前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が序盤から軟調な動きとなったことから、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。さらに、米長期金利が低下したことも加わり、ドル/円は113.33まで下落した。その後、値を戻す動きが見られたものの、日経平均株価が下げ幅を拡大したことから上値の重い動きとなった。午後に入り、米長期金利が持ち直したこともあり、ドル/円は底固い動きとなり、さらに米インフレ高進への思惑も加わり、ドルは堅調な動きが続いた。
米国市場では、序盤に発表された11月の米消費者物価指数が39年ぶりの高水準となったが、市場予想と一致したことで、インフレ高進への懸念が後退し、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。さらに、米長期金利が低下したことも加わり、ドル/円は序盤の113.78から113.22まで下落した。欧州通貨や資源国通貨はドル/円の下落に連れて対円で軟調な動きとなったものの、その後は米主要株価指数が堅調な動きとなったこともあり、終盤まで堅調な動きとなった。
米株式市場では、11月の米消費者物価指数がほぼ予想通りの結果となったことで、過度なインフレへの懸念が後退したとの見方が広がり、主要株価指数は堅調な動きとなった。ダウ平均株価は一時マイナス圏まで下落する場面もあったが、その後は再び堅調な動きとなり、216.30ドル高(+0.61%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、113.23ポイント高(0.73%)で終了、またS&P500は終値ベースの過去最高値を更新した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、日経平均株価が序盤から軟調な動きとなり、240円超下落したことから、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。その後、五・十日の実需ドル買い・円売りが観測されたことから仲値公示にかけて値を戻す動きが見られたものの、堅調な動きは続かずに上値の重い動きとなった。さらに、時間外取引の米10年債利回りが低下したことも影響したが、下げ一服後は米長期金利が持ち直したこともあり、ドルは底固い動きとなった。
(2)午後に入り日経平均株価が下げ幅を拡大し、前日比332円安まで下落したことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなる場面もあった。しかし、米10年債利回りが1.50%を回復したこともあり、ドル/円は堅調な動きが見られた。さらに、前日にバイデン大統領が、米消費者物価指数に関して、最近の原油価格の下落を反映していないだろうと発言したことが材料視され、指数の上振れが警戒されたこともあり、ドルは堅調な動きが続いた。
(3)米国市場では、序盤に発表された11月の米消費者物価指数が1982年6月以来39年ぶりの高水準となったが、一部で過度な上昇が期待されていたものの、市場予想と一致したことで、インフレ高進への懸念が後退し、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。さらに、バイデン米大統領が米消費者物価指数の結果を受けて、国内のインフレ率はピークに達した可能性が高く、急速に変化するだろうとの見解を示した。また、ホワイトハウスが今回の米消費者物価指数は11月の結果であり、それ以降はいくつかの地域で価格は低下しているとしたことも圧迫要因となった。一方、米長期金利の指標となる米10年債利回りが1.516%から1.449%まで低下したことも加わり、ドル/円は序盤に付けた113.78から113.22まで下落した。
(4)下げ一服後、ドルは値を戻す動きとなったが、欧州通貨や資源国通貨はドル/円の下落に連れて対円で軟調な動きとなったものの、下げ一服後は対ドルで上昇が続いたことや、米主要株価指数が堅調な動きとなったこともあり、終盤まで堅調な動きとなった。
本日のトピックス
今週は、15日にFOMC、16日にECB理事会、英中銀、17日に日銀など主要国の金融政策発表を控えていることもあり、様子見ムードが強まる可能性も指摘されており、限定的な動きが予想されている。本日の海外市場では、主要な経済指標の発表がないこともあり、値動きは小幅に留まるとの見方も。ただ、株式市場や米金利市場の動きには敏感に反応する可能性も考えられる。