前営業日トピックス
東京市場では、時間外取引で米長期金利が低下したこともあり、ドルは上値の重い動きとなった。さらに、利益確定の動きも加わり、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。ドル/円は序盤の114.35から113.88まで下落したものの、米国のテーパリングや早期の利上げ期待も根強いことから下値は限定的となり、再び底固い動きとなった。欧州時間に入り、欧州主要株価指数が底固い動きとなったことや、米長期金利の上昇を受けて、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
米国市場では、欧州市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から底固い動きとなった。しかし米経済指標が冴えない結果となったことから、ドルは主要通貨に対して下落する場面もあった。その後、米長期金利が上昇したことを受けて、ドル/円は終盤に114.39まで上昇した。一方、米主要株価指数が堅調な動きとなったこともあり、クロス円も堅調な動きとなり、ユーロ/円は6/10以来、豪ドル/円は5/10以来の高値を更新した。また、利上げ期待の高まりを背景に、ポンドは主要通貨に対して上昇となり、ポンド/円は2016年6/20以来の高値を更新した。
米株式市場では、米国の主要企業の好決算が相次いでいることを受けて、米景気の先行きに対する楽観的な見方が広がり、主要株価指数は序盤から軟調な動きとなった。ダウ平均株価は序盤から堅調な動きとなり、一時前日比204ドル高まで上昇した。引けにかけて高値圏を維持したまま、198.70ドル高(+0.56%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、107.28ポイント高(+0.71%)で終了し、S&P500とともに5営業日続伸となった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、日経平均株価が序盤に前日比200円超上昇したことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。その後、新規材料に乏しい中で、日経平均株価が50円高まで上げ幅を縮小したことに加え、時間外取引で米長期金利が低下したことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。
(2)その後、ドルが対欧州通貨や資源国通貨に対して軟調な動きが続いたことから、対円でも上値の重い動きとなった。しかし、114.00台近辺では底固い動きが続いた。一方、午後に入り日経平均株価が一時247円高まで上げ幅を拡大したことや、ユーロ、ポンドが対ドルで上昇が続いたこともあり、対円でも堅調な動きが続いた。しかし、欧州時間では欧州勢がドル売り・円買いを先行させたことから、ドル円・クロス円は軟調な動きとなり、ドル/円は一時114円台割れとなり、113.88まで下落した。
(3)下げ一服後、113円台では値頃感の買い戻しも観測され、底固い動きとなった。さらに、新規材料に乏しい中で、米長期金利が上昇したことや、欧州主要株価指数が底固い動きとなり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなり、ドル/円は米国時間に入り、114.33まで上昇した。一方、17日に英中銀総裁が「インフレ抑制で行動する必要がある」との発言が引き続き材料視され、来月の利上げ観測も出ていることを受けて、ポンドは主要通貨に対して上昇となり、ポンド/円158.06まで上昇し、2016年6/20以来の高値を更新した。
(4)9月の米住宅着工件数が市場予想を下回る結果となったことを受けて、ドルは主要通貨に対して下落する場面もあった。その後、米長期金利の指標となる米10年債利回りが一段の上昇となり、序盤の1.586%から1.639%まで上昇し、5月下旬以来の高水準となったことに合わせてドル/円も終盤に114.39まで上昇した。ただ、前日高値の114.45には届かなかった。一方、米主要株価指数が堅調な動きとなったこともあり、クロス円も堅調な動きとなり、ユーロ/円は6/10以来、豪ドル/円は5/10以来の高値を更新した。
本日のトピックス
東京市場では、前日の海外市場の流れを引き継ぎ、ドル/円は序盤から堅調な動きとなり、一時114.70まで上昇し、2017年11月以来の高値を更新した。しかし、その後は上値の重い動きとなっており、ここからの動きが注目される。一方、クロス円は日経平均株価が上昇したこと受けて、底固い動きとなっている。
本日の欧州時間では、英国、ユーロ圏の9月の消費者物価指数の発表が予定されており、特に英中銀総裁がインフレ抑制に関する発言をしていることから結果が注目されており、物価が上昇している場合には、利上げ期待が高まる可能性も考えられる。
一方、米国では主要な経済指標の発表がないことから、米長期金利の動きに左右される可能性も考えられる。また、米企業決算発表が本格化しており、結果を受けた株式市場の動きにも注目したい。