前営業日トピックス
東京市場では、前日の海外市場の流れを引き継ぎ、米国の早期利上げ期待への根強さとともにドルは序盤から主要通貨に対して堅調な動きとなり、対円では一時114.30まで上昇し、11/1以来の高値となった。さらに、日経平均株価が序盤から上昇し、一時前日比380円超上昇したことから、クロス円も底固い動きとなった。しかし、欧州時間に入り円買いが優勢となり、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。
米国市場では、序盤に発表された11月の米ミシガン大学消費者信頼感指数が市場予想を下回り、10年ぶりの低水準となったことを受けて、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。さらに、指標結果を受けて米長期金利が低下したことも加わり、ドル/円は発表直前の114.01から113.76まで下落した。下げ一服後は、値頃感の買い戻しの動きなどもありドル/円は反発したものの、114円台には届かなかった。
米株式市場では、序盤に発表された11月の米ミシガン大学消費者信頼感指数が10年ぶりの低水準となったことが嫌気され、主要株価指数は上値の重い動きとなった。しかし、米長期金利の上昇が一服したことから、下値は限定的だった。ダウ平均株価は、一時前日比226ドル高まで上昇したものの、引けにかけて上げ幅を縮小して179.08ドル高(+0.50%)で終了し、4営業日ぶりの反発。一方、ハイテク株中心のナスダックは、156.68ポイント高で終了して続伸となった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)日経平均株価が序盤から堅調な動きとなり、前日比383円高まで上昇したことから、投資家のリスク選好の動きが優勢となり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ドルは欧州通貨や資源国通貨に対して堅調な動きとなったこともあり、対円でも一時114.30まで上昇し11/1以来の高値を付けた。
(2)その後、日経平均株価が高値圏で横ばいが続いたこともあり、ドル円・クロス円も高値圏で横ばいの展開が続いた。ただ、ドイツなどで新型コロナウイルスの感染者数が増加傾向にあることが懸念されており、ユーロは対ドルで軟調な動きが続いた。
(3)米国市場では、序盤に発表された11月の米ミシガン大学消費者信頼感指数の速報値が市場予想を下回り、2011年11月以来10年ぶりの低水準となったことを受けて、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。さらに、指標結果を受けて米長期金利の指標となる米10年債利回りが1.539%まで低下したことも加わり、ドル/円は発表直前の114.01から113.76まで下落した。一方、ユーロはドルや円に対して下落となり、一時対ドルで2020年7/21以来、対円では10/11以来の安値をそれぞれ更新した。しかし、米指標悪化を受けて反発となった。
(4)下げ一服後は、値頃感の買い戻しの動きや、米10年債利回りが1.585%まで上昇したことを受けて、ドル/円は反発したものの、114円台には届かなかった。一方、ユーロの上昇は一時的となり、その後は上値の重い動きが続いた。
本日のトピックス
前週末の海外市場の終盤にドル/円は持ち直したものの、114円台へは回復できなかった。東京市場では、朝方114円台を回復したものの、114円台では上値の重い動きとなっており、ここから114円台を維持できるのか、反落となるのか注目されている。
一方、ユーロ先週末まで対円で4営業日続落、対ドルで3営業日続落となっていることから、ここから持ち直すことができるのか、さらに一段の下落となるのか注目したい。また、米国市場では、11月のNY連銀製造業景気指数の発表が予定されているが、市場予想を乖離する結果とならなければ、反応は限定的と見られている。
11/15の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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22:30 | 米国 |
11月ニューヨーク連銀製造業景気指数
NY連銀製造業景気指数は、NY州の製造業の景況感などを指数化した経済指標である。製造業に関連した新規受注・雇用・在庫など、指数化された数値が発表される。数値はゼロが景況の判断の基準となる。
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20.1 | 19.8 |
前回は市場予想を下回る結果となり、9月に過去最高を更新した販売価格が低下したことや、新規受注が大幅低下したことなどが影響した。今回は、小幅上昇が予想されており、依然として高水準が維持(コロナ前の2019年の平均は4.78)されると見られている。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート
ユーロ/円は、一目均衡表の基準線を下抜けたことで軟調な動きが続いており、ここからさらに一段の下落となるのか、下げ止まり底固い動きとなるのか注目されている。
一目均衡表では、基準線の上昇が続いたものの、明日からは横ばいとなる。ただ、前日安値の130.245を下回る場合には、下向きに転換することから、形状には注目したい。さらに、基準線と転換線がクロスしていることや、遅行スパンが明日には価格帯を下抜けることから、これに雲下抜けが加わる場合には三役逆転の弱気シグナルとなることから注目したい。
オシレーターのMACDでは、両線下向き継続中であり、先行するラインがゼロポイントを下抜けており、両線ともにゼロポイントを下抜ける場合には、下げ継続のシグナルとなる。ただ、現時点では乖離幅が縮小していることから、このまま乖離幅が縮小する場合には、ゼロポイントと近辺で上向きに転換となる可能性もあることから、目先の動きをみる上で、こちらの形状にも注目したい。