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2024-11-11 02:49:41

マーケット > レポート > マーケットトピックス 2022年3月10日

マーケットトピックス 2022年3月10日

前営業日トピックス

東京市場では、日経平均株価が序盤から堅調な動きとなり、一時前日比290円超上昇したことから投資家のリスク回避の動きも弱まり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ドル/円は一時115.92まで上昇した。しかし、午後には日経平均株価が上げ幅を縮小する動きとなり、マイナス圏に落ち込んで終了したことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きが続いた。ただ、欧州時間に入り、欧州主要株価指数が上昇して始まったことが好感され、さらに米長期金利が上昇したことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。

米国市場では、ウクライナがロシアに一定の譲歩をする用意があるとしたことを受けて、10日の外相会談で停戦が合意されるとの期待が高まり、欧米の主要株価指数が上昇となり、リスク回避の動きが和らいだ。特に、地政学リスクを背景に下落していたユーロは対円で欧州時間の安値から2円以上の上昇となった。一方、ドルは対円で欧州時間に115.94まで上昇して2/11以来の高値を付けたものの、その後は対ユーロなどで下落したことから一時115.56まで下落。しかし、米長期金利の上昇が続いたこともあり、終盤に再び115.90台まで値を戻す動きとなった。

米株式市場では、ウクライナがロシアに譲歩をする用意があるとしたことで、10日に予定されている外相会談を控えて停戦合意への期待が高まったことから、主要株価指数は大幅上昇となった。さらに、原油価格が大幅下落となり、インフレ高進や景気減速懸念が和らいだことも支援材料となった。ダウ平均株価は、一時前日比824ドル高まで上昇したものの、引けにかけて上げ幅を縮小して653.61ドル高(2.00%)で終了、5営業日ぶりに反発となった。一方、ナスダックは460.00ポイント高(+3.60%)で終了した。

米ドル/円

※出所:FX総合分析チャート10分足

(1)東京市場では、前日の海外市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。日経平均株価が序盤から上昇し、一時前日比293円高まで上昇したことも押し上げ要因となった。ドルは、実需のドル買いにも支えられ対円で115.92まで上昇した。

(2)ウクライナ情勢の不透明感が残っているものの、新たな材料待ちとの見方もあり、その後はやや上値の重い動きとなった。午後に入り、日経平均株価が上げ幅を縮小し、終盤にマイナス圏まで下落して終了したことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きが続いた。さらに、時間外取引で米10年債利回りが低下したことから、ドルの主要通貨に対して上値の重い動きとなった。欧州時間では、欧州主要株価指数が上昇して始まったことや、米長期金利が上昇したことからドル円・クロス円は堅調な動きとなった。

(3)米国市場では、ウクライナの大統領顧問が外交的解決策、非武装化を巡る協議を実施する用意があるとしたことから、10日に予定されている外相会談で停戦が合意されるとの期待が高まった。これを受けて、投資家のリスク回避の動きが和らぎ、欧米の主要株価指数が上昇したことから、地政学リスクを背景にドルや円に対して大幅下落していたユーロは堅調な動きとなった。一方、ドル/円は欧州時間に115.94まで上昇して2/11以来の高値を付けたものの、その後は対ユーロなどで下落したことから、115.56まで下落した。

(4)ウクライナ大統領が首脳会談で一定の譲歩をする用意があると発言したことを受けて、ユーロはさらに上げ幅を拡大し、対円では欧州時間序盤に付けた126.30から128.46まで2円以上の上昇となった。また、クロス円も堅調な動きとなったが、エネルギー価格の下落を受けて、資源国通貨は対円でやや上値の重い動きとなった。一方、ドルは米長期金利の上昇が続いたこともあり、対円で再び115.90台まで値を戻す動きとなった。

本日のトピックス

ウクライナ大統領が首脳会談で一定の譲歩をする用意があると発言したことを受けて、本日予定されている外相会談で停戦への道筋が示されるとの期待が高まっている。海外の株高を背景に、日経平均株価が序盤から大幅上昇となり、ドル円・クロス円も底固い動きとなっており、引き続き堅調な動きが続くのか注目したい。

