前営業日トピックス
東京市場では、前日の海外市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。日経平均株価が上昇して始まったことや、米長期金利の上昇も押し上げに寄与し、さらに実需のドル買いが観測されたことも加わり、ドル/円は114.67まで上昇した。その後、株価が上げ幅を縮小したことや、5月以来の高水準となった米長期金利が低下したことから、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
米国市場では、欧州時間の流れを引き継ぎ、序盤からドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。新規材料に乏しい中、米長期金利の低下が続いたことも影響し、ドル/円は一時114.08まで下落した。しかし、114.00円台では値頃感の買い戻しも入り、底固い動きとなった。さらに、米20年債入札後に米長期金利が上昇したことを受けて、ドル/円は終盤にかけて114.30台まで回復した。一方、ユーロやポンドなどが対ドルで上昇したことや、ダウ平均株価が序盤から堅調な動きとなったことから、クロス円も堅調な動きが続いた。
米株式市場では、米主要企業の好決算発表が相次いだことで、米景気の先行きに対する楽観的な見方が広がり、主要株価指数は序盤から堅調な動きとなった。ダウ平均株価は、一時前日比212ドル高まで上昇したが、終盤にかけてやや上げ幅を縮小し、152.03ドル高で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、序盤から堅調な動きとなったものの、ここまで5営業日続伸となったことで、利益確定の動きが優勢となり、終盤にマイナス圏まで落ち込み、7.41ポイント安(-0.05%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前日の海外市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から底固い動きとなった。日経平均株価が序盤から堅調な動きとなり、一時前日比273円高まで上昇したことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。さらに、時間外取引の米10年債利回りが1.670%まで上昇し、5月以来の高水準となったことや、五・十日に当たり、実需のドル買いが観測されたことも加わり、ドル/円は一時114.70まで上昇し、2017年11月以来の高水準となった。
(2)その後、午後には米10年債利回りが低下したことや、日経平均株価が6円高まで上げ幅を縮小したことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。ただ、対ドルでユーロやポンドが上昇したことから、クロス円は堅調な動きとなった。
(3)米国市場では、米国の主要な経済指標の発表がなく、新規材料に乏しい中、アジア時間に5/19以来の高水準となった米10年債利回りが、その後米国時間にかけて低下が続いたことを受けて、ドル/円もアジア時間から上値の重い動きが続いた。ドル/円は、一時114.08まで下落した。
(4)114.00円台では値頃感の買い戻しも入り、底固い動きとなった。さらに、米20年債入札後に米長期金利が上昇したことを受けて、ドル/円は終盤にかけて底固い動きとなった。一方、ユーロやポンドはアジア時間から対ドルで下落が続いたことから、対円でも軟調な動きが続いたが、米国時間に入り、ドルに対して反発したことや、ダウ平均株価が序盤から上昇したこともあり、クロス円は堅調な動きが続いた。
本日のトピックス
ドル/円は、前日の東京市場で10/15に付けた直近高値の114.46を上抜けて、114.70まで上昇して2017年11/6以来の高値となった。その後は上値の重い動きとなり、米国時間では一時114.08まで下落した。しかし、値頃感の買い戻しなどから底固い動きとなり、東京時間の序盤には114.42まで値を戻した。
マーケットでは、ここまで5円幅の上昇となったこともあり、来月のFOMCを控えて利益確定の動きを予想する向きもあり、思惑が交錯して上下に振れ幅の大きな動きとなっている。当面は、上値が前日高値の114.70、下値が19日安値の113.88がポイントと見られており、いずれも一時的な高安となっている。チャート上のローソク足の足型で見れば、市場参加者の迷いを示すローソク足の足型となっていることから、目先の方向性を占う意味で上下どちら側に抜けるのか注目したい。
本日、欧州時間ではトルコの金融政策発表が予定されている。18日にトルコのエルドアン大統領が、トルコ中銀のタカ派的な当局者3名を突然解任したことで、更なる利下げの思惑が高まっている。発表を受けて、トルコ・リラが大きく動く可能性もあることから、注意したい。
また、米国時間では新規失業保険申請件数など主要な経済指標の発表が予定されていることから、こちらの結果を受けた動きにも注目したい。
10/21の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
新規失業保険申請件数(10/16までの週)
新規失業保険申請件数は、労働省が失業保険を申請した人(失業者)の数を毎週発表する経済指標。毎週(木曜日)発表されるため、雇用情勢の速報性に優れており、雇用統計の先行指標として注目されている。ただ、米国の祝祭日や天候などの影響を受けやすいという点もある。
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29.7万件 | 29.3万件 |
前回は市場予想を下回り、新型コロナウイルス感染拡大前の2020年3月以来の低水準まで減少し、雇用の改善が進んでいることが示された。今回は、前週から小幅増加が予想されているが、大幅に増加するとは考え難く、予想の範囲内なら懸念要因にはならないだろう。 | ||||
21:30 | 米国 |
10月フィラデルフィア連銀景況指数
フィラデルフィア連銀製造業景況指数は、フィラデルフィア連銀の管轄であるニュージャージー、ペンシルバニア、デラウエアの製造業の景況感などを指数化した経済指標で、最も早く公表される製造業の景況指数の一つである。ISM製造業景気指数の先行指標としても注目されている。製造業に関連した新規受注・雇用・在庫など、指数化された数値が発表される。数値はゼロが景況の判断の基準となる。
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25.0 | 30.7 |
前回は市場予想に反して上昇となり、5ヵ月ぶりの上昇で6月以来の高水準となった。新規受注や雇用が低下したものの、出荷や在庫が上昇したことが影響した。今回は、前月からの低下が予想されており、サプライチェーンの混乱に伴う影響も指摘されている。 | ||||
23:00 | 米国 |
9月中古住宅販売件数
中古住宅販売件数は、所有権が移転した中古住宅の販売件数であり、米国の景気動向を見る上で重要視されている経済指標の一つである。所得やローン金利の動向に影響を受けることから、ローン金利動向やローン申請件数と関係も深い。
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609万件 | 588万件 |
前回は市場予想を下回り、3ヵ月ぶりの減少となった。在庫不足や住宅価格の上昇を背景に、価格が落ち着くまで購入を見送るケースが多いと指摘された。ただ、需要は依然として高いことから、価格上昇に落ち着きが見られれば再び購入者が増加するとの見方も示された。今回は、前月から増加が予想されており、価格や在庫不足が解消に向かえば期待感が高まる可能性もあるだろう。 |