前営業日トピックス
東京市場では、序盤から日経平均株価が350円超上昇したことや、米10年債利回りが時間外取引で1.60%台を回復したことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなり、ドル/円は一時114.24まで上昇し、11/1以来の高値となった。午後には、日経平均株価が上げ幅を縮小したこともあり、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。その後、欧州時間に入り、米長期金利が低下したこともあり、上値の重い動きとなった。
米国市場では、序盤に発表された米新規失業保険申請件数が昨年3月以来の低水準まで改善したことが好感され、ドルは底固い動きとなり、一時114.03まで上昇した。しかし、米長期金利の低下もあり、その後113.51まで下落した。一方、英中銀が政策金利の据え置きを発表したものの、利上げを期待した向きの失望売りからポンドは主要通貨に対して下落した。一方、ECBの専務理事が、来年の利上げ実施の可能性は低いと発言したことからユーロも下落となった。下げ一服後は、値頃感の買い戻しの動きもあり、ドル円・クロス円は引けにかけて底固い動きとなった。
米株式市場では、前日まで4営業日連続で過去最高値を更新していたことから、ダウ平均株価は利益確定の動きが先行し、序盤から軟調な動きとなった。一時前日比171ドル安まで下落したものの、その後下げ幅を縮小して33ドル安で終了し、6営業日ぶりに反落となった。一方、ハイテク株中心のナスダックは、128.73ポイント高で終了し9営業日続伸となり、6営業日続伸のS&P500とともに6営業日連続で過去最高値を更新した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)休場明けの東京市場では、日経平均株価が序盤から359円高まで上昇したことを受けて、投資家のリスク選好の動きから円が売られる動きとなり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。さらに、米長期金利の指標となる米10年債利回りが1.587%から1.606%まで上昇したことから、ドル/円は114.24まで上昇し、11/1以来の高値を付けた。
(2)午後に入り、日経平均株価が197円高まで上げ幅を縮小したことや、米長期金利の上昇が落ち着いたこともあり、ドル円・クロス円はやや上値の重い動きとなった。欧州時間に入り、米長期金利が低下したこともあり、ドル/円は軟調な動きとなった。
(3)米国市場では、序盤に発表された米新規失業保険申請件数が5週連続の減少となり、昨年3月以来、約1年8ヵ月ぶりの低水準まで改善したことが好感され、ドルは底固い動きとなり、一時114.03まで上昇した。しかし、その後米長期金利の低下もあり、対円で113.51まで下落した。一方、英中銀がMPC(金融政策委員会)で政策金利の据え置きを発表したものの、一部で利上げを期待した向きの失望売りからポンドは主要通貨に対して下落となり、ポンドは対円で10/11以来、対ドルでは10/1以来の安値水準まで下落した。一方、ECBの専務理事が、物価上昇圧力が弱まる可能性が高いため、来年の利上げ実施の可能性は低いと発言したことからユーロも下落となり、対ドル、対円でともに10/13以来の安値となった。
(4)下げ一服後は、値頃感の買い戻しの動きに加え、下落したダウ平均株価が下げ幅を縮小する動きとなったこともあり、ドル円・クロス円は終盤にかけて底固い動きとなった。
本日のトピックス
本日、米国市場では、米雇用統計の発表が予定されていることから、発表までは様子見ムードが強まり、限定的な動きが続く可能性も考えられる。ここまでは、米国のテーパリング開始時期を占う上で雇用統計の結果が注目されていたが、3日のFOMCで11月からテーパリング開始が表明されたことから、やや注目も半減しているとの見方もある。ただ、ここまでパウエルFRB議長は、完全雇用が最優先事項と繰り返し表明していることから、今後のテーパリングのペースや利上げ時期を判断する上で、やはり米国の雇用の改善は重要な位置づけになると思われることから、引き続き雇用統計の結果が注目されるだろう。
11/5の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
10月非農業部門雇用者数
非農業部門に属する事業者の給与支払い帳簿をもとに集計された雇用者数。農業以外の産業で働く雇用者であり、経営者や自営業者は含まれない。
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45.0万人 | 19.4万人 |
前回は2ヵ月連続の伸び幅の低下となり、2020年12月以来の低い伸びとなった。人材確保を進めたい雇用主が多いものの、復帰に時間がかかっていることが明らかとなった。時間給の前年比ベースでは、5ヵ月連続で上昇していることもあり、年末に向けて雇用者数の伸びが拡大するとの見方もある。今回は、前月から伸び幅が拡大すると見られており、ここまで2ヵ月連続で市場予想を下回る結果となっているだけに、予想以上の伸びとなるのか注目されている。 |