前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が序盤から堅調な動きとなったことや、米長期金利が上昇したことを受けて、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。ドル/円は一時109.99まで上昇したものの、値頃感の売りに押されて110円台乗せとはならずに上値の重い動きとなった。
米国市場では、序盤に発表された8月の米生産者物価指数が2010年11月以降での最大を更新したことで米長期金利が上昇し、ドルは主要通貨に対して上昇した。対円では109.78から109.95まで上昇したものの、アジア時間に付けた109.99には届かず、その後はやや上値の重い動きとなった。一方、ユーロやポンドなどは、対ドルで下落したことや、米主要株価指数が下落に転じて下げ幅を拡大したことを受けて、対円でも軟調な動きが続いた。
米株式市場では、バイデン米大統領が企業の従業員などに対してワクチンの接種を義務付ける方針を打ち出したことを受けて、感染拡大が抑制されるとの期待感から主要株価指数は序盤から堅調な動きとなった。ただ、米物価関連の経済指標が高水準となったことでインフレ加速を懸念した売りに押されてマイナス圏まで下落した。ダウ平均株価は序盤に一時前日比224ドル高まで上昇したものの、その後は売りが優勢となり、271.66ドル安(-0.78%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、132.76ポイント安(-0.87%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、日本の主要な経済指標の発表がなく新規材料に乏しい中、日経平均株価が上昇したことから、ドル円・クロス円も堅調な動きとなった。さらに、米長期金利の指標となる米10年債利回りが、時間外取引で1.298%から1.329%まで上昇したことを受けて、ドル/円は序盤の109.66から109.99まで上昇した。
(2)110.00円台を前にドル/円は上値の重い動きとなり、110円台乗せとはならずに失速した。また、上昇していた米10年債利回りが一服となったことも影響し、米国時間に入っても上値の重い動きは変わらず、ドル/円は109.78まで下落した。一方、クロス円もドル円の動きに連れて上値の重い動きとなった。
(3)8月の米生産者物価指数が前年比ベースで市場予想を上回り、2010年11月以降での最大を更新したことを背景に、米10年債利回りが1.310%から1.353%まで上昇したことを受けて、ドルは主要通貨に対して上昇した。対円では109.78から109.95まで上昇したものの、アジア時間に付けた109.99には届かず、その後はやや上値の重い動きとなった。一方、ユーロやポンドなどは、対ドルで下落したことや、上昇して始まった米主要株価指数が軒並み下落に転じて下げ幅を拡大したことから、対円でも軟調な動きとなった。
本日のトピックス
週明けの海外市場では、欧米の主要な経済指標の発表がなく、やや限定的な動きが予想されている。その中で、下落が続いている米株式市場で持ち直しが見られるのか注目されている。また、先週末に持ち直した米長期金利の指標となる米10年債利回りの上昇が続くのかにも注目したい。
ドル/円は、8月下旬から109.60台から110.40台でのレンジ内の動きが続いている。特に、先週後半は110.00台近辺で上値の重い動きとなっており、ここには一目均衡表の転換線110.018、基準線109.956があり、これを上抜けることができるのか注目されている。上抜ければ、再び110.40台までの上昇も考えられる。