前営業日トピックス
東京市場では、海外市場の軟調な流れが一服し、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。さらに、下落して始まった日経平均株価が一時プラス圏まで回復したことや、米長期金利が上昇したことから、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。午後にドルは主要通貨に対して上昇となり、ドル/円は113.33まで上昇した。しかし、欧州主要株価指数が下落して始まったことで円買いが優勢となり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
米国市場では、序盤に発表された米新規失業保険申請件数が市場予想より良好な結果となったことや、複数の米当局者のタカ派的発言を受けて米長期金利が上昇し、ドルは主要通貨に対して上昇した。ドル/円は、一時113.24まで上昇した。一方、米主要株価指数が軒並み大幅上昇したことから、欧州通貨や資源国通貨は対円で底固い動きとなった。
米株式市場では、新変異株のオミクロン株への懸念を背景に、前日まで大幅下落となった反動もあり、主要株価指数は序盤から堅調な動きとなった。さらに、序盤に発表された米失業保険申請件数が市場予想より良好な結果となり、労働市場の改善が進んでいることが示されたことも好感された。ダウ平均株価は、一時前日比737ドル高まで上昇したものの、引けにかけて上げ幅を縮小して617.75ドル高(+1.82%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、127.27ポイント高(+0.83%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、前日の海外市場の流れを引き継ぎドルは上値の重い動きとなり、序盤に前日の海外市場の安値と面合わせの112.67まで下落した。ただ、その後は値頃感の買い戻しの動きもあり、底固い動きとなった。また、下落して始まった日経平均株価が一時プラス圏まで回復したこともあり、クロス円も堅調な動きとなった。
(2)午後に入り、日経平均株価が底固い動きが続いたことや、米長期金利が持ち直したことから、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。さらに、欧州時間にドルは主要通貨に対して堅調な動きとなり、ドル/円は113.33まで上昇した。ただ、上昇一服後は上値の重い動きとなり、欧州主要株価指数が下落したことからドル円・クロス円は軟調な動きとなり、ドル/円は112.71まで下落した。
(3)米国市場では、欧州市場の軟調な流れが一服し、ドルは序盤から主要通貨に対して堅調な動きとなった。序盤に発表された米新規失業保険申請件数が市場予想より良好な結果となったことや、30日のパウエルFRB議長の発言に続き、物価上昇を背景にクオールズFRB理事が「テーパリングの加速を支持」と発言したことや、アトランタ連銀総裁が「テーパリングをできるだけ早く終了させることに賛成」、サンフランシスコ連銀総裁が「早期のテーパリングが必要となる可能性」との見方を示したことから、米長期金利の指標となる米10年債利回りが1.407%から1.463%まで上昇したことも加わり、ドル/円は堅調な動きとなった。
本日のトピックス
日本や米国で変異株「オミクロン株」の感染者が確認されたことを受けて、投資家のリスク回避の動きが強まったが、明確な情報が分かるまでは不透明感も多いことから、関連する報道に一喜一憂する可能性も考えられる。
本日の米国時間では、米雇用統計の発表が予定されており、結果発表までは様子見ムードが強まり、限定的な動きが続く可能性も考えられる。マーケットでは、雇用統計の改善がテーパリングの加速を左右すると見られていたが、すでにパウエルFRB議長が30日の議会証言次回のFOMCでテーパリングの加速を議論するとしたことに加え、複数の米当局者がテーパリングの加速を支持するとの発言もあり、雇用統計が良好な結果となったとしても、テーパリング終了、利上げ時期の前倒し期待が織り込まれていることから、予想の範囲内の結果なら、反応は限定的との見方もある。むしろ、オミクロン株に関する報道に敏感に反応する可能性も考えられる。
12/3の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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22:30 | 米国 |
11月非農業部門雇用者数
非農業部門に属する事業者の給与支払い帳簿をもとに集計された雇用者数。農業以外の産業で働く雇用者であり、経営者や自営業者は含まれない。
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55.0万人 | 53.1万人 |
前回は3ヵ月ぶりの増加となり、デルタ株による影響が弱まり、労働市場の改善が進んでいることが示された。特に、娯楽・ホスピタリティーの雇用増加が目立った。今回は、前回から小幅増加が予想されており、年末にかけてさらに改善が進むと見られている。 |