前営業日トピックス
東京市場では、上昇して始まった日経平均株価がマイナス圏まで下落したこともあり、ドル円・クロス円は序盤か上値の重い動きとなった。さらに、中国の経済指標が冴えない結果となったことから一時114円02銭まで下落した。しかし、その後は時間外取引で米長期金利が上昇したことを受けて、ドルは堅調な動きとなり、ドル/円の上昇に連れてクロス円も底固い動きとなった。しかし、高値圏となる114.40台では上値の重い動きが続いた。
米国市場では、序盤に発表された米経済指標が強弱まちまちの結果となったことから、マーケットの反応は限定的だった。しかし、米長期金利が低下したことから、ドルは対円、対ポンドを除く主要通貨で上値の重い動き、ユーロや豪ドルは対ドルで上昇したことから、対円でも堅調な動きとなり、ユーロ/円は一時前週末の高値を上抜けて6/17以来の高値を更新した。また、トルコ・リラは21日のトルコの金融政策発表で利下げ観測が根強く、対ドルで過去最安値を更新した。
米株式市場では、中国の景気減速に対する懸念を背景に、米主要株価指数は序盤から軟調な動きとなった。さらに、最近の原油高を受けたインフレ加速も引き続き懸念要因となったものの、本格化する米企業決算に対する期待感もあり、下値は限定的だった。ダウ平均株価は、序盤に一時前週末比258ドル安まで下落したが、その後に32ドル高まで上昇したものの上値の重い動きが続き、36.15ドル安(-0.10%)で終了。一方、ハイテク株中心のナスダックは、124.47ポイント高(+0.84%)で終了し、S&P500と共に4営業日続伸となった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)週明けの東京市場では、ドル円・クロス円は序盤から底固い動きとなったものの、上昇して始まった日経平均株価が下落に転じ、一時前週末比144円安まで下落したことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。さらに、中国の第3四半期GDPが前期から減速したことも影響し、ドル円・クロス円は軟調な動きとなり、ドル/円は序盤の114.37から114.02まで下落した。
(2)ただ、114.00近辺では押し目買い意欲が強かったことや、米長期金利の指標となる米10年債利回りが時間外取引で1.573%から1.610%まで上昇し、4営業日ぶりに1.60%台を回復したことから、ドル/円は114.45まで上昇したが、前週末に付けた2018年10/4以来の高値となる114.46には届かなかった。ドル/円の上昇に連れてクロス円も堅調な動きとなったが、その後は利益確定の動きなどもあり、再び上値の重い動きとなった。
(3)米国市場では、欧州市場の流れを引き継ぎ、ドルは序盤から主要通貨に対して上値の重い動きとなった。米長期金利の指標となる米10年債利回りが1.62%から1.57%台まで低下したことから、ドルは上値の重い動きとなった。序盤に発表された9月の米鉱工業生産が2ヵ月連続のマイナスとなる一方、10月のNAHB住宅市場指数が3ヵ月ぶりの高水準まで改善したものの、マーケットの反応は限定的となり、レンジ内の動きとなった。一方、ユーロや豪ドルは対ドルで上昇したことから、対円でも堅調な動きとなり、ユーロ/円は一時前週末の高値を上抜けて6/17以来の高値を更新した。また、トルコ・リラは21日のトルコの金融政策発表で利下げが決定されるとの見方が根強く、対円で2020年11/9以来の安値となり、対ドルでは過去最安値を更新した。
本日のトピックス
ドル/円は、昨日前週末に付けた高値の114.46を上抜けず、上値の重い動きとなっている。チャートの形状では、ここまでの流れが反転・加速する可能性が高まる日柄であることから、一旦の調整となる可能性も考えられる。特に、前日に114.00近辺で底固い動きとなったことから、114円台割れとなる場合には、一段の下げとなる可能性も考えられる。ただ、米国のテーパリング開始、早期の利上げ期待が依然として根強いことから、現状では調整があったとしても一時的との見方が大勢となっている。
本日は、9月の米住宅着工件数の発表が予定されているが、マーケットの注目が来月のテーパリング開始、に向いていることから、市場予想と乖離する結果とならなければ、反応は限定的と見られている。ただ、良好な結果なら、早期のテーパリング終了への思惑が交錯する可能性があることから、結果に注目したい。
10/19の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
---|---|---|---|---|
21:30 | 米国 |
9月住宅着工件数
住宅着工件数は、建設が着工された民間住宅の着工件数を集計した経済指標で、家電製品などの個人消費との相関性も高いことから、景気動向を見る上で重要な指標である。また、天候の影響を受けやすいという面もある。
|
161.3万件 | 161.5万件 |
前回は市場予想を上回る結果となり、2ヵ月ぶりの増加となった。資材不足が和らいだことが影響した。今回は、前月から小幅減少が予想されているが、着工件数の先行指標となる許可件数が先月まで2ヵ月連続で増加したことから、一部では着工件数は増加しているとの見方もある。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート
ドル/円は、前週末の高値114.46を超えられずにやや上値の重い動きとなっており、ここから一旦調整となるいのか、再び高値を上抜けて一段の上昇となるのか注目されている。
目先の方向性を見極めるのに有効なオシレーターのMACDでは、両線上向き継続中だが、両線の乖離幅が縮小しており、先行するラインがやや失速している。ここから乖離幅がさらに縮小し、下向きに転換して目先の軟調な展開を示唆する形状に向かうのか注目したい。また、一目均衡表においては、ここまでの流れが反転または加速する可能性が高まる日柄であることから、一旦調整の流れとなるのか注目される。
ただ、ファンダメンタルズからも調整があった場合でも現状では一時的と考えられるが、109.122からのトレンドラインを下抜ける動きとなる場合、さらに来週中盤以降に上昇が続く基準線を下抜ける場合には、大幅な調整となる可能性もあることから、目先の動きには注目したい。
一方、上値のポイントは直近高値の114.46となり、ここを上抜ければ、再び一段の上昇も考えられる。