前営業日トピックス
週明けの東京市場では、前週末の海外市場の軟調な動きが一服し、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。その後、400円超下落した日経平均株価がプラス圏まで値を戻したことから、ドル円・クロス円は底固い動きが見られたものの、午後に入り560円超まで下げ幅を拡大したことから、上値の重い動きとなった。ドル/円は、一時11/10以来の113円台割れまで下落したものの、値頃感も買い戻しも強く下値は限定的だった。欧州時間では、欧州主要株価指数や、米株価先物が上昇したことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
米国市場では、欧州市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。さらに、米長期金利が上昇したことも加わり、ドル/円113.96まで上昇した。ただ、114円台を前に上値の重い動きとなった。その後、新たな変異株の感染拡大が懸念されていることを背景に、米長期金利が低下したことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。
株式市場では、新型コロナウイルスの新たな変異株の感染拡大が懸念される中、バイデン米大統領が現時点でロックダウンは考えていないとしたことが伝わり、米景気の先行きに対する警戒感が和らいだとの見方から主要株価指数は堅調な動きとなった。ダウ平均株価は、序盤に一時前週末比388ドル高まで上昇したものの、その後はマイナス圏まで下落する場面もあった。しかし、ロックダウンの可能性が否定されたことが好感され、再び堅調な動きとなり、236.60ドル高(+0.68%)で終了。一方、ハイテク株中心のナスダックは291.18ポイント高(+1.88%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前週末の海外市場の堅調な流れが一服し、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。その後は上値の重い動きとなったものの、序盤に400円超下落した日経平均株価が下げ幅を縮小し、一時プラス圏まで回復したことから、底固い動きとなった。
(2)午後に入り、再び日経平均株価が軟調な動きとなった、564円安まで下げ幅を拡大したことから、投資家のリスク回避の動きも意識され、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。ドル/円は、一時112.99まで下落し、11/10以来約3週間ぶりに113円台割れとなる場面もあった。しかし、値頃感の買い戻しの動きなどもあり、その後は底固い動きとなった。
(3)米国市場では、欧米の主要株価指数が前週末の大幅下落から反発したことを受けて、投資家の安心感が広がり、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。さらに、米長期金利の指標となる米10年債利回りが1.514%から1.563%まで上昇したことから、ドル/円は東京時間に付けた113.88を上抜けて113.96まで上昇した。
(4)ドル/円は、114円台を前に上値の重い動きとなった。その後、新型コロナウイルスの新たな変異株の感染拡大に対する懸念を背景に、序盤に前週末比388ドル高まで上昇していたダウ平均株価が下落に転じてマイナス圏まで下げたことや、米10年債利回りが1.495%まで低下したことも加わり、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。ただ、バイデン米大統領が現時点でロックダウンは考えていないとしたことを受けて、株価が再び上昇したこともあり、ドル円・クロス円は底固い動きが続いた。
本日のトピックス
前日の東京市場では、一時113円台割れまで下落する場面もあったが、海外時間に入り底固い動きが続いた。また、欧米の主要株価指数が軒並み反発したこともあり、東京市場では序盤から日経平均株価は300円超上昇していることもあり、ドル/円は前日到達できなかった114円台を回復できるのか注目される。
欧州時間では、ドイツの雇用統計、ユーロ圏の消費者物価指数の発表が予定されているものの、マーケットの関心事は新型コロナウイルスの変異株オミクロンが拡大しているのか注目されており、関連する報道などに注目したい。一方、米国市場では、11月シカゴ購買部協会景気指数と、11月米消費者信頼感指数の発表が予定されており、ともに前回の改善から失速が予想されている。ただ、前者は依然として高水準が予想されているが、後者は消費者の不安が見え隠れする結果が続いていることから、結果が注目されている。
11/30の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:45 | 米国 |
11月シカゴ購買部協会景気指数
シカゴ購買部協会景気指数は、シカゴ地区の製造業部門の景況感を指数化したものであり、50が景気の拡大・後退の判断基準となり、50を上回れば景気拡大傾向、50を下回れば景気後退傾向と判断される。また、米ISM製造業景況指数の1営業日前に発表されることから、先行指標とされている。
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67.0 | 68.4 |
前回は市場予想を上回り、3ヵ月ぶりの上昇となった。さらに、16ヵ月連続で景気拡大・後退の判断基準となる50を上回っており、製造業の堅調さが続いていることが示された。今回は、前月から低下が予想されているが、低下は小幅に留まると見られており、堅調さに変わりはないと見られている。 | ||||
0:00 | 米国 |
11月消費者信頼感指数
消費者信頼感指数は、米国のCB(Conference-Board=コンファレンスボード「全米産業審議委員会」)という民間の調査機関が発表する消費者マインドを指数化したもの。5,000人の消費者にアンケート調査を行い、現在と半年後の景況感、雇用、所得の項目で回答した結果を指数化している。
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110.7 | 113.8 |
前回は市場予想を上回り、4ヵ月ぶりの上昇となった。現況指数、期待指数ともに前月から上昇したことが影響し、新型コロナウイルスの変異株の感染拡大が和らいだことが背景にあると見られている。今回は、前月から低下が予想されており、依然として消費者の懸念が残っていることが示されると見られている。 |