本日の欧州時間では、ECB理事会の結果発表とラガルド総裁の会見が予定されている。年内の利上げ開始が期待されていたものの、ロシアのウクライナ侵攻でユーロ圏経済の先行き不安が高まったことから、来年に先送りとの見方が広がっている。ウクライナとロシアの停戦の期待が高まっているものの、依然として先行き不透明との見方も根強いことから、声明や総裁の会見でのどのような見方を示すのか発言内容が注目される。

一方、米国時間では、2月の消費者物価指数、新規失業保険申請件数の発表が予定されており、特に消費物価指数は前回40年ぶりの高水準となったが、原油価格の上昇が続いていたこともあり、さらに上昇が予想されていることから、結果発表と株式市場などのマーケットの反応が注目される。

3/10の注目材料

時間 国・地域 経済指標・イベント 予想 前回
22:30 米国

2月消費者物価指数(前年比)

消費者物価指数(CPI = Consumer Price Index)は、消費者を対象とした小売やサービスの価格動向を示した指数である。特に、食品とエネルギーを除いたコア指数が重要視されている。そして、米国の金融政策を決定する上で重要な経済指標であり、為替市場への影響も非常に大きい。
7.9% 7.5%
前回は市場予想を上回り、1982年2月以来40年ぶりの上昇率となった。変動の大きい食品・エネルギーを除いたコア指数も、前年比で1982年以来の高水準となった。今回は、さらに上昇が予想されており、原油価格は1月に+12.94ドルだったが、2月も+7.57ドルと上昇していることも押し上げに寄与している可能性も考えられる。またサービス、食品、居住費など軒並み上昇しているとの見方もある。
22:30 米国

新規失業保険申請件数(3/5までの週)

新規失業保険申請件数は、労働省が失業保険を申請した人(失業者)の数を毎週発表する経済指標。毎週(木曜日)発表されるため、雇用情勢の速報性に優れており、雇用統計の先行指標として注目されている。ただ、米国の祝祭日や天候などの影響を受けやすいという点もある。
22.0万件 21.5万件
前回は市場予想を下回り、昨年12/31までの週以来の低水準まで改善した。感染者数の減少に加え、制限措置の緩和が背景と見られている。今回は、小幅増加がそうされているが、大幅増加とならなければ、懸念要因にはならないと見られている。

本日のトレードポイント

※出所:FX総合分析チャート 

ドル/円は、一目均衡表の雲近辺で底固い動きとなり、その後再び堅調な動きとなっている。目先の上値は、直近高値の116.337、116.346がポイントと考えられる。ここを上抜ける展開となる場合には一段の上昇も考えられる。116.337を上抜けた場合の上値目標の計算値は117.271と計算できる。また、オシレーターのMACDでは、両線がクロスしており、堅調な動きを示唆する形状となっている。ここから両線の乖離幅の拡大が続く場合には上昇が続く可能性も考えられる。一方、下値のポイントは一目均衡表の基準線となり、ここを下抜ける場合には再び雲の下抜けと試す展開となる可能性も考えられる。

気まぐれ投資コラム

ECBの金融正常化は先送りか?

ECB理事会の結果発表が予定されている。オミクロン株の感染拡大の影響から改善し、ユーロ圏経済も回復の兆しが見られ始めたことから、年内にも利上げ開始との期待も高まり、金利先物市場でも利上げを織り込み始めていた。

しかし、ロシアのウクライナ侵攻をきっかけに地政学リスクが高まり、ユーロ圏経済への影響が懸念されたことから、利上げ開始は来年に先送りされるとの見方が強まっている。一方、PEPP(コロナ禍対応の緊急資産買い入れ)は当初3月に終了、APP(ECBの資産買い入れプログラム)は9月に終了と予想されていたが、こちらの終了時期も先送りされるいとの見方が強まっている。そのため、声明やラガルドECB総裁の会見での発言に注目が集まっている。

※出所:SBILMがデータを基に作成 

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