前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が序盤から軟調な動きとなり、さらに米長期金利の低下も加わり、ドル円・クロス円も軟調な動きとなった。ドル/円は、一時114円台を割り込み、113.88まで下落したものの、114円台割れ近辺では値頃感も買い戻しもあり、再び114円台を回復した。さらに、日本の経済対策事業規模の報道を受けて、日経平均株価が反発に転じる場面もあり、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。欧州時間では、トルコ中銀の金融政策発表があり、予想通り政策金利の引き下げが発表されたことを受けて、トルコ・リラは一段の下落となった。
米国市場では、序盤に発表された米経済指標が良好な結果となったことから、ドルは序盤から主要通貨に対して堅調な動きとなった。さらに、米長期金利が上昇したことも加わり、ドル/円は一時114.49まで上昇した。しかし、米長期金利が低下したことを受けて、ドル/円も上昇一服となり、114.16まで下落した。ただ、114円台割れ近辺では底固い動きが続いたこともあり、114円台前半では底固い動きが見られた。一方、中盤以降対ドルで堅調な動きが続いたこともあり、欧州通貨や資源国通貨は対円でも堅調な動きが続いた。
米株式市場では、序盤に発表された米経済指標が良好な結果となったものの、インフレ加速への懸念が引き続き圧迫要因となり、主要株価指数は上値の重い動きとなった。さらに、米通信機器大手のシスコシステムズの決算内容が冴えない結果と受け止められ、同社の株価が大幅に下落したこともダウ平均の圧迫要因となった。一方、決算が好調だったIT関連銘柄などに買いが入り、ナスダックは反発となった。ダウ平均株価は、一時前日比276ドル安まで下落したものの、その後は下げ幅を縮小する動きとなり、60.10ドル安(-0.17%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、一時マイナス圏まで下落する場面があったものの、72.14ポイント高(+0.45%)で終了し、終値ベースの最高値を更新した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、日経平均株価が序盤から軟調な動きとなり、一時前日比285円安まで下落したことから、ドル円・クロス円は序盤から上値の重い動きとなった。さらに、時間外取引で米長期金利が低下したことも加わり、ドル/円は114円台を割り込み、前日の安値113.93も下回り、一時113.88まで下落した。一方、エルドアン大統領が金利との戦いを続けると表明したことで、追加緩和観測が高まったことから、トルコ・リラの下落が続いており、東京市場でもドルや円に対して下落が続いた。
(2)下げ一服後は底固い動きが続き、さらに経済対策の財政支出55.7兆ドル、民間を加えた事業規模は78.9兆円との報道を受けて、日経平均株価がプラスに転じたこともあり、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。欧州時間では、トルコ中銀が予想通り利下げを決定したことから、トルコ・リラは一段の下落となり、ドルや円に対して史上最安値を更新した。
(3)米国市場では、序盤に発表された米失業保険申請件数が小幅減少し、約1年8ヵ月ぶりの低水準を更新したことや、フィラデルフィア連銀指数が市場予想を大きく上回り、4月以来の高水準となったことを受けて、ドルは序盤から主要通貨に対して堅調な動きとなった。さらに、米長期金利の指標となる米10年債利回りが1.611%まで上昇したことも加わり、ドル/円は一時114.49まで上昇した。一方、南ア中銀が利上げを発表したことを受けて、南ア・ランドが上昇したものの、声明で今後の利上げペースは緩やかになると言及されたことが嫌気され、その後は上値の重い動きとなった。
(4)上昇一服後に米10年債利回りが1.573%まで低下したことから、ドル/円も下げが加速して114.16まで下落した。ただ、114円台割れ近辺では底固い動きが続いたこともあり、114円台前半では底固い動きも見られた。一方、欧州通貨や資源国通貨は、中盤以降対ドルで上昇したことから、対円でも堅調な動きが続いた。
本日のトピックス
ドル/円は、一昨日の海外時間から114円台を割り込む動きが見られたものの、いずれも買い戻しの動きから底固い動きが続いており、当面の下値は114.00近辺と見られている。東京時間に入り、ドルは主要通貨に対して堅調な動きが続いており、対円でも底固い動きとなっている。本日の米国市場では、主要な経済指標の発表がなく、新規材料に乏しいことから、限定的な動きが予想されている。ただ、株式市場や米国の金利動向次第では、動きが出る可能性もあり、各マーケットの動きが注目される。