前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が序盤から堅調な動きとなったことや、五・十日で仲値公示にかけ実需のドル買いが観測されたことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。しかし、上昇一服後は、上昇していた日経平均株価が下落に転じたことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。欧州時間に入り、欧州主要株価指数が上昇したことや、下落していた米株価先物が持ち直したこともあり、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。
米国市場では、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。序盤に発表された米経済指標が市場予想を上回り、さらに、米長期金利が上昇したことも加わり、ドル/円は110.13まで上昇した。一方、ドルが円を除く対主要通貨で全面安となり、対円でも堅調な動きとなり、ユーロは対円で8/13以来の高値となった。その後は、パウエルFRB議長の講演を控えて様子見ムードから小動きの展開が続き、ドル/円は終値ベースで8/12以来の110円台を回復して終了した。
米株式市場では、ワクチンの接種進展による米景気回復の加速期待を背景に、NYダウは前日まで3日続伸した反動から利益確定売りに押され序盤から下落。しかし、ナスダックやS&Pが連日で史上最高値を更新したことから反発に転じ一時134ドル高まで上昇した。終盤には上げ幅を縮小する動きとなり、39.24ドル高(+0.11%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、22.06ポイント高(+0.15%)で終了し、3日連続で取引時間中、終値ベースの最高値を更新した。なお、S&P500は2日連続で終値ベースの最高値を更新した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、前日の海外市場の流れを受けて、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。さらに、日経平均株価が序盤から堅調な動きとなり、一時前日比165円高まで上昇したことも下支え要因と他、五・十日で実需のドル買いが観測されたことから、ドル/円は仲値公示にかけて一時109.87まで上昇した。
(2)日経平均株価が下落に転じ、午後には前日比マイナス圏まで下落したことや、米長期金利が低下したことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。ただ、27日のジャクソンホールシンポジウムの講演で、FRB議長がテーパリングの開始時期に関する表明に注目が集まっており、様子見ムードとなった。
(3)欧州市場では欧州主要株価指数が堅調な動きとなったことからドル円・クロス円は底固い動きとなった。米国市場では、序盤に発表された米耐久財受注が予想ほど悪化しなかったことや、コア指数が市場予想を上回ったことに伴い米長期金利が上昇したことがドルの下支え要因となり、ドル/円は110.10まで上昇した。
(4)上昇一服後はやや上値の重い動きとなったが、米5年債入札が冴えない結果となり、米国債が売られたことから、米長期金利の指標となる米10年債利回りが序盤の1.288%から1.349%まで上昇する動きとなったことから、ドル円は110.13まで上昇した。一方、欧州通貨や資源国通貨は対ドルで堅調な動きが続いたことから対円でも上昇となり、ユーロ/円で8/13以来の高値まで回復した。その後は、ジャクソンホールシンポジウムでのパウエルFRB議長の講演を控えて様子見ムードも強く、小動きの展開が続いた。ドル/円は、終盤まで底固い動きが続き、終値ベースで8/12以来の110円台を回復して終了した。
本日のトピックス
注目のジャクソンホールシンポジウムでのパウエルFRB議長の講演に対する注目は変わらず、米国の量的緩和策縮小時期に関する発言が注目されていることから、講演を控えて様子見ムードが強まる可能性も考えられる。
その中で、米国市場では第2四半期の米GDP(前期比年率・改定)の発表が予定されており、速報値から上方修正が予想されており、比較的高い伸びが予想されている。一方、新規失業保険申請件数(8/21までの週)は、前週から増加が予想されているものの、引き続き減少が続くとの見方もあり、5週連続の減少となり、雇用改善が示されるのか注目されている。
8/26の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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米国 | 21:30 |
第2四半期GDP(前期比年率・改定)
GDPは、一定期間内に米国内で生み出された財とサービスの付加価値の額を合計したもので、国内の経済規模を測るための指標の一つ。GDPの伸び率は、経済成長率を表す指標として重要視されている。そして、個人消費はGDPのおよそ7割を占めることから、構成指数の中では特に重要視されている。
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6.7% | 6.5% |
前回の速報値は、市場予想を下回る結果となった。GDPの約7割を占める個人消費が市場予想を上回ったものの、サプライチェーンの混乱が全体に影響したと見られている。今回の改定値では、速報値からの上方修正が予想されており、好調な個人消費が影響している可能性も考えられる。ただ、一方で貯蓄率が前期から大きく減少している。 | ||||
米国 | 21:30 |
新規失業保険申請件数(8/21までの週)
新規失業保険申請件数は、労働省が失業保険を申請した人(失業者)の数を毎週発表する経済指標。毎週(木曜日)発表されるため、雇用情勢の速報性に優れており、雇用統計の先行指標として注目されている。ただ、米国の祝祭日や天候などの影響を受けやすいという点もある。
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35.0万件 | 34.8万件 |
前回は市場予想を下回り、4週連続の減少で2020年3/13までの週以来の低水準となった。一方、失業保険継続受給者数も感染拡大後の最低を更新し、景気回復に伴う労働市場の改善が続いていることが示された。今回は、前週からの増加が予想されているが、コロナ感染拡大後の最低を再び更新するのかどうか注目されている。 |