前営業日トピックス
日本市場が休場で新規材料に乏しい中、アジア時間でドル円・クロス円は序盤から小動きの展開となった。ただ、中国株が軟調な動きとなったことや、欧州主要株価指数が序盤から下落したことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。
米国市場では、序盤に発表された米経済指標が予想以上に悪化したことから、ドルは上値の重い動きとなる場面もあった。ただ、FRBが金融引き締めを急ぐとの見方も根強く、下値は限定的だった。その後、ロシアが近くウクライナに侵攻する可能性があるとの報道を受けて、投資家のリスク回避の動きが強まり、ドル円・クロス円は大幅下落となった。さらに、米長期金利が低下したことも加わり、ドル/円は115.02まで下落した。
米株式市場では、序盤から主要株価指数が底固い動きとなったものの、ロシアが来週にもウクライナに軍事侵攻する可能性があるとの報道を受けて、投資のリスク回避の売りが優勢となり、軒並み大幅下落となった。ダウ平均株価は、序盤から底固い動きが続いたものの、報道を受けて下げが加速して一時前日比621ドル安まで下落した。終盤に下げ幅を縮小したものの、503.53ドル安(-1.43%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは394.49ポイント安(-2.78%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)アジア時間では、日本市場が休場で新規材料に乏しいものの、中国をはじめアジア株が軟調な動きとなったことからドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。その後、欧州主要株価指数が序盤から下落したことも加わり、ドル円・クロス円は上値の重い動きが続いた。
(2)米国市場では、FRBが金融引き締めを急ぐとの見方を背景にドルは序盤から主要通貨に対して底固い動きとなった。しかし、2月のミシガン大学消費者信頼感指数が予想以上の悪化となったことから、ドルは上値の重い動きとなる場面もあったが下値は限定的だった。
(3)ロシアが来週にもウクライナに侵攻する可能性があるとの報道を受けて、米主要株価指数が軒並み下げ幅を拡大し、投資家のリスク回避の動きが強まり、ドル円・クロス円も大幅下落となった。さらに、米長期金利が低下したことから、ドル/円は序盤の115.99から115.02まで下落した。
本日のトピックス
先週末にロシアが近くウクライナに侵攻する可能性があるとの報道を受けて、投資家のリスク回避の動きが強まり、米主要株価指数が大幅下落となり、ドル円・クロス円も下落した。緊張の高まりから本日のアジア市場や欧州市場でも前週末の米国時間の動きを受けて、主要株価指数が下落する可能性もある。ただ、現実的にリスクを冒してまでロシアがウクライナに侵攻するのかどうか疑問視する向きもあり、緊張は高まっているものの、水面下での駆け引きが続く可能性も考えられる。そのため、緊張状態が高いうちは株式市場や為替市場でも上値の重い動きが続く可能性もあり、特に本日は欧米の主要な経済指標の発表がないことから、ウクライナ情勢に関連する要人発言や報道に一喜一憂する展開が続く可能性も考えられる。