前営業日トピックス
東京市場では、ドル円・クロス円が序盤から底固い動きとなったものの、日経平均株価が250円超の下落となったことから、ドル円・クロス円は上値を抑えられる動きとなった。その後も日経平均株価は下げ幅を拡大し、終盤には前日比320円安まで下落したこともあり、上値の重い動きが続いた。欧州時間に入っても欧州主要株価指数が軟調な動きとなったことで、ドル円・クロス円も上値の重い動きが続いた。
米国市場では、序盤に発表された米経済指標が冴えない結果となったことから、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。さらに、米長期金利が低下したことから、ドル/円は114.00まで下落し、12/22以来の安値を更新した。一方、欧州通貨や資源国通貨は対ドルで上昇したことから、対円でも底固い動きも見られたものの、ナスダックが2.5%超まで下げ幅を拡大するなど米主要株価指数が軒並み下落に転じたことを受けて、終盤にかけて上値の重い動きが続いた。
米株式市場では、米主要企業の四半期決算への期待感から主要株価指数は序盤から堅調な動きとなった。さらに、12月の米生産者物価指数が低下したこと受けて米長期金利が低下したことも下支え要因となった。しかし、米当局者の金融引き締めに関するタカ派的な発言が相次いだことで、早期利上げへの警戒感が強まり主要株価指数は下落に転じた。ダウ平均株価は序盤から堅調な動きとなり、一時前日比223ドル高まで上昇した。しかし、その後は下落に転じて176.70ドル安(-0.49%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、FRB高官の相次ぐタカ派発言を受けて昨年10月半ば以来の安値まで下落し381.58ポイント安(2.51%)と下げ幅を拡大して終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、海外市場の軟調な流れが一服し、ドル円・クロス円は序盤から底固い動きとなった。しかし、日経平均株価が下落して始まり、280円超下落したことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きが続いた。
(2)午後に入り、日経平均株価が下げ幅を拡大し、終盤に前日比320円超下落したことや、時間外取引で米長期金利が低下したことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きが続いた。
(3)米国市場では、序盤に発表された米新規失業保険申請件数が2週連続で増加となったことや、12月の米生産者物価指数が市場予想より低下したこと受けて、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。さらに、欧米とロシアとのウクライナ情勢を巡る交渉も平行線を辿るなど、リスク回避を背景に円やスイスフランが買われ他ほか、安全資産とされる米債も買われ、米10年債利回りが序盤の1.744%から1/6以来の低水準となる1.693%まで低下したことから、ドル/円は114.00まで下落し、12/22以来の安値を更新した。一方、欧州通貨や資源国通貨は対ドルで上昇したことから、対円でも底固い動きも見られたものの、上昇して始まった米主要株価指数が軒並み下落に転じたこともあり、上値の重い動きとなった。
(4)複数の米当局者が金融引き締めに積極姿勢を示したものの、既に年内3回の利上げが織り込まれたことから米10年債、2年債ともに低下したこともあり、ドルは終盤まで上値の重い動きが続いた。
本日のトピックス
東京市場では、序盤底固い動きとなったものの、日経平均株価が下落したことや、仲値公示にかけて円買いが優勢となり、ドル円・クロス円は一段の下落となった。ドル/円は、114円台を割り込み113.80台まで下落し、12/21以来の安値を更新した。ここから114円台を回復できるのか、さらに一段の下落となるのか注目されている。
本日の米国市場では、主要な米国の経済指標の発表が予定されているが、いずれも前月からの低下が予想されている。最近のドルはやや軟調な動きが続いていることから、結果を受けマーケットの反応が注目される。
1/14の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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22:30 | 米国 |
12月小売売上高(前月比)
小売売上高は、米国商務省が百貨店やスーパーの売上調査を基にして発表している指標である。個人消費はGDPの約70%を占めており、小売売上高は個人消費の動向を見る上で重要な経済指標の一つであり、米国経済に与える影響も大きいため注目されている。
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-0.1% | 0.3% |
前回は市場予想を下回り、昨年7月以来の低い伸びとなり、高インフレを背景に、消費が抑制されたことが示された。特に、自動車、電気製品、健康食品がマイナスとなったことが影響した。今回は、マイナスが予想されており、高インフレが引き続き影響していることが示されると見られている。 | ||||
23:15 | 米国 |
12月鉱工業生産(前月比)
鉱工業生産は、鉱工業関連の生産動向を指数化したものであり、2002年を100として数値が算出され前月比で発表される。GDPに占める鉱工業部門の割合が約20%程度であることから重要な経済指標である。
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0.2% | 0.5% |
前回は市場予想を下回り、昨年3月以来の高い伸びとなった10月の結果から低下した。ただ、サプライチェーン問題が緩和したことが影響し、比較的高い伸びを維持した。今回は、前月から伸び幅の低下が予想されているものの、需要が旺盛であることから、プラスが維持されると見られている。 | ||||
0:00 | 米国 |
1月ミシガン大学消費者信頼感指数
ミシガン大消費者信頼感指数は、ミシガン大学が消費者にアンケート調査を行い、現況指数(現在)、期待指数(将来)など消費者マインドを指数化した経済指標である。速報は300人、確報は500人を対象に調査を実施し、1964年の指数を100として算出する。コンファレンス・ボード(CB)が発表する消費者信頼感指数と共に消費者マインドを見る上で重要な経済指標である。
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70.0 | 70.6 |
前回は市場予想を上回り、10年ぶりの低水準となった11月の結果から上昇した。また、1年先のインフレ期待は2008年以来の高水準となった前月と変わらずとなり、インフレの高進が家計に影響していることが圧迫要因となった。今回の速報値は、前月から低下が予想されており、引き続き高インフレの影響が消費者マインドを圧迫していることが示されると見られている。 |