前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が序盤から堅調な動きとなり、一前週末比520円超上昇したほか、アジア株全般が上昇するなどリスク選好の動きからドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ドル/円は一時109.99まで上昇した。ただ、110円台を目前に上値の重い動きとなった。欧州時間では、アジア株の上昇を受けて、欧州主要株価指数が序盤から上昇したことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなり、さらに米長期金利の上昇も加わり、ドル/円は一時110.15まで上昇した。
米国市場では、上昇していた米長期金利が低下したことを受けて、ドルは序盤から主要通貨に対して全面安動きとなった。なお、米経済指標は強弱まちまちの結果となったことから、結果を受けた反応は限定的だった。一方、欧州通貨や資源国通貨が対ドルで上昇したことや欧米主要株価指数の上昇を背景に、ドル/円の下落に対しユーロやポンドなどのクロス円は堅調な動きとなった。その後、ドルは、終盤にかけて欧州通貨や資源国通貨に対して下げ幅を拡大したことから、対円でも軟調な動きとなり、終盤に109.65まで下落した。
米株式市場では、米ファイザー製の新型コロナウイルスワクチンが米国で正式承認されたことから、ワクチン接種が進んで米景気回復が加速するとの期待も膨らみ、主要株価指数は序盤から堅調な動きとなった。ダウ平均株価は序盤から堅調な動きが続き、一時前週末比308ドル高まで上昇した。終盤にやや上げ幅を縮小したものの、215.63ドル高(+0.61%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、227.99ポイント高(1.55%)で終了し、取引時間中、終値ベースの最高値を更新した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、序盤から日経平均株価が上昇して始まり、380円超上昇したことから、投資家のリスク回避の動きが和らぎ、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。さらに、実需のドル買いも観測され、仲値公示にかけてドル/円は109.93まで上昇した。
(2)仲値公示通過後ドルは失速となり、ドル/円109.81まで下げたものの、時間外取引の米長期金利の上昇が続いたことから、ドルは再び上昇に転じ、一時109.99まで上昇した。一方、日経平均株価が上げ幅を拡大し、一時528円高まで上昇したことから、クロス円も堅調な動きとなった。
(3)海外市場に入り、27日にジャクソンホール会議を控えていることもあり、全般的に小動きの展開となる中、アジア市場の流れを受けて欧州主要株価指数が堅調な動きとなったことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。さらに、米長期金利の上昇を受けて、ドルは対円で110.15まで上昇する動きとなった。
(4)米国市場では、欧州市場の堅調な流れが一服し、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。上昇していた米長期金利の指標となる米10年債利回りが低下したことからドルは下落となり、対円では109.72まで下落した。その中で、7月の米中古住宅販売件数が市場予想を上回り、2ヵ月連続の増加となったものの、8月の米製造業PMIが市場予想を下回り、4月以来の低水準となるなど、強弱まちまちの結果となったこともあり、反応は限定的だった。一方、ドル/円の下落に連れて、ユーロ/円やポンド/円などのクロス円も軟調な動きとなった。
(5)米主要株価指数が軒並み上昇となり、ナスダック、S&P500が取引時間中の最高値を更新する動きとなったこともあり、クロス円は堅調な動きが続いた。一方、ドルは終盤にかけて欧州通貨や資源国通貨に対して下げ幅を拡大したことから、対円でも109.65まで下落した。
本日のトピックス
米長期金利の動きにドルが左右される展開が続いており、昨日も欧州時間序盤までは金利上昇に合わせてドルは堅調な動きとなったものの、米国時間では金利が低下したことから、ドルも軟調な動きとなった。27日に米国でジャクソンホール会議を控えていることもあり、ドルはやや様子見の展開も予想されているが、金融政策への思惑が交錯する場合や、米長期金利の動き次第でドルは動きが出る可能性も考えられる。
本日の米国市場では、7月の米新築住宅販売件数の発表が予定されており、 ここまで住宅市場の後退が続いていたが、市場予想では若干の改善が予想されており、回復の足がかりが見られるのか注目されている。
8/24の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:00 | 米国 |
7月新築住宅販売件数
新築住宅販売件数は、米国内で販売された新築住宅件数(売買契約締結時点)を集計した経済指標であり、地域別の販売件数や販売価格、一戸建やコンドミニアム、集合住宅を含めた数字も発表されている。そして、景気動向の先行を見る上で注目されている指標の一つである。
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69.9万件 | 67.6万件 |
前回は市場予想を下回り、3ヵ月連続の減少となり、昨年4月以来の低水準となった。住宅価格の上昇と在庫不足が影響していることが示された。今回は前月からの上昇が予想されており、材木価格が下降していることや、サプライチェーンの圧力が和らぐとの見方もあることから、徐々に増加傾向になるとの期待感もある。 | ||||
23:00 | 米国 |
8月リッチモンド連銀製造業指数
リッチモンド連銀製造業指数は、米国の12連邦準備銀行の1つであるリッチモンド地区連銀が発表している製造業指数。1993年から算出が開始されており、NY連銀、フィラデルフィア連銀が発表する指数と合わせて製造業の景況を確認できる。管轄はウェストバージニア州、サウスカロライナ州、ノースカロライナ州、バージニア州、メリーランド州、ワシントンDCなど。管轄地域は米国内生産の9.1%を占める。
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25 | 27 |
前回は市場予想を上回り、5ヵ月連続の上昇で2004年4月以来の高水準となった。製造業の堅調さが続いていることが示された。今回は前月から低下が予想されているが、小幅低下に留まると見られており、引き続き堅調さが維持されると見られている。 |