前営業日トピックス
東京市場では、前日の海外市場逃れを引き継ぎ、ドルは序盤から堅調な動きとなった。ドル/円は、一時114.97まで上昇し、2017年3/14以来の高値を更新した。しかし、115円台を前にして上値の重い動きとなり、その後は失速となった。一方、序盤に100円超上昇した日経平均株価が下落に転じ、184円安まで下落したことから、クロス円も上値の重い動きとなった。ただ、ユーロドルが1.13ドル割れたことで下げが加速したことから、対円でも軟調な動きとなった。
米国市場では、序盤からドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。米主要株価指数が下落したことや、米長期金利が低下したことを受けて、ドル円・クロス円は軟調な動きが続き、ドル/円は一時113.93まで下落した。しかし、114円台割れ近辺では、値頃感の買い戻しなどから底固い動きとなり、114円台を回復して終了した。なお、序盤に発表された米住宅関連の経済指標は、強弱まちまちの結果となったことから、マーケットの反応は限定的だった。
米株式市場では、米国のインフレ高進への懸念が根強く、主要株価指数は序盤から軟調な動きとなった。さらに、クレジットカード大手のビザが、英国でアマゾンの支払のための利用が停止されると報じられたことを受けて、同社株が大きく下落したこともダウ平均の圧迫要因となった。ダウ平均株価は、序盤に一時前日比232ドル安まで下落し、終盤まで安値圏が維持されて211.17ドル安(-0.58%)で終了。一方、ハイテク株中心のナスダックは、52.29ポイント安(-0.33%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、前日の海外市場の流れを引き継ぎ、ドルは序盤から主要通貨に対して堅調な動きとなり、対円では前日の高値114.84を上抜けて114.97まで上昇し、2017年3/14以来の高値となった。一方、クロス円もドル/円の上昇に連れて上昇したものの、ドル/円が115円台を前に失速し、114.70まで下落したことや、上昇して始まった日経平均株価が下落に転じたことから、上値の重い動きとなった。
(2)午後には日経平均株価が下げ止まったことや、米長期金利の指標となる米10年債利回りが時間外取引で一時前日の1.643%を上回る1.647%まで上昇したものの、その後低下したこともあり、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。その中で、1.13ドル台で底固い動きが続いていたユーロ/ドルが節目の1.13ドル台を下抜けると、ストップロスを巻き込んで下落となり、一時1.1264まで下落し、ユーロ/円も下げ直前の129.88から129.42まで急落する場面もあった。
(3)欧州時間には、トルコのエルドアン大統領が演説で、市民から高金利の重荷を取り除くとし、低金利を目指す戦いを続けることを表明したとの報道を受けて、トルコ・リラは一段の下落となり、ドルや円に対して最安値を更新した。米国市場では、欧州市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から上値の重い動きとなった。序盤に発表された米住宅関連の経済指標は、強弱まちまちの結果となったことから、マーケットの反応は限定的だった。
(4)米主要株価指数が下落したことや、米長期金利の指標となる10年債利回りが1.645%から1.582%まで低下したことを受けて、ドル円・クロス円は軟調な動きが続き、ドル/円は一時113.93まで下落する場面もあった。しかし、114円台割れ近辺では、値頃感の買い戻しなどから底固い動きとなり、114円台を回復して終了した。
本日のトピックス
欧州時間では、トルコ中銀の金融政策発表が予定されている。昨日、トルコのエルドアン大統領が、演説で低金利を目指す戦いを続けると表明したこともあり、市場予想では利下げ予想が100%(1.00%の利下げ予想が80%、0.50%の利下げ予想が20%)となっている。マーケットでは、利下げを織り込んでトルコ・リラが連日下落しているが、利下げが発表された場合にトルコ・リラが一段の下落となるのか、注目されている。ただ、予想に反して金利据え置きとなる場合には、トルコ・リラが大幅反発となる可能性も指摘されており、結果を受けたマーケットの反応に注目したい。
一方、南アフリカ中銀の金融政策発表も予定されている。マーケットでは、政策金利の据え置きと利上げ予想が拮抗していることから、どちらの結果が出た場合でも動きが出る可能性も考えられることから、結果に注目したい。
米国では、新規失業保険申請件数の発表が予定されており、ここまで6週連続で減少しており、今回も減少が予想されている。ただ、小幅減少が予想されていることから、予想の範囲内の結果なら反応は限定的と見られている。ただ、同時刻に発表が予定されているフィラデルフィア連銀景況指数(ISM製造業景気指数の先行指標として注目されている)の結果にも注目したい。
11/18の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
---|---|---|---|---|
22:30 | 米国 |
新規失業保険申請件数(11/13までの週)
新規失業保険申請件数は、労働省が失業保険を申請した人(失業者)の数を毎週発表する経済指標。毎週(木曜日)発表されるため、雇用情勢の速報性に優れており、雇用統計の先行指標として注目されている。ただ、米国の祝祭日や天候などの影響を受けやすいという点もある。
|
26.0万件 | 26.7万件 |
前回は市場予想ほど減少しなかったものの、6週連続の減少となり、緩やかながら雇用の改善が続いていることが示された。今回も小幅減少が予想されており、労働市場の改善が続いていることが示されると見られています。 | ||||
22:20 | 南アフリカ |
政策金利 |
3.75% | 3.50% |
前回は金利据え置きが決定されたが、最近の物価上昇などもあり、利上げを予想する向きもある。ただ、依然として利上げは時期尚早と見る向きもあり、マーケットの予想では利上げ予想と据え置き予想が拮抗している。前日に発表された10月の南アの消費者物価指数は予想通り5.0%となり、コロナ感染拡大前の2019年の平均の4.1%を依然として上回っている。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート
豪ドル/円は、目先の下値のポイントであった82.997を下抜けており、ここから一段の下落となるのか、底固い動きとなるいのか注目されている。特に一目均衡表では、転換線・基準線がクロスしており、遅行スパンが価格帯を下抜けていることから、これに価格の雲下抜けが加わりと三役逆転の弱気シグナルとなることから、ここからの動きが注目される。
目先の下値のポイントは、一目均衡表の雲下限ラインであり、本日雲下限は82.034に位置しているが、ここから連日上昇(19日82.309、22日82.362)となり、23日には82.718まで上昇することから下抜けには注目したい。一方、上値のポイントは82.997、直近高値の84.157、基準線の84.533となる。
気まぐれ投資コラム
トルコ中銀は政策金利(1週間レポレート)を引き下げるのか?
本日、トルコ中銀の金融政策発表が予定されており、マーケットではトルコ中銀が政策金利を現行の16.00%から15.00%に引き下げると予想されている。
3日に発表された10月のトルコの消費者物価指数(前年比)が5ヵ月連続の上昇(19.89%)となったことや、トルコ・リラが最安値を更新する動きとなっているにもかかわらず、エルドアン大統領の圧力を背景に金融緩和がさらに進められると見られている。
現在の状況下で利下げが決定されれば、トルコ・リラが下振れとなる可能性も指摘されており、結果とそれを受けたマーケットの反応が注目されている。エコノミスト予想では、利下げ予想が100%となっており、1.00%の利下げ予想が80%、0.50%の利下げ予想が20%となっています。
※出所:データを基にSBILMが作成