前営業日トピックス
東京市場では、前週末の米雇用統計が良好な結果となったこともあり、ドルは序盤から底固い動きとなった。しかし、上昇して始まった日経平均株価が下落に転じたこともあり、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。ただ、実需のドル買いが観測されたこともあり、その後は堅調な動きが見られたものの、上値は限定的だった。欧州時間では、欧州主要株価指数が下落して始まったことから上値の重い動きとなったものの、その後に株価が上昇に転じたこともあり、底固い動きとなった。
米国市場では、5月のFOMCで0.50%の利上げ観測が高まったとの見方を背景に、米長期金利が上昇したことから、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。対円では、一時122.96まで上昇したものの、前週末の高値の123.04には届かなかった。一方、ウクライナ情勢を巡る懸念を背景に、地政学リスクの高まりからユーロは欧州時間から主要通貨に対して軟調な動きが続いた。
米株式市場では、FRBによる0.50%の利上げ観測が高まったことや、米長期金利の上昇を背景に、ダウ平均株価は序盤から軟調な動きとなり、一時前週末比202ドル安まで下落した。その後は、上昇に転じて終盤に122ドル高まで上昇する場面もあり、103.61ドル高(+0.30%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、テスラの最高経営責任者がツイッター株を大量取得したことが明らかになったことを受けて序盤から堅調な動きが続き、271.05ポイント高(+1.90%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)週明けの東京市場では、日経平均株価が上昇して始まったものの、その後下落に転じたこともあり、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。ドル/円は、序盤の122.73から122.25まで下落した。しかし、仲値公示にかけて実需のドル買い・円売りが観測されたことや、時間外取引で米長期金利が上昇したこともあり、ドルはが堅調な動きとなり、122.77まで上昇した。
(2)上昇一服後は上値の重い動きとなったものの、下落して始まった欧州主要株価指数が上昇に転じたこともあり、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。
(3)米国市場では、米国の主要な経済指標の発表がなく新規材料に乏しい中、連日の米金融当局者のタカ派的な発言により、5月のFOMCで0.50%の利上げ観測が高まったとの見方を背景に、米長期金利が上昇したことから、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。対円では、一時122.96まで上昇したものの、前週末の高値の123.04には届かなかった。一方、ウクライナ情勢を巡る懸念に加え、ロシアに対する制裁強化が検討されていることから、地政学リスクが意識されユーロは主要通貨に対して軟調な動きが続き、対ドルでは1週間ぶりの安値となった。
本日のトピックス
5月のFOMCで0.50%の利上げ観測の高まったことから、ドルは底固い動きが続いている。マーケットの注目は、次回5月の0.50%の利上げとその後の利上げスケジュール(5月の次も0.50%の利上げとの一部予想も)であり、ドルは底固い動きが続く可能性も考えられる。ただ、マーケットでは、次回の0.50%の利上げを織り込みつつあることから、発表までは上値も限定的と見られている。ここからは、来週発表の米国の消費者物価指数、小売売上高の結果が焦点となる。
本日の米国時間では、2月の貿易収支、3月の米ISM非製造業景況指数の発表が予定されており、前回貿易赤字は過去最大を記録し、ISM非製造業景況指数は1年ぶりの低水準に落ち込んだ。今回は、ともに前回から改善が予想されているが、市場予想と大きく乖離しなければ、反応は限定的と見られている。
4/5の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
---|---|---|---|---|
21:30 | 米国 |
2月貿易収支
貿易収支は、米国から輸出された金額と米国へ輸入された金額の差額。米国では、輸出、輸入ともモノだけではなくサービス(運賃や保険、観光など)も含まれる。
|
-885億USD | -897億USD |
前回は市場予想を上回る赤字額となり、消費財や原油の輸入額が増加したことが影響し、過去最大を更新した。輸入額は過去最大となり、特に原油の輸入が2018年半ば以来の高水準となった。今回は、前回から赤字額の縮小が予想されているものの、原油価格の上昇が続いていることから、輸入金額が増加している可能性もあり、過去最大を更新すると予想する向きもある。 | ||||
23:00 | 米国 |
3月ISM非製造業景況指数
ISM非製造業景気指数は、全米供給管理協会(Institute for Supply Management=ISM)が発表する米国の非製造業(サービス業)の景況感を示す指数。管理責任者に対するアンケートを集計した指数であり、50が景気の拡大・後退の判断基準であり、50を上回れば景気拡大、下回れば景気後退と判断する。
|
58.4 | 56.5 |
前回は市場予想を下回り、3ヵ月連続の低下となり、2021年2月以来の低水準となった。新規受注、景況感指数、雇用が低下したことが影響した。今回は、前月から改善が予想されており、サプライチェーンの混乱の影響が残っているものの、どこまで新規受注などが改善しているのか注目されている。 |