前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が大幅上昇して始まったものの、米長期金利の低下や実需のドル売りが観測されたことから、ドルは対円で軟調な動きとなり、一時110.01まで下落した。一方、欧州通貨や資源国通貨は株価上昇を背景に、序盤は底固い動きとなる場面もあったが、ドル/円の下落に連れ安となった。その後、値頃感の買い戻しでドル/円は110円台割れを回避したことや、日経平均株価が上げ幅を拡大し、650円超上昇したこともあり、ドル円・クロス円は持ち直した。ただ、欧州時間では欧州主要株価指数や米株価先物が下落したことから、ドル円・クロス円は再び上値の重い動きとなった。
米国市場では、米国の主要な経済指標の発表がなく新規材料に乏しい中、米長期金利の上昇を受けて、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。ドルは、対円で一時110.40まで上昇し、欧州時間に付けた110.28を上回った。一方、欧州通貨や資源国通貨は、一時マイナス圏まで下落した米主要株価指数が持ち直したことや、ドル/円の上昇に連れ高となった。その後は、米経済の回復を見極めるために注目されている6月の米消費者物価指数を翌日に控えていることや、14日にパウエルFRB議長の議会証言を控えて様子見ムードも出て、終盤まで小動きの展開が続いた。
米株式市場では、米長期金利の上昇を背景に主要株価指数は序盤軟調な動きとなった。しかし、今週から本格化する主要企業の四半期決算の発表を控えて、好業績への期待感を背景に買いが優勢となり、主要株価指数は続伸となった。ダウ平均株価は、序盤に前週末比140ドル安まで下落したものの、その後はプラスに転じて144ドル高まで上昇した。引けにかけて高値圏を維持し、126.02ドル高で終了、終値ベースの最高値を更新した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、日経平均株価が470円超上昇して始まったことを好感して、投資家のリスク選好の動きが優勢となり、円が売られる動きとなった。一方、ドルが欧州通貨に対して軟調な動きとなったことや、米長期金利が低下したこと、さらに実需のドル売りが観測されたこともあり、ドルは対円で軟調な動きが続き、一時110.01まで下落した。また、株価上昇を背景に堅調な動きとなったクロス円は、ドル/円の下落に連れて上値の重い動きとなった。
(2)その後、日経平均株価が前週末比654円高まで上げ幅を拡大したことから、クロス円は底固い動きとなった。一方、ドル/円は110.00台前半では底固い動きとなり、値頃感の買い戻しの動きも見られ、ドル/円は110.27まで値を戻す動きとなった。欧州時間では、欧州主要株価指数や、米株価先物が下落したことを受けて、ドル円・クロス円は軟調な動きとなり、ドル/円は一時109.98まで下落した。
(3)ドル/円は110円台割れ近辺では買い戻しの動きも見られたことや、米長期金利の指標となる米10年債利回りが1.324%から1.374%まで上昇したことを受けて、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。ドル/円は、アジア時間に付けたこの日の高値の110.28を上抜けて、一時110.40まで上昇した。一方、欧州通貨や資源国通貨は、一時マイナス圏まで下落した米主要株価指数が持ち直したことや、ドル/円の上昇に連れ高となった。
(4)米10年債の入札が堅調だったことから買い戻しが優勢(利回りは低下)となったことから、ドルの上昇は一服となった。ただ、翌日に6月の米消費者物価指数、14日にパウエルFRB議長の議会証言を控えて様子見ムードもあり、終盤まで小動きの展開が続いた。
本日のトピックス
欧州市場では、ドイツやフランスの7月の消費者物価指数の発表が予定されているものの、確報値であることから、速報値から乖離がなければマーケットの反応は限定的と考えられる。また、新型コロナウイルスの変異株の感染が拡大していることから、関連する報道や要人発言には注意したい。
一方、米国時間では、6月米消費者物価指数の発表が予定されている。景気回復を背景に、インフレ高進の懸念が強まっている中で、今回は前月からの低下が予想されているものの、依然として高い伸びが予想されており、物価上昇リスクに対する懸念が高まるのかどうか注目したい。さらに、米主要企業の四半期決算の発表が本格化し、本日は大手金融の決算発表が予定されており、結果を受けた株価の動きが注目される。
7/13の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
6月消費者物価指数(前月比)
消費者物価指数(CPI = Consumer Price Index)は、消費者を対象とした小売やサービスの価格動向を示した指数である。特に、食品とエネルギーを除いたコア指数が重要視されている。そして、米国の金融政策を決定する上で重要な経済指標であり、為替市場への影響も非常に大きい。
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0.5% | 0.6% |
前回は市場予想を上回ったものの、2009年6月以来の高水準となった4月の結果からは低下した。一方、前年比ベースでは、市場予想を上回り、2008年8月以来の高い伸びとなった。景気回復が進む中で、インフレ高進が続いていることが示された。今回は、前月比、前年比ともに前月から0.1ポイントの伸び幅の低下が予想されているが、依然として高い伸びが続いていることが示されるだろう。 |