前営業日トピックス
東京市場では、前日の海外市場終盤の底固い流れが一服し、序盤は上値の重い動きとなった。ただ、米雇用統計の発表を控えて様子見ムードが強まっていたことから、ドル円・クロス円は限定的な動きが続いた。
米国市場では、米雇用統計で非農業部門雇用者数が市場予想を大幅に下回る結果となったことを嫌気して、ドル/円は発表直後に113.31から113.00まで下落した。しかし、失業率が2020年2月以来の低水準まで改善したことで、FRBが利上げを前倒しするとの楽観的な見方もあり、ドル/円は113.61まで反発する場面もあった。その後、オミクロン株の感染拡大懸念を背景に、米主要株価が下落に転じたことから、投資家のリスク回避の動きが強まり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。さらに、米長期金利が低下(長短金利差縮小も)したことも加わり、ドル/円は一時112.56まで下落した。
米株式市場では、新たな変異株のオミクロン株の感染拡大を懸念した売りが優勢となり、主要株価指数は軟調な動きとなった。さらに、序盤に発表された11月の米雇用統計で失業率が昨年2月以来の低水準まで改善したことで、FRBが利上げを前倒しするとの観測が広がったことも圧迫要因となった。ダウ平均株価は上昇して始まったものの、その後は下落に転じて一時375ドル安まで下落した。ただ、終盤には急速に下げ幅を縮小し、59.71ドル安(-0.17%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、295.85ポイント安(-1.92%)で終了した。
米ドル/円

※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、前日の海外市場終盤の底固い動きが一服し、ドル円・クロス円は序盤から上値の重い動きとなった。さらに、上昇して始まった日経平均株価がマイナス圏まで下落したことや、米長期金利が低下したことも加わり、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。
(2)午後に入り、日経平均株価がプラス圏を回復して上げ幅を拡大したことから、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。ただ、米雇用統計の発表を控えて様子見ムードが強まっていたことから、値動きは限定的だった。
(3)米国市場では、序盤に発表された米雇用統計で、景気動向を敏感に映す非農業部門雇用者数が市場予想を大幅に下回る結果となったことを嫌気してドルは発表直後に下落、ドル/円は113.00まで下落した。しかし、失業率が2020年2月以来の低水準まで改善したことで、FRBが利上げを前倒しするとの見方も広がり、ドル/円は113.61まで反発した。その後、変異株のオミクロン株の感染拡大懸念が高まったことや、利上げ期待の高まりを背景に米主要株価指数が下落に転じたことで投資家のリスク回避の円買い動きが強まり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。さらに、米長期金利の指標となる米10年債利回りが1.469%から1.334%まで低下したことも加わり、ドル/円は一時112.56まで下落した。ただ、11/30に付けた110/11以来の安値となる112.53には届かなかった。
本日のトピックス
先週末の米雇用統計では、まちまちの結果となったことから、方向性に欠ける動きとなったが、オミクロン株の感染拡大が懸念を背景に、投資家のリスク回避の動きが優勢となった。週明けの東京市場でも、上昇して始まった日経平均株価が下落に転じて一時200円超下落する動きとなった。世界的にオミクロン株の感染拡大が報告される中で、再び経済への影響が懸念されており、オミクロン株に関連する報道などには敏感に反応する可能性も考えられる。本日の米国市場では、主要の経済指標の発表がないことから新規材料に乏しく、限定的な動きも予想されている。