前営業日トピックス
東京市場では、前日の海外市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。さらに、午後に入り日経平均株価が前日比690円超上昇したことも加わり、ドル円・クロス円は一段の上昇となった。しかし、欧州時間に入り、円買いが優勢となったことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。
米国市場では、ドル/円が序盤に113.78まで上昇して11/30以来の高値を付けたものの、その後は上値の重い動きが続いた。一方、米ロ首脳会談では、ロシア報道官がウクライナ問題の解決の見込みは立たないとの見方を示したことで、地政学的リスクが意識されてユーロはドルや円に対して下落し、対ドルでは11/26以来の安値まで下落した。ただ、米主要株価指数は軒並み大幅上昇となったことや、米長期金利が上昇したことから、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。
米株式市場では、オミクロン株の感染拡大への過度な懸念が和らいだことが引き続き材料視され、主要株価指数は序盤から堅調な動きとなった。ダウ平均株価は、一時前日比592ドル高まで上昇したが、終盤にやや上げ幅を縮小して492.40ドル高(+1.40%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは461.77ポイント高(+3.03%)で終了し、終値ベースの上げ幅としては3月上旬以来、約9ヵ月ぶりの大きさとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)新たな変異株のオミクロン株に対する過度な警戒感が後退したとの見方が広がり、堅調な動きとなった前日の海外市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。さらに、日経平均株価が上昇して始まり、前日比400円超上昇したことから、投資家のリスク選好の動きが強まった。
(2)午後に入り、日経平均株価が上げ幅を拡大し、一時604円高まで上昇したことから、ドル円・クロス円は一段の上昇となった。さらに、時間外取引で10年債利回りが1.425%から1.449%まで上昇したことも加わり、ドル/円は113.68まで上昇し、1週間ぶりの高値を付けた。しかし、欧州時間に入り、米長期金利が低下したことや、ユーロやポンドが対円で下落したことから、ドル/円も軟調な動きとなった。
(3)米国市場では、ドルが対ユーロなどで上昇したことから、対円でも堅調な動きとなり、ドル/円は序盤に113.78まで上昇し、11/30以来の高値を付けた。しかし、その後は値頃感の戻り売りなどもあり、上値の重い動きが続いた。一方、ウクライナ情勢を巡り、米ロ首脳会談の中で、ロシア報道官がウクライナ問題の解決の見込みは立たないとの見方を示したことで、地政学的リスクが意識されてユーロはドルや円に対して軟調な動きとなり、対ドルでは11/26以来の安値まで下落した。ただ、米主要株価指数は軒並み大幅上昇となったことや、米長期金利が上昇したことから、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。
本日のトピックス
ドル/円は上値の重い動きが続いているが、目先の上値のポイントとされる113.953や114.025を上抜けて一段の上昇となるのか、下値のポイントの113.305を下回って軟調な動きとなるのか注目されている。
本日の米国市場では、10月のJOL求人件数の発表が予定されており、ここまで2ヵ月連続の減少となっているが、依然として高水準が続いている。そのため、より条件の良い職場を選択できることから、自発的離職者数が過去最高となっており、企業の人材確保が困難になっている。今回は、求人数の増加が予想されており、高水準が維持されると見られている。同時に自発的離職者数の動向にも注目したい。
12/8の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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0:00 | 米国 |
10月JOLT労働調査[求人件数]
JOLTS 労働調査(求人件数)は、米労働統計局が求人状況を測定するために実施する調査で、小売業や製造業など各業種の雇用データをもとに算出する統計。
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1046.9万件 | 1043.8万件 |
前回は市場予想を上回ったものの、2ヵ月連続の減少となった。自発的離職者数が過去最高となり、賃金の上昇にもかかわらず、離職者の歯止めがかからず人材確保が難しくなっていることが示された。今回は増加が予想されており、特に離職者数がさらに増加しるのか、落ち着きを見せるのか注目したい。 |