前営業日トピックス
東京市場では、ドル円・クロス円は序盤から底固い動きとなった。ただ、オセアニア市場、香港市場が休場となり、新規材料に乏しい中で全般的に小動きの展開が続いた。ドル/円は上下17銭の動きに留まった。欧州時間では、欧州主要株価指数が上昇したことから、円売りが優勢となり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
米国市場では、米国の主要な経済指標の発表がないものの、欧米の主要株価指数が上昇したことで、円売りが優勢となり、ドル円・クロス円は堅調な動きが続いた。さらに、米長期金利が高止まりしていることもあり、ドル/円は114.91まで上昇し、11/26以来の高値を更新した。一方、ユーロ/円は11/15以来、ポンド/円は11/17以来の高値をそれぞれ更新した。
米株式市場では、米国の年末商戦の小売売上高が好調との報道を受けて、米経済の先行き期待が高まり、主要株価指数は堅調な動きとなった。さらに、オミクロン株の重症化リスクは低いとの見方も投資家の買い安心感につながり、主要株価指数は4営業日続伸となった。ダウ平均株価は、序盤から堅調な動きが続き、351.82ドル高(+0.98%)で終了、ハイテク株中心のナスダックは、217.89ポイント高(+1.39%)で終了した。なお、S&P500は、2営業日連続で過去最高値を更新した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)週明けの東京市場では、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。ニュージーランド、オーストラリア、香港市場が休場となり、市場参加者が少なく薄商いの中、値動きは限定的だった。ドル/円は、序盤の114.31から114.49まで上昇したものの、狭いレンジ内の動きに留まった。
(2)欧州時間では、欧州主要株価指数や米株価先物が上昇したことを受けて、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
(3)米国市場では、米国の主要な経済指標の発表がないものの、米主要株価指数が序盤から上昇したことで、円売りが優勢となり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。さらに、米長期金利の指標となる米10年債利回りが高止まりで推移したこともあり、ドル/円は114.91まで上昇し、11/26以来の高値を更新した。一方、ユーロ/円は11/15以来、ポンド/円は11/17以来、豪ドル/円は11/24以来の高値をそれぞれ更新した。
本日のトピックス
前日に続き、オセアニア市場や英国、カナダ市場が休場となることや、年末を控えて市場参加者が少なくなることから、限定的な動きが予想されている。その中で、オミクロン株の重症化リスクが低いとの見方があるものの、欧州でオミクロン株の感染拡大への懸念が高まっていることが欧州通貨を圧迫する可能性も指摘されている。さらに、ウクライナ情勢の緊張を背景とした地政学的リスクも欧州通貨の圧迫要因となるとの見方もある。
米国市場では、米国の経済指標の発表が予定されているものの、薄商いとなることが予想されており、年末年始を控えた様子見ムードから、積極的な売買が手控えられる可能性も考えられる。ただ、一方でドル/円は115円台を試す展開を予想する向きもあり、欧米の株式市場の堅調さが続けば、115円台乗せの可能性も期待されている。
12/28の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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22:30 | 米国 |
12月リッチモンド連銀製造業指数
リッチモンド連銀製造業指数は、米国の12連邦準備銀行の1つであるリッチモンド地区連銀が発表している製造業指数。1993年から算出が開始されており、NY連銀、フィラデルフィア連銀が発表する指数と合わせて製造業の景況を確認できる。管轄はウェストバージニア州、サウスカロライナ州、ノースカロライナ州、バージニア州、メリーランド州、ワシントンDCなど。管轄地域は米国内生産の9.1%を占める。
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11 | 11 |
前回は市場予想と一致し、前月から低下したものの、2ヵ月連続のプラスとなった。変異株の感染拡大の影響や、サプライチェーン問題を背景に鈍化した流れからの持ち直しが示された。今回は、横ばいが予定されており、改善傾向が維持されると見られている。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート
ユーロ/円は、堅調な動きが続いたものの、一目均衡表の雲下限近辺でやや上値の重い動きとなっている。ここから雲の中に入り、雲の上抜けを目指して堅調な動きとなるのか、雲に押されて一旦調整の動きとなるのか注目されている。
オシレーターのMACDでは、先行するラインがゼロポイントを上抜けており、両線の乖離幅も拡大継続中であることから、遅行するラインがゼロを上抜ければ、上昇継続を示唆する形状となることから、両線の動きに注目したい。
また、一目均衡表では、転換線・基準線がクロスしており、遅行スパンも価格帯を上抜けている。これに、雲の上抜けが加われば、三役好転の強気シグナルとなることから、今後の展開を見極めたい。
気まぐれ投資コラム
2022年は5年ぶりに平均変動幅を上回るか?
2021年のドル/円の年間の変動幅(高値−安値)は、今年の高値が115.52(11/24)、安値が102.59(1/6)であることから28日時点で12.93円幅となり、2年連続で前年の変動幅を上回った。しかし、2000年から2021年までの22年間の平均変動幅が15.03円であることから、5年連続で平均変動幅を下回る結果となった。来年2022年は、3年連続で前年の変動幅を上回り、尚且つ5年ぶりに平均変動幅を上回る動きが見られるのか注目される。
※出所:SBILMがデータを基に作成