前営業日トピックス
東京市場では、前日の海外市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。特に、ECB理事会後の総裁の会見がタカ派的と受けとられてユーロ買いとなった流れを引き継ぎ、ユーロ/円は132.92まで上昇し、10/21以来の高値を更新した。しかし、日経平均株価が一時345円安まで下落したことや、実需のドル売り・円買いが観測されたことから、反落に転じる場面が見られたものの売り一巡後はドル円・クロス円は底堅い値動きとなり、その後、米長期金利が上昇したことも加わり、ドルは堅調な動きとなった。
米国市場では、序盤に発表された米経済指標が市場予想を上回る結果となったことを受けて、ドルは堅調な動きとなった。しかし、米長期金利が低下したこともあり、ドル/円は一時113.75まで下押した。一方、ロンドンフィキシングに向けてユーロ売りが加速したことから、ユーロは主要通貨に対して全面安となり、対ドルでは10/13以来の安値を付けた。その後、ドルは対ユーロで上昇したことや、11/2-3のFOMCを控えたテーパリングの思惑もあり、主要通貨に対して堅調な動きが続き、対円では114.10まで上昇し、114円台を維持して終了した。
米株式市場では、米企業の決算で市場予想を上回る好業績が相次いだことで、景気の先行きに対する楽観的な見方が広がり、主要株価指数は底固い動きとなった。ダウ平均株価は、序盤は一時97ドル安まで下落したものの、その後は堅調な動きが続き、89.08ドル高(+0.25%)で終了した。一方、ナスダックは連日最高値を更新したことで利益確定の売りが先行したものの、その後は下げ幅を縮小する動きとなり、50.27ポイント高(+0.33%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、前日の海外市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。ドル/円は113.71まで上昇したものの、前日高値の113.87には届かなかった。一方、昨日のECB理事会を受けてユーロ買いとなった流れを引き継ぎ、ユーロは序盤から堅調な動きとなり、ユーロ/円は前日高値の132.70を上抜けて132.92まで上昇し、10/21以来の高値を更新した。
(2)序盤に上昇した日経平均株価が、一時前日比345円安まで下落したことから、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。さらに、月末に絡む実需のドル売りが観測されたこともドルの圧迫要因となり、ドル/円は113.39まで下落した。しかし、下げ一服後に日経平均株価は下げ幅を縮小する動きとなり、午後には180円高まで上昇したことや、米長期金利の指標となる米10年債利回りが時間外取引で1.557%から1.60%まで上昇したことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
(3)米国市場では、シカゴ購買部協会指数、ミシガン大学消費者信頼感指数が市場予想を上回る結果となったことを受けて、ドルは堅調な動きとなった。しかし、米長期金利の指標となる米10年債利回りが低下したこともあり、ドル/円は一時113.75まで下押ししたものの、下値は限定的だった。
(4)ユーロは前日のECB理事会後の上昇が一服したことや、ロンドンフィキシングに向けたユーロ売りが加速したことから、ユーロは対ドルで10/13以来の安値を付けるなど、主要通貨に対して下落した。一方、ドルは対ユーロで上昇したことや、来週のFOMCを控えたテーパリングの思惑もあり、主要に対して堅調な動きが続き、対円では114.10まで上昇し、114円台を維持して終了した。
本日のトピックス
先週末にドル/円は114.10まで上昇し、3日ぶりに114円台を回復して終了した。週明けの東京市場では、序盤に114.25まで上昇しており、明日から始まるFOMCを控えて、テーパリングが表明されるとの見方が強いことから、ドルは底固い動きが続く可能性も考えられる。ただ、発表前のポジション調整の動きを指摘する見方もあることから、114円台を維持できるかなど、目先の動きに注目したい。
本日の米国市場では、10月の米ISM製造業景況指数の発表が予定されており、前月からの低下が予想されているがテーパリングが表明されるとの見方が根強いことから、市場予想の範囲内の結果なら、反応は限定的となるだろう。
11/1の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
---|---|---|---|---|
23:00 | 米国 |
10月ISM製造業景況指数
ISM製造業景気指数は、全米供給管理協会(Institute for Supply Management=ISM)が発表する米国の製造業の景況感指数であり、製造業の購買・供給管理責任者に対するアンケートを集計した指数。50が景気の拡大・後退の判断基準であり、50を上回れば景気拡大、下回れば景気後退と判断する。
|
60.3 | 61.1 |
前回は市場予想を上回り、2ヵ月連続の上昇となり、5月以来の高水準となった。堅調な在庫の増加が押し上げ要因となった。今回は、前月から低下が予想されており、依然としてサプライチェーンの混乱による影響が指摘されており、解消まではやや時間を要するとの見方もある。 |