前営業日トピックス
東京市場では、序盤からドル円・クロス円は軟調な動きとなり、ドル/円は一時109.73まで下落した。その後、序盤に一時430円超下落した日経平均株価が165ドル安まで下げ幅を縮小したこと下落して始まった日経平均株価が下げ幅を縮小する動きとなったことや、時間外取引で米長期金利が上昇したことも加わり、ドル/円は一時110.07まで上昇したほか、クロス円も底固い動きとなった。しかし、上昇一服後は上値の重い動きとなり、ドル円・クロス円は狭いレンジ内の動きが続いた。欧州時間では、欧州主要株価指数が上昇して始まったことや、米長期金利の上昇を受けて、ドル円・クロス円は一段の上昇となった。
米国市場は、序盤に発表された米6月の小売売上高が市場予想に反して増加したことが好感され、ドルは主要通貨に対して上昇した。ドル/円は、一時110.34まで上昇したものの、その後に発表された7月ミシガン大学消費者信頼感指数が昨年2月以来の低水準となったことから、米長期金利が低下したことから、ドル/円は終盤に110.03まで下落する動きとなった。一方、新型コロナウイルスの変異株の感染拡大などを背景にリスク回避の動きが強まっていることも影響し、クロス円も軟調な動きとなった。
米株式市場では、6月の米小売売上高が市場予想に反して増加したことで米景気回復に伴うインフレ懸念が広がり、主要株価指数は軟調な動きとなった。さらに、変異株の感染拡大を受けて、カリフォルニア州で再び行動制限が課されたことを受けて、景気先行き不透明感が高まったことも影響した。ダウ平均株価は上昇して始まり、一時前日比102ドル高まで上昇したものの、その後は下落に転じて339ドル安まで下落し、299.17ドル安(-0.86%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前日の海外市場終盤の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から軟調な動きとなった。さらに、日経平均株価が序盤から前日比300円超の下落となり、一時431円安まで下落したこともリスク回避の動きに拍車をかけた。ドル/円は、一時109.73まで下落したものの、値頃感の買い戻しに加え、米長期金利が上昇したことから、ドル/円は110.07まで上昇した。一方、欧州通貨や資源国通貨は、ドル/円の上昇に加え、日経平均株価が165円安まで下げ幅を縮小したことを受けて、対円でも堅調な動きとなった。
(2)上昇一服後、ドル円・クロス円は上値が重い動きとなったものの、底固い動きとなり、全般的に狭いレンジ内の動きとなったその後、欧州主要株価指数が上昇して始まったことや、米株価先物が上昇したこと、さらに米長期金利が自上昇したことも加わり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
(3)米国市場では、序盤に発表された米6月の小売売上高が市場予想に反して増加し、変動が大きい自動車・同部品を除いた売上高も予想以上の増加となったことが好感され、ドルは主要通貨に対して上昇した。ドル/円は、米長期金利の上昇も加わり、一時110.34まで上昇した。
(4)その後に発表された7月ミシガン大学消費者信頼感指数が、市場予想に対して低下となり、昨年2月以来の低水準となったことにから、米長期金利の指標となる米10年債利回りが、1.333%から1.290%まで低下したことから、ドル/円は終盤に110.03まで下落する動きとなった。一方、新型コロナウイルスの変異株の感染拡大などもあり、リスク回避の動きが強まっていることも影響し、クロス円も軟調な動きとなった。
本日のトピックス
新型コロナウイルスの変異株の感染が世界的に拡大しており、米国や英国の一部では再び行動規制が出されており、景気回復の先行き不安も高まっている。そのため、世界的に株価が下落しており、投資家のリスク回避の動きが強まっている。週明けの東京市場でも、日経平均株価が序盤から350円超下落するなど、ドル円・クロス円も軟調な動きが続いている。
本日は、欧米の主要な経済指標の発表がないことから、株価や米長期金利の動き次第では、一段の下振れの可能性も考えられることから、各市場の動きが注目される。
7/19の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:00 | 米国 |
7月NAHB住宅市場指数
NAHB住宅市場指数は、全米住宅建築業者協会(NAHB)が加盟業者を対象にした一戸建て住宅の販売状況調査を基にした指数。50が判断の基準となり、50を下回ると住宅建設業者の多くが現況を「悪い」とみていることを示すことから、住宅市場の先行指標となる。
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82 | 81 |
前回は市場予想を下回る結果となり、2020年8月以来の低水準となった。資材価格と人件費の高騰を背景に、住宅需要が抑制されていることが示された。今回は、前月から小幅上昇が予想されているが、コスト問題などの環境改善までは、住宅購入が手控えられる可能性も考えられる。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート
ドル/円は、一目均衡表の転換線近辺で上値を抑えられており、上値の重い動きが続いている。この下には、107.476からのトレンドラインや、一目均衡表の雲上限ライン(20日まで109.549、その後は上昇)があり、ここが目先の下値のポイントとなる。一方、上値のポイントは転換線の110.172となる。
トレンドライン、一目均衡表の雲上限を下抜けて、その下にある雲下限ライン(109.112)も下抜ける場合には、一目均衡表では三役逆転の弱気シグナルとなることから、一段の下げとなる可能性も考えられる。さらに、オシレーターのMACDでは、両線下向き継続中であり、先行するラインはゼロポイントを下抜けており、両線がゼロポイントを下抜ける場合には、下げ継続のシグナルとなることから、合わせて注目したい。なお、雲下抜けとなる場合の下値目標の計算値は108.568となる。