したことも加わり、ドル/円は一時126.01まで上昇した。一方、ECB理事会後の定例会見でラガルドECB総裁が資産買い入れ終了後の利上げ時期に関して、「1週間とも数カ月ともなる可能性」、「量的引き締めの議論は時期尚早」と発言したことがハト派的と受け取られたことから、ユーロは主要通貨に対して下落し、対ドルでは一時2020年4月以来の安値を付けた。
(4)126円台では高値警戒感もあり、ドル/円は終盤まで上値の重い動きが続いた。一方、ECB関係者が7月に利上げする可能性が残っているとの見方を示したことを受けて、ユーロは下げ幅を縮小した。
本日のトピックス
前日の海外市場では、ドル/円は126円台で上値の重い動きが続いていたが、東京時間では海外時間の高値である126.01を上抜けて一段の上昇となり、一時126.55まで上昇して2002年5月以来の高値を更新した。ただ、本日はアジアではオーストラリア、ニュージーランド、インド、香港市場が休場となり、さらに 英国、欧州諸国、カナダ、メキシコ、ブラジル市場も休場、米国市場では一部市場が休場となることから、限定的な動きが予想されている。