前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が序盤から上昇したことから、クロス円は堅調な動きとなった。ただ、米長期金利が低下となり、その後も低迷が続いたこともあり、ドル/円は上値の重い動きが続き、一時前日の安値を下回る113.36まで下落する場面もあった。一方、欧州主要株価指数が軟調な動きとなったことから、クロス円も上値の重い動きとなった。
米国市場では、米製薬大手のファイザーが暫定的な研究結果で同社のワクチンの3回接種がオミクロン株の感染予防に有効と公表したことが好感され、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。さらに、米長期金利が上昇したことも加わり、ドル/円は113.95まで上昇し、11/29以来の高値となった。その後、ドルはユーロなどに対して軟調な動きとなったことから、対円でも反落となった。一方、ユーロは対ドルで急上昇となったことから、対円でも堅調な動きが続き、11/26以来の高値となった。
米株式市場では、前日までの2日間で株価が急上昇したことから、利益確定の売りが出て序盤は軟調な動きとなった。その後、米ファイザーの研究結果が公表されたことが好感され、主要株価指数は3営業日続伸となった。ダウ平均株価は、一時前日比121ドル高まで上昇したものの、上昇一服後は下落に転じて116ドル安まで下落した。ただ、終盤にかけて再び堅調な動きとなり、35.32ドル高(+0.10%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは100.07ポイント高(+0.64%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)日経平均株価が序盤から堅調な動きとなり、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。しかし、時間外取引で米長期金利が低下したことから、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなり、対円では一時113.36まで下落した。
(2)午後に入り、日経平均株価が上げ幅を拡大し、前日比441円高まで上昇したことから、クロス円は底固い動きとなったが、ドル/円は米長期金利が低迷したこともあり、上値は限定的だった。一方、ジョンソン英首相が、新型コロナウイルスの感染が再び拡大していることを受けて、厳格な制限措置を実施すると発表したことを受けて、ポンドは主要通貨に対して下落となり、対ドルでは2020年12/11以来の安値まで下落した。
(3)米国市場では、米国の主要な経済指標の発表がなく新規材料に乏しい中、米ファイザーが暫定的な研究結果で同社のワクチンの3回接種がオミクロン株の感染予防に有効と公表したことが好感され、投資家のリスク回避の動きが強まり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。さらに、米長期金利の指標となる米10年債利回りが1.425%から1.534%まで上昇したことも加わり、ドル/円は113.95まで上昇し、11/29以来の高値となった。
(4)ドルは上昇一服後上値の重い動きとなり、ユーロなどに対して軟調な動きとなったこともあり、対円でも反落となった。一方、ユーロや豪ドルは対ドルで急上昇となったことから、対円でも堅調な動きが続き、ともに11/26以来の高値となった。
本日のトピックス
米ファイザーが暫定的な研究結果で同社のワクチンの3回接種がオミクロン株の感染予防に有効と公表したことに加え、オミクロン株の感染による症状が従来型よりも軽度であるとのデータを受けて、過度な警戒感が後退しており、オミクロン株の感染確認以降下落した株式市場で改善の動きが見られるなど、リスク回避の動きが和らいでいる。ただ、欧州ではデルタ株の感染が拡大していることもあり、懸念要因が残っている。来週のイベント(FOMCなど主要中銀の政策発表)を控えて、どこまで値を戻すのかが注目されている。
本日の米国市場では、米新規失業保険申請件数の発表が予定されているが、前週は1969年以来の低水準となった前々週結果から増加した。今週は小幅ながら減少が予想されており、労働市場の堅調な改善が続くと見られている。
12/9の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
---|---|---|---|---|
22:30 | 米国 |
新規失業保険申請件数(12/4までの週)
新規失業保険申請件数は、労働省が失業保険を申請した人(失業者)の数を毎週発表する経済指標。毎週(木曜日)発表されるため、雇用情勢の速報性に優れており、雇用統計の先行指標として注目されている。ただ、米国の祝祭日や天候などの影響を受けやすいという点もある。
|
22.0万件 | 22.2万件 |
前回は市場予想を下回ったものの、1969年以来の低水準となった前週の反動から増加となった。今回は、前週から若干の減少が予想されており、依然として労働市場の堅調さが示されると見られている。 |