前営業日トピックス
東京市場では、前日のドル高が一服したことや、ウクライナ情勢に関する過度なリスク回避が一服し、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。一方、クロス円も底固い動きとなった。その後、ウクライナの大統領が停戦交渉を提案し、ロシアが協議に応じる姿勢を示したことを受けて、紛争が早期に終結するとの期待感が高まり、投資家のリスク回避の動きが和らぎ、欧州主要株価指数が大幅上昇となったことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
米国市場では、欧州市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は堅調な動きが続いた。さらに米主要株価指数も序盤から大幅上昇となったことも支援要因となり、欧州通貨や資源国通貨は堅調な動きが続いたものの、ドルは終盤に欧州通貨や資源国通貨に対して下落したことから、対円でも終盤に失速した。
米株式市場では、ウクライナとの停戦交渉にロシア側が応じる用意があると表明したことを受けて、紛争終結への期待感から投資家のリスク回避姿勢が和らぎ、主要株価指数は大幅上昇となった。ダウ平均株価は序盤から堅調な動きとなり、一時前日比871ドル高まで上昇した。その後も高値圏を維持したまま834.92ドル高(+2.51%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは221.04ポイント高の(+1.64%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、ウクライナ情勢の緊迫化を背景に過度なリスク回避の動きが一服し、ドルが欧州通貨や資源国通貨に対して軟調な動きとなったことから、ドルは対円でも上値の重い動きとなった。また、米長期金利が低下したこともドルの圧迫要因となった。
(2)下げ一服後は、ドル買い戻しの動きなどもあり、ドルは底固い動きとなった。さらに、ウクライナの大統領がロシア大統領に停戦交渉を提案し、ロシア側が協議に応じる姿勢を示したことを受けて、紛争が早期に終結するとの期待感が高まり、投資家のリスク回避の動きが和らぎ、欧州主要株価指数が上昇したことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
(3)米国市場では、欧州市場の流れを引き継ぎ、序盤から堅調な動きとなった。さらに、米株式市場が上昇して始まり、ダウ平均株価が870ドル超上昇したことも加わり、ドル円・クロス円は堅調な動きが続いた。ドル/円は、一時115.76まで上昇して2/16以来の高値を付けた。
(4)終盤にかけて、ドルの上昇が一服し、欧州通貨や資源国通貨に対して下落したことから、対円でも失速して115.52まで下落した。一方、ラガルドECB総裁が、ロシアによるウクライナ侵攻を受けて、ユーロ圏の物価や金融安定のため必要なことをすべて実施する用意があると表明したことも好感され、ユーロはドルや円に対して上昇となり、対円では前日の127円台から130円台を回復して終了した。
本日のトピックス
先週末に、ウクライナとロシアの停戦交渉の可能性を背景に、紛争が早期に終結するとの期待感が高まり、投資家のリスク回避の動きが和らいでドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ただ、交渉が実施されるまでは依然として先行きが不透明であるとの見方も多いことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きが続く可能性も指摘されている。そのため、今後は停戦交渉に関連する報道や要人発言に注目が集まるだろう。
米国市場では、製造業関連の経済指標の発表が予定されているが、マーケットの注目はウクライナ情勢が中心であることから、反応は限定的と見られている。ウクライナ情勢を背景に、株式市場の動きなどが注目されている。
2/28の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:45 | 米国 |
2月シカゴ購買部協会景気指数
シカゴ購買部協会景気指数は、シカゴ地区の製造業部門の景況感を指数化したものであり、50が景気の拡大・後退の判断基準となり、50を上回れば景気拡大傾向、50を下回れば景気後退傾向と判断される。また、米ISM製造業景況指数の1営業日前に発表されることから、先行指標とされている。
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62.2 | 65.2 |
前回は市場予想に反して上昇となり、2ヵ月連続の上昇となった。依然として高水準が続いており、同地区の製造業の堅調さが維持されていることが示された。今回は、前回から低下が予想されており、予想通りの結果なら、昨年2月以来の低水準となるが、依然として高水準を維持すると見られている。 |