前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が序盤から軟調な動きとなったことから、ドル円・クロス円も上値の重い動きとなった。午後に入り、日経平均株価が248円安と安値引けとなったことや、米10年債利回りが2/17以来の低水準まで低下したことを受けて、ドル/円は110円台を割り込む動きとなった。一方、ドル/円の下落に連れてクロス円も一段の下落となった。さらに、アジア市場に続き、欧州主要株価指数が軒並み下落したこともドル円・クロス円の圧迫要因となった。
米国市場では、新型コロナウイルスの変異株の感染拡大が世界経済の回復を鈍化させるとの懸念を背景に、投資家のリスク回避の動きが強まり、ドル円・クロス円は上値の重い動きが継続。さらに、雇用関連の米経済指標が冴えない結果となったこともドルの圧迫要因となった。ユーロは対ドルで堅調な動きとなったことから、対円では底固い動きも見られた。一方、ECBが金融政策の新たな戦略を全会一致で戦略を承認したものの、想定内だったことから買い戻しも見られ、欧州時間に付けた4/23以来の安値129.63からは底固い動きが続いた。
米株式市場では、新型コロナウイルスの変異株の感染拡大を背景に、世界経済の回復が遅れるとの懸念が広がり、主要株価指数は序盤から下落した。さらに、序盤に発表された米経済指標が冴えない結果となったことも圧迫要因となった。ダウ平均株価は、序盤から軟調な動きとなり、一時前日比536ドル安まで下落し、2週間ぶりの安値となった。その後は下げ幅を縮小し、259.86ドル安(-0.75%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、105.27ポイント安(-0.72%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、序盤から日経平均株価が下落となり、前日比160円超下落したことから、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。さらに、時間外取引で米長期金利が低下したことも加わり、ドル/円は一時110.46まで下落した。
(2)その後、米長期金利が持ち直したことから、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。ただ、午後に入り、日経平均株価が下げ幅を拡大し、242円安と安値引けとなったことから、上値は限定的だった。その後、米長期金利の指標となる米10年債利回りが、時間外取引で1.319%から1.247%まで低下し、2/17以来の低水準となったことから、ドル/円は一時109.76まで下落し6/21以来の安値となった。一方、欧州主要株価指数の下落や、ドル/円の下落に連れてクロス円も一段の下落となり、ユーロECBの金融戦略見直しの結果発表を控えていることもあり、対円で一時129.63まで下落し、4/23以来の安値を付けた。
(3)米国市場では、新型コロナウイルスの変異株の感染拡大が世界経済の回復を鈍化させるとの懸念を背景に、世界的に主要株価指数が下落となり、投資家のリスク回避の動きが強まったことから、ドル円・クロス円は序盤から上値の重い動きとなった。さらに、序盤に発表された米新規失業保険申請件数が3週ぶりの増加となったこともドルの圧迫要因となり、対円では一時109.53まで下落し、6/11以来の安値となった。一方、ポンド/円は4/27以来、豪ドル/円は2/12以来の安値を付けた。また、ECBが金融政策の新たな戦略を全会一致で戦略を承認したものの、想定内の結果だったことから買い戻しも見られ、欧州時間に付けた4/23以来の安値129.63からは底固い動きが続いた。
(4)米10年債利回りが1.30%台まで持ち直したことから、ドル/円は底固い動きとなった。一方、米主要株価指数が下げ幅を縮小したこともあり、ユーロは対ドルで堅調な動きとなったことから、対円でも底固い動きとなった。
本日のトピックス
前日の海外市場では、世界的な株安に加え、米長期金利の低下を背景に、ドル円・クロス円は軟調な動きとなり、ドル/円は一時109円台半ばまで下落した。その後、米10年債利回りが1.32%台まで戻しているものの、東京市場では日経平均株価が500円超の下落となっていることもあり、ドル円・クロス円の戻りも限定的となっている。
ここから110円台まで改善するのか、さらに懸念が広がり、投資家のリスク回避の動きが強まるのか注目される。本日は、米国の主要な経済指標の発表がないことから、米株式市場や米長期金利の動向が注目される。