前営業日トピックス
前週末の欧米市場の株安を背景に、日経平均株価が序盤から下落となり、ドル円・クロス円は序盤から上値の重い動きとなった。五・十日で実需のドル買いが観測されたことから、仲値公示にかけてドル/円は底固い動きも見られた。しかし、午後には日経平均株価が一時前週末比650円超下落したことから、投資家のリスク回避の円買いが優勢となり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。下げ一服後は、円売りが優勢となり、ドル円・クロス円は値を戻す動きとなった。
米国市場では、オミクロン株の感染拡大を背景に、世界的な景気減速懸念が広がり、欧米の主要株価指数が大きく下落したことから、投資家のリスク回避の動きからドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。その後、米長期金利が上昇したこと受けて、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなり、対円では113.73まで上昇した。一方、トルコ政府が為替変動からリラ建て預金を保護する措置を発表したことを受けて、トルコ・リラが反発。トルコ・リラ/円は、最安値の6.136から9.162まで上昇した。
米株式市場では、米国でオミクロン株の感染者が急増していることから、米経済の先行きに対する懸念が広がり、主要株価指数は大幅下落となった。ダウ平均株価は一時前週末比699ドル安まで下落したものの、引けにかけて下げ幅を縮小し、433.28ドル安(-1.28%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、188.73ポイント安(-1.24%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前週末の海外市場の堅調な流れが一服し、ドル/円は序盤から上値の重い動きとなった。一方、前週末の海外市場の株安を背景に、日経平均株価が序盤から下落し、前週末比290円超下落したことから、クロス円も軟調な動きとなった。その後、五・十日に当たり、実需のドル買いが観測されたことから、仲値公示にかけてドル/円は値を戻す動きも見られた。
(2)午後に入り日経平均株価が下げ幅を拡大し、652円安まで下げ幅を拡大したことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きが続いた。なお、中国人民銀行が、1年物のローンプライムレートを2020年4月以来1年8ヵ月ぶりに引き下げたがオフショア人民元の反応は限定的だった。欧州時間では、欧州主要株価指数が下落して始まったこともあり、ドル円・クロス円は一段の下落となった。ただ、その後は円売りの動きが優勢となり、ドル/円は113.69まで上昇した。
(3)米国市場では、新型コロナウイルスのオミクロン株の感染拡大を背景に、世界的な景気減速懸念が広がり、欧米の主要株価指数が大きく下落したことから、投資家のリスク回避の動きが強まり、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなり、ドル/円は一時113.33まで下落した。しかし、下げ一服後は米長期金利の指標となる米10年債利回りが1.375%から1.427%まで上昇したこと受けて、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなり、対円では113.73まで上昇した。一方、トルコ大統領が追加利下げの方針を維持すると再表明したことからトルコ・リラはドルや円に対して最安値を更新した。しかし、その後にトルコ政府が為替変動からリラ建て預金を保護する措置を発表したことを受けて、トルコ・リラが急反発。トルコ・リラ/円は、最安値の6.136から9.162まで上昇した。
本日のトピックス
トルコ政府が為替変動からリラ建て預金を保護する措置を発表したことを受けて、トルコ・リラは史上最安値からが急反発となった。その後は落ち着いた動きが続いているが、トルコに関しては、金融政策以外にも問題を抱えているだけに、トルコ・リラの動きには引き続き注意も必要だろう。
本日の海外市場では、欧米の主要な経済指標の発表がないことから限定的な動きも予想されている。ただ、クリスマス休暇を前にポジション調整の動きを予想する向きもあり、値動きには注意したい。また、オミクロン株の感染拡大を背景に、欧州では一部の国がロックダウンを実施するなど、行動規制が取られており、この動きが拡大する場合には世界経済の先行き不安が高まる可能性も考えられることから、関連する報道などにも注意したい。