前営業日トピックス
東京市場では、休場明けの日経平均株価が下落して始まったものの、実需のドル買い・円売りが観測されたこともあり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。しかし、日経平均株価が下げ幅を拡大したことや、米株価先物が下落したこともあり、投資家のリスク回避の動きからドル円・クロス円は軟調な動きとなった。しかし、欧州時間に入ると、欧州主要株価指数が軒並み上昇したことから、ドル円・クロス円は再び堅調な動きとなった。
米国市場では、米国の金融政策の正常化が加速するとの見方を背景に、米長期金利が上昇したことを受けてドルは堅調な動きとなり、ドル/円は一時115.68まで上昇した。しかし、パウエルFRB議長の再任指名公聴会での発言が予想よりもタカ派的ではないと受け止められたことから、ドルは主要通貨に対して下落となり、さらに米長期金利が下低下したことから、ドル/円も115.28まで下落した。一方、欧州通貨や資源国通貨は、対ドルで上昇したことや、米主要株価指数が軒並み上昇したことを受けて、対円でも堅調な動きとなった。
米株式市場では、米金融政策の正常化が加速するとの警戒感を背景に、主要株価指数は序盤から軟調な動きとなった。しかし、パウエルFRB議長の指名公聴会での発言が予想ほどタカ派的でないと受け取られたことから、米長期金利の上昇が一服となり、主要株価指数は上昇に転じた。ダウ平均株価は、一時前日比299ドル安まで下落したものの、その後は上昇に転じて202ドル高まで上昇する場面もあり、183.15ドル高(+0.51%)で終了。一方、ハイテク株中心のナスダックは210.62ポイント高(1.41%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、前日の海外市場終盤の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から底固い動きとなった。さらに、下落して始まった日経平均株価が下げ幅を縮小したことや、実需のドル買い・円売りが観測されたことから、仲値公示にかけて堅調な動きが続いた。
(2)その後、日経平均株価が下げ幅を拡大し、一時389円安まで下落したことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。午後に入り、日経平均株価が下げ幅を縮小したことから底固い動きが見られたものの、米株価先物が下落したことから、投資家のリスク回避の動きが高まり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。ただ、欧州時間に入り、欧州主要株価指数が序盤から軒並み上昇したことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
(3)米国市場では、欧州市場の流れを引き継ぎ、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。米国の金融政策の正常化が加速するとの見方を背景に、米長期金利が上昇したことを受けて、ドルは堅調な動きが続き、ドル/円は一時115.68まで上昇した。
(4)上昇一服後、ドルはやや上値の重い動きとなり、その後パウエルFRB議長が再任指名公聴会で、利上げやバランスシートの縮小に言及したものの、時期に関しては何も決まっていないと発言したことで、予想よりもタカ派的ではないと受け止められ、ドルは主要通貨に対して下落となり、上昇していた米長期金利が下落に転じたこともあり、ドル/円も115.28まで下落した。一方、欧州通貨や資源国通貨は、対ドルで上昇したことや、米主要株価指数が軒並み上昇したことを受けて、対円でも堅調な動きとなった。
本日のトピックス
前日のパウエルFRB議長の再任指名公聴会の発言が注目されていたが、金融政策に関する発言が予想よりタカ派的でないと受け止められたことから、ドルは主要通貨に対して反落となった。ただ、今年のFRBの利上げ回数は3回〜4回実視されるとの見方は変わっていないことから、当面は底固い動きが続くと見られている。ただ、115円台の大台割れとなる場合には、一段の下げとなる可能性も考えられることから注意も必要だろう。
本日の米国市場では、12月の米消費者物価指数の発表が予定されており、前月比では前月から低下が予想されているものの、前年比ベースでは伸び幅の拡大が予想されており、インフレ高進が示されれば長期金利の上昇が続く可能性も考えられる。
1/12の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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22:30 | 米国 |
12月消費者物価指数(前月比)
消費者物価指数(CPI = Consumer Price Index)は、消費者を対象とした小売やサービスの価格動向を示した指数である。特に、食品とエネルギーを除いたコア指数が重要視されている。そして、米国の金融政策を決定する上で重要な経済指標であり、為替市場への影響も非常に大きい。
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0.4% | 0.8% |
前回は市場予想を上回ったものの、2008年以来高水準となった10月の結果からは低下した。ただ、前年比では1982年以来約40年ぶりの大きな伸びとなり、引き続きインフレ圧力が強いことが示された。今回は、前月からさらに低下が予想されているものの、前年比では7.0%が予想されており、予想通りなら1982年6月の高水準に並ぶ。 |