前営業日トピックス
東京市場では、海外市場の堅調な動きが一服し、ドルはやや上値の重い動きとなった。その後、日経平均株価が前日比230円超下落したことも加わり、ドル円・クロス円は上値の重い動きが続いた。さらに、五・十日で月末・期末が重なるため、実需のドル売りも観測され、ドル/円は111.79まで下落した。しかし、午後に入り、日経平均株価が下げ幅を縮小し、一時プラス圏まで回復したことや、米長期金利が上昇したことから、ドル円・クロス円は底固い動きとなり、ドル/円は再び112円台を再び回復した。欧州時間に入り、112.00を挟んだ動きが続き、一時112.08まで上昇し、2020年2/21以来の高値を更新した。
米国市場では、欧州時間に一時112.08まで上昇した後に上値の重い動きとなった流れを引き継ぎ、ドル/円は序盤から上値の重い動きとなった。さらに、序盤に発表された米新規失業保険申請件数が3週連続で増加したことや、米長期金利の指標となる米10年債利回りが1.553%から1.482%まで低下したことも加わり、ドル/円は終盤に111.26まで下落した。一方、ドル/円の下落に加え、欧米の主要株価指数が下落したことから、クロス円も軟調な動きが続いた。
米株式市場では、変異株の感染拡大を背景にサプライチェーンの混乱への懸念が強まったことから、主要株価指数は上値の重い動きとなった。さらに、米新規失業保険申請件数が3週連続の増加となったことや、米長期金利の上昇への警戒感も投資家の心理を圧迫させた。ダウ平均株価は序盤に一時前日比166ドル高まで上昇したものの、その後は下落に転じて546.80ドル安(-1.59%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは63.86ポイント安(-0.44%)で終了し、5営業日続落となった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前日の海外時間でドル/円が2020年2/21以来の112円台を回復したものの、その後は上値の重い動きとなった流れを引き継ぎ、ドル/円は序盤からやや軟調な動きとなった。さらに、上昇して始まった日経平均株価が前日比232円安まで下落したことも加わり、ドル円・クロス円は上値の重い動きが続き、ドル/円は一時111.79まで下落した。
(2)下げ一服後、時間外取引で米10年債利回りが1.502%から1.532%まで上昇したことから、ドル/円も再び上昇となり、一時112.06まで上昇して前日の海外時間に付けた112.05を上抜けた。ただ、その後は再び上値の重い動きとなったものの、欧州時間に入り米10年債利回りが1.553%まで上昇したことを受けて、ドル/円は112.08まで上昇して2020年2/21以来の高値を更新した。
(3)米国市場では、2020年2/21以来の高値を更新た後に上値の重い動きとなった流れを引き継ぎ、序盤からドル/円は上値の重い動きとなった。さらに、序盤に発表された米新規失業保険申請件数が3週連続で増加したことや、月末・四半期末のロンドン・フィキシングに向けた円買い・ドル売り、ユーロ売り・円買いが観測されたこともあり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
(4)米暫定予算案が議会通過し、政府閉鎖が回避されることを受けて、ドルは値を戻す場面もあったが、米10年債利回りが下げ幅を拡大し、序盤の1.553%から1.482%まで低下したことからドル/円は終盤にかけて一段の下落となり、一時111.26まで下落した。一方、ドル/円の下落に加え、米主要株価指数が終盤に下げ幅を拡大したことも影響し、クロス円も軟調な動きが続いた。
本日のトピックス
ドル/円は、昨日まで7営業日連続で前日の高値を上回る動きとなり、欧州時間には一時112.08まで上昇して2020年2/21以来の高値を更新した。しかし、上昇一服後は、冴えない米経済指標や米長期金利の低下もあり、111.26まで下落した。ただ、111円台前半では値頃感の買い戻しの動きも予想されていることから、底固い展開が考えられる。目先は、調整があったとしても大きな流れは変わらないと見られている。
欧州時間では、欧州やユーロ圏の9月の製造業PMIの発表が予定されている。ただ、確報値の発表であることから、速報値からの修正がなければ反応は限定的と見られている。その中で、ユーロやポンドなどの欧州通貨はドルや円に対して下落が続いていることから、一段の下げとなるのか、下げ止まりが見られるのか注目したい。
米国市場では、9月の米ISM製造業景況指数、9月のミシガン大学消費者信頼感指数の発表が予定されており、前者は小幅低下、後者は変わらず予想となっており、予想通りの結果なら、反応は限定的と予想されている。
10/1の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:00 | 米国 |
9月ISM製造業景況指数
ISM製造業景気指数は、全米供給管理協会(Institute for Supply Management=ISM)が発表する米国の製造業の景況感指数であり、製造業の購買・供給管理責任者に対するアンケートを集計した指数。50が景気の拡大・後退の判断基準であり、50を上回れば景気拡大、下回れば景気後退と判断する。
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59.5 | 59.9 |
前回は市場予想を上回り、3ヵ月ぶりの上昇となった。上昇は小幅に留まっていたものの、新規受注と生産が上昇しており、堅調さが示された。今回は、小幅低下が予想されているが、依然として高水準が維持されると見られている。ただ、前回雇用が低下したことから、改善が見られるのか注目されている。 | ||||
23:00 | 米国 |
9月ミシガン大学消費者信頼感指数
ミシガン大消費者信頼感指数は、ミシガン大学が消費者にアンケート調査を行い、現況指数(現在)、期待指数(将来)など消費者マインドを指数化した経済指標である。速報は300人、確報は500人を対象に調査を実施し、1964年の指数を100として算出する。コンファレンス・ボード(CB)が発表する消費者信頼感指数と共に消費者マインドを見る上で重要な経済指標である。
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71.0 | 71.0 |
前回の速報値は小幅上昇となり、10年ぶりの低水準に留まった。住宅や耐久財などの価格上昇が消費者のマインドを低下させており、現況指数は2020年4月以来の低水準となった。今回の確報値は、速報値から変わらず予想となっており、消費者マインドの改善は時間がかかる可能性も。 